巨大「iPad Pro」を1週間使ってみた

手前が従来サイズのiPad Air2。奥のiPad Proがいかに大きいかわかる

13日にも店頭発売となるアップル・iPad Pro。

12.9インチという大型ディスプレイを採用し、ノートパソコンに匹敵する存在感に仕上がっている。発売前ではあるが、iPad Proの実機を入手。1週間ほど使ってみた。

大型化され、ペン入力にも対応したのが進化点

iPad Proを実際に持ってみると、スタンダードなモデルである「iPad Air2」と比べて、格段に大きく重たい印象がある。実際のところ、iPad Air2が9.7インチで444g(WiFi+セルラー版)であるのに対し、iPad Proは12.9インチで723g(同)。いかに大型化されているかがわかる。iPad Proは片手で持つというよりも、両手でしっかりと持つ、あるいは机の上に置いて使うというのが現実的だろう。

ノートパソコン代わりとしても充分に使えそうなiPad Pro。
ノートパソコン代わりとしても充分に使えそうなiPad Pro。

iPad Proの最大の特長は、サイズだけではなく、ペン入力に対応したという点だ。「Apple Pencil」という別売品を購入することで、手書きで文字や絵を入力できるようになる。

実際にApple Pencilを使ってみると、実になめらかに自然な書き心地でディスプレイに文字が書けてしまう。これまで、iPad向けのスタイラスペンを数多く使ってきたが、ここまで自然に、紙のように書けるというのは、アップルだからこそ実現できた品質といえる。

携帯電話の契約などで、iPadでスタイラスペンを使ってサインを書くことがあるが、自分の名前にも関わらず、自分でも読めないようなサインを書いてしまうことが多々あった。

iPadがこれまでペン入力を得意としていないにもかかわらず、無理矢理ペン入力をしていたのが理由だが、iPad ProとApple Pencilの組み合わせなら、自分のサインも満足に書ける。

ペンを力強く扱えば、太い線になるし、軽く扱えば細い線になる。ペン先を斜めにすれば、まるで鉛筆で塗りつぶすように書くことだってできる。アップルが「ペン」ではなく「ペンシル」と言っている理由がわかった気がした。

ちなみにApple Pencilの充電は、iPad ProのLightning端子に挿入することで行う。乾電池やmicroUSBケーブルが不要なのも便利な点といえる。

別売りとなるApple Pencilとキーボード内蔵カバー。
別売りとなるApple Pencilとキーボード内蔵カバー。

また、アップルでは、キーボードを内蔵したカバーをオプションで用意している。これがあれば、カバーを開いた瞬間に、長文の文字入力も可能になる。ただし、キーの感触はしっかりとしているものの、英語配置となっているため、かなり慣れが必要だ。

今後、同様のカバータイプのキーボードが周辺機器として発売される可能性があるため、自分の使い勝手にあったキーボードが出てくるのを待ってもいいだろう。

様々なアプリが使えるのがノートパソコンにはない魅力

iPad Proの魅力として、忘れてはいけないのがアプリの充実だ。

すでにマイクロソフトの「ワード」「エクセル」「パワーポイント」といったオフィスアプリが揃っている。

メール、ブラウザ、FacebookやTwitterといったSNS、音楽や動画再生、雑誌配信、写真整理や映像・画像編集などありとあらゆるジャンルを網羅している。

もちろん、ゲームも幅広い種類が配信されている。12.9インチという大画面で、様々なアプリを扱えるのはかなり楽しい。

iPad Proでは4つのスピーカーを内蔵し、低音域から中・高音域までしっかりと再生することが可能となった。実際、iPad Proで映画やドラマなどを視聴したが、「一人暮らしなら、テレビはいらないかも」と思えるほど、迫力のある映像を楽しむことができた。もちろん、iPad Pro単体でテレビ番組は見られないが、最近では見逃し配信サービスも充実してきており、かなりの番組をiPad Proで視聴することができる。

ペン入力はまるで紙に書いているような自然さだ。
ペン入力はまるで紙に書いているような自然さだ。

これまでのiPad、iPad miniなどは携帯性を重視して、いつでもどこでもコンテンツを観る、というスタンスのタブレットに仕上がっていたと思う。

通勤電車の中やソファーやベッドで横になりながら、iPadやiPad miniを使って動画や漫画を楽しんでいるひとも多いだろう。

その点、iPad Proは気軽に持ち歩いて使うという用途には間違いなく不向きだ。画面サイズが大きく、携帯性は決して高いと言えない。

しかし、大画面であり、処理能力もパワフルであるため、ノートパソコン代わりに使うという用途にはかなり向いていると言える。しかも、ノートパソコンは「ネットを見るか、年に1回、年賀状を印刷する程度しか使っていない」という人でも、iPad Proでは、アプリによって、ウェブ閲覧だけでなく、漫画や雑誌の閲覧、動画再生、ゲームなど、幅広い用途に使うことが可能だ。

仮に自宅でしか使わなくても、ノートパソコン代わりとしては、十分に使い勝手があるデバイスに仕上がっている。

iPad Proは最も安いモデルで9万4800円であるため、下手をするとノートパソコンが買える値段でもある。 

しかし、「ノートパソコンを買っても、そんなに使わないし、使いこなせない」という人でも、iPad Proであれば、iPhoneの延長線上で使いこなせるし、アプリをもっと大画面で便利に楽しむという用途に使える。

そう考えると「パソコン代わりにiPad Proを買う」という選択肢も現実的ではないだろうか。

iPad Proは700gを超えるだけに片手で持ち歩くのはややつらい
iPad Proは700gを超えるだけに片手で持ち歩くのはややつらい

日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、日経TRENDY編集記者としてケータイ業界などを取材し、2003年に独立。現在は国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップル、海外メーカーなども取材する。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。ニコニコチャンネルでメルマガ「スマホ業界新聞」を配信。近著に『iPhone5から始まる!スマホ最終戦争』(日本経済新聞出版社刊)がある。

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