iPad miniはKDDIからも発売される?
日本時間10月24日午前2時(アメリカ時間、23日午前9時)、アップルがサンフランシスコ・サンノゼで、新製品発表会を開催する。
筆者のもとにも招待状が届いたが、なかには一言「We’ve got a little more to show you(もうちょっとお見せしたいものがあります)」のメッセージがあるのみだ。
記者会見会場となるサンノゼの「カリフォルニア・シアター」に行ってみたが、入り口上には「APPLE SPECIAL EVENT」と書かれていた。中の様子は確認できなかったが、機材搬入用のトラックも止まっているなど、すでに記者会見に向けた準備が進んでいるようだ(会場内を覗こうとすると、警備員がすぐにやって来て止められる)。記者会見には世界中から集まったメディア関係者が参加する見込み。
果たして、一体、何が発表されるのか。
まず、最も「確実」だと噂されているのが、iPadの小型版となる「iPad mini」だ。「mini」という名称がつくかは不明だが、招待状の「Little」という単語を使っているからも推測できるように、iPadを小さく軽くしたデバイスが発表されると言われている。
現行のiPadは9.7インチという画面サイズだが、新たに発表されるのは7.85インチ程度だとされる。
タブレット市場では、初代iPadが発売された当初こそは10インチ前後のサイズが相次いで登場したが、最近では7インチが主流になりつつある。アメリカで普及が進むAmazon「Kindle Fire」やグーグルが日本でも発売した1万9800円の激安タブレット「Nexus 7」など、いずれも7インチとなっている。「GALAXY tab」を発売するサムスン電子のアメリカ担当者や、グーグルの開発担当者に話を聞くと、口を揃えて「アメリカでも、持ち運びを考えると7インチというサイズがベストだ」と言う。10インチだと、家のなかでリビングで使うのがメインとなってしまうが、7インチであれば携帯性があるため、外出先でも使うようになるのだ。
ライバルが続々と7インチタブレットを投入し、シェアを伸ばしていることから、アップルも「iPad mini」で対抗してくるものだと思われる。当然、サイズを小さくし、ライバルとなる「Nexus 7」に勝負を挑んでくるわけなので、価格の面でも、かなりの安さを期待したいところだ。
「iPad mini」の登場にあわせ、現行の「新しいiPad」もリニューアルされるのではないか、という噂もある。iPhone5で採用された小型コネクタ「Lightning Dockコネクタ」に変更され、さらに薄く軽くなると言う情報も飛び交っている。
日本のユーザーとして気になるのが、対応キャリアだ。今年3月の「新しいiPad」発売時は日本のLTEに対応できていなかったが、今回、iPadもしくはiPad miniが発表されるとなると、当然ながら、iPhone5と同様に日本でも使えるLTEに対応してくるだろう。そうすれば、もちろん、ソフトバンクだけでなく、KDDIからも発売されると見て間違いない。
KDDIは今年3月の新しいiPad発売時には「iPadは売上のほとんどがWi-Fi版であり、キャリアとして参入するのには慎重にならざるを得ない」(KDDI関係者)として、採用を見送ってきた経緯がある。しかし、iPad miniという小型のデバイスであれば携帯性が高いので、従来のiPad以上に外で使いたいという需要も高まる。いままではWi-Fi版ばかりが売れていたが、これからはLTE版の人気が高まるかも知れない。キャリアにとってみれば、導入することで契約者増につなげることができる。
日本のLTE対応と小型デバイスの投入により、KDDIにとってのiPad導入に対する懸念材料は払拭されたと言える。iPhone5人気で、いま勢いのあるKDDIだけに、iPadの販売も開始するというのが自然の流れと言える。新製品は11月に発売と言われているが、KDDIも参入すると、iPhone5と同じようにソフトバンクとの熾烈な販売合戦を繰り広げることになる。