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UQ WiMAXがTD-LTE対応を検討へ

石川温ケータイ/スマホジャーナリスト
UQコミュニケーションズの野坂章雄社長

高速通信サービス「WiMAX」を手がけるUQコミュニケーションズは10月31日、次世代サービス規格として「WiMAX リリース2.1」規格を採用する方向で検討を始めたと発表した。

WiMAXリリース2.1は、従来のWiMAX規格と親和性を保ち、高速化を進めながらも、現在、ソフトバンクが導入を進めつつある「TD-LTE方式」とも互換性を確保しているという。

UQコミュニケーションズは総務省に対し、新たに20MHz幅の周波数割り当てを求めている。UQコミュニケーションズとしては新しい周波数が確保できれば、そこにWiMAXリリース2.1を導入する予定。2013年度中の実現を目指す。

TD-LTE方式は、すでにソフトバンクは「Softbank 4G」として国内でサービスを提供中だ。将来的には、アップル「iPhone」もTD-LTE方式への対応を検討しているとされる。そのため、ソフトバンクもアップルにTD−LTE方式の採用を積極的に働きかけている模様だ。

ソフトバンクとしては、iPhoneがTD-LTE方式に対応すれば、現在、混雑している周波数帯に余裕が出るだけでなく、KDDIのiPhoneと通信速度でも優位に立つことができる。

しかし、今回、KDDIの傘下にあるUQコミュニケーションズがWiMAXリリース2.1でTD-LTE対応への準備を進めたことで、KDDIのiPhoneも将来的にはTD-LTEに対応できる可能性が出てきた。

■TD-LTE方式とは

中国を筆頭に導入が進みつつある高速通信規格。アメリカでは、WiMAXを提供しているクリアワイアという会社がTD-LTEへの切り替えを準備中だ。

日本ではソフトバンクモバイルが、WCPという会社が提供するAXGP方式(TD-LTE方式と互換性あり)を採用し、ポータブルWi-Fiルーターやスマートフォンを提供している。ソフトバンクが、クリアワイアを傘下に持つアメリカ第3位の携帯電話会社である「スプリント・ネクステル」を買収したのも、世界的にTD-LTE方式を広めるためと言われている。

ケータイ/スマホジャーナリスト

日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、日経TRENDY編集記者としてケータイ業界などを取材し、2003年に独立。現在は国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップル、海外メーカーなども取材する。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。ニコニコチャンネルでメルマガ「スマホ業界新聞」を配信。近著に『これからの5Gビジネス』(エムディーエムコーポレーション刊)がある。

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