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ドコモとau「メール持ち運び」開始も「ID」縛りは健在 石川 温の「スマホ業界新聞」Vol.448

石川温ケータイ/スマホジャーナリスト

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石川 温の「スマホ業界新聞」

2021/12/18(vol.448)

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《目次》

1.ドコモとKDDIで「メール持ち運び」スタート

-----キャリアを解約しても「アカウント」縛りは継続

2.NTTドコモは2022年夏に5G SAをコンシューマー向けに展開

------4G周波数転用は「トラフィック多く、導入時期は検討中」

3.トーンモバイルが「エコノミーMVNO」でサービスを開始

-----dポイント&インセンティブ負担は見合うのか

4.今週のリリース&ニュース

5.編集後記

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1.ドコモとKDDIで「メール持ち運び」スタート

-----キャリアを解約しても「アカウント」縛りは継続

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NTTドコモは「ドコモメール持ち運び」を12月16日より開始した。KDDIも「auメール持ち運び」を12月20日より開始する。どちらも月額330円となっている。

ソフトバンクも年内に提供する予定。楽天モバイルは2021年中に予定していたメールアドレスの提供が延期され「提供に向けて準備中」という文言に変わった。

菅義偉総理(当時)が「2021年中にメールアドレスの持ち運びを提供する」と明言していたこともあり、3キャリアは忠実にその命令を死守した格好だ。関係者には頭が下がるばかりだ。

総務省が掲げる「アクション・プラン」により、メールアドレスの持ち運びも実現したことで、キャリアの乗り換えも一気に進むのだろう。

3キャリアが提供している「オンライン専用プラン」ではメールアドレスが付与されないという弱点があったが、今回の持ち運びが実現したことで、メールに依存している人でも気軽にオンライン専用プランに移行できるようになった。

もちろん、3キャリアのオンライン専用プランではなく、楽天モバイルやMVNOへの乗り換えも促進されることだろう。

しかし、NTTドコモとKDDIが提供する「メール持ち運び」の条件を見ると「dアカウント」「au ID」が必須となっている。つまり、MVNOや楽天モバイルに移行しても、メールを使い続けようと思うと、契約していたキャリアのアカウントを持ち続けなくてはならない。

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ケータイ/スマホジャーナリスト

日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、日経TRENDY編集記者としてケータイ業界などを取材し、2003年に独立。現在は国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップル、海外メーカーなども取材する。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。ニコニコチャンネルでメルマガ「スマホ業界新聞」を配信。近著に『これからの5Gビジネス』(エムディーエムコーポレーション刊)がある。

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