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世界最高齢・ギネス認定の31歳の犬「ボビ」死ぬ 2つの長生きの秘訣

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
Guinness World Records@GWRより

2023年10月21日「世界最高齢の犬」に認定された雄犬ボビちゃんが、31歳で死んだとギネスワールドレコーズ社が明らかにしました。

ボビちゃんはポルトガルで暮らしていて「ラフェイロ・ド・アレンティジョ」というポルトガル原産の犬種。今年2月に「存命中の世界最高齢」に認定され、同時に「史上最高齢」の記録も更新したとKYODOは伝えました。

ボビちゃんは、世界最高齢の犬

ロイター「30歳の犬を世界最高齢としてギネス記録に認定 ポルトガル」

一般社団法人ペットフード協会が実施している「犬猫飼育実態調査」によりますと、2020年、日本の犬の平均寿命は14.48歳でした。このことを考慮するとボビちゃんは、日本の犬の平均寿命の倍以上生きていました。ボビちゃんは、小型犬ではなく(小型犬の方の寿命は長い)大型犬にもかかわらず31歳165日間生きていたそうです。

日本では珍しいラフェイロ・ド・アレンティジョという犬について説明しておきます。

大型犬と上述しましたが、具体的には、体高は雄66〜74cmで雌64〜70cm、体重は雄45〜55kgで雌40〜50kgです。日本でよく目にする柴犬の5倍以上はあります。

ラフェイロ・ド・アレンティジョは、ローマ人がイベリア半島にやってきた際に一緒に連れてこられた犬が元となっているという説や、その前から現地の遊牧民によって飼育されていたという説などがあります。

スペイン南部で、主に牛や羊を狼や家畜泥棒などから守る護畜犬として使われていました。

日本にも、長生きの犬はいました。

2011年12月の日本経済新聞は、その当時世界最長寿の犬としてギネスブックに認定されていた栃木県さくら市の雄の雑種犬「ぷースケ」ちゃんが死んだことが6日分かり、老衰で26歳と9カ月だったと伝えています。

ボビちゃんもぷースケちゃんも、ずっと寝たきり状態というのではなく、死ぬ間際まで、自分の足で歩いていたところも感動します。

筆者が飼っていたミニチュアダックスフンドのラッキーは18年10カ月生きて、死ぬ1年前ぐらい寝たきりでオムツをしていました。

ボビちゃんの長生きの秘訣とは?

愛犬家の夢は、「自分の犬は、健康で長生きしてほしい」です。いまや犬は、家族の一員なので、手厚く世話されています。その秘訣をボビちゃんの飼い主・コスタさんは次の2点をあげています。

1、ボビちゃんはリードをつけられたことがない

ボビちゃんは、ポルトガルの郊外で暮らして農地や森に囲まれた穏やかな環境いたので、リードをつけられることもなかったそうです。

ラフェイロ・ド・アレンティジョは、遊牧民によって飼育されていた可能性もありますので、リードとかつけるとストレスだったのでしょう。

2、人間と同じ食べ物を水に浸して調味料を除いた上で与えていた

ドッグフードをあげなかったのが、興味深いです。

日本の犬は、ほぼドッグフードを食べています。総合栄養食のドッグフード(一般食のドッグフードもあります)は、水とそのドッグフードだけをあげていればいいというものです。栄養面では大丈夫ですが、肉や魚の加工品を使うことが多いので添加物という点では考える必要があるかもしれません。

以前の日本の犬は、飼い主の食事の残り物を食べていた時代がありました。その頃に比べて、長寿にはなっていますが、ボビちゃんの飼い主・コスタさんの言葉を読むと、食事の大切さを感じます。

ボビちゃんは、自然豊かなところに住んでおりファーストフードなどではなく、地産地消でそこで取れたものを食べていたのかもしれません。

まとめ

イメージ写真
イメージ写真写真:イメージマート

犬も長寿になり、ボビちゃんもぷースケちゃんも25年以上生きています。

これから見えることは、ポルトガルも日本も犬を大切にしている文化があることです。そして平和なのです。戦争が起きれば、犬は長生きできません。

日本でこのように犬が長寿になったのは、ほんのここ40年ぐらいのことです。

以前はフィラリア症という蚊から媒介する病気や、ジステンパーウイルス感染症やパルボウイルス感染症で命を落としていました。

現在の日本の犬の死因の1位はがんで、それに次いで心臓病などです。このボビちゃんの飼い主・コスタさんの言葉を参考にして、愛犬にストレスを与えないで、食べ物を見直すともっと長生きになるかもしれません。

飼い主からすれば、「うちの子にはストレス?」と思うかもしれません。ボビちゃんを参考にすれば、犬も猫のように気ままなところがあるのでしょう。犬は、一般的に飼い主をボスとして従順に従いますが、過度の従順はストレスになるのかもしれませんね。犬も30年以上生きる子が出てくる未来は来るのでしょう。

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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