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ごはんタイムが話題になった多頭飼育の保護猫たち。その工夫とは

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
猫バカ日記@cute_satuki_mei より

4匹の子猫のにぎやかなごはんタイムの動画があります。とてもかわいらしいです。

この投稿は記事執筆時点で19万件以上表示され、4000件以上のいいねがあります。子猫のごはんのあげ方に、工夫が凝らされています。それを詳しく見ていきましょう。

元気一杯の保護された子猫のごはんタイム

猫バカ日記@cute_satuki_meiさん より

多頭飼育していると、どの子にもごはんを食べてもらうのに工夫が必要です。

この動画の投稿者の猫バカ日記さんは、愛情を持って接している様子がよくわかります。

1匹ずつ別々にしないで、はじめは一緒に出して、ごはんを食べさせているところが工夫しています。

はじめは並んで食べています

猫バカ日記@cute_satuki_meiさん より
猫バカ日記@cute_satuki_meiさん より

一緒に食べる利点は以下です。

・食欲がない子猫も競争して食べるので、食欲が増える

・他の子猫と比べられるので、その日の健康状態がわかる

他の子のお皿が気になる子も

猫バカ日記@cute_satuki_meiさん より
猫バカ日記@cute_satuki_meiさん より

動画を見ていると、左から2番目の白と黒の子猫が、自分のお皿から食べないで、他の子猫のフードを食べに行きます。多頭飼育していると、このように同じフードを入れていても他の猫の方がおいしいそうに見えるのか、他の猫のものを食べることがよくあります。

1匹ずつごはんタイム

猫バカ日記@cute_satuki_meiさん より
猫バカ日記@cute_satuki_meiさん より

猫バカ日記さんは、白と黒の子猫が他の子猫の皿を狙いに行くと、ちゃんと1匹ずつ取り押さえて、別の空間に移して、ごはんタイムを行っています。

少し手間がかかりますが、こうやって手間をかけないと、成長期に体重の差が出てくる可能性があり、将来的に体が弱くなることも考えられます。

多頭飼育のごはんタイムの注意事項

保護猫活動をしていると、どうしても多頭飼育になります。以下のことに注意してください。

大きな皿に多頭分フードを入れない

多頭の猫の世話をすると、時間がかかるので、大きな皿にフードを入れがちです。

そうなると、食欲旺盛な子や活発な子が、好きなだけ食べて、おっとりしている子が残りフードを食べることになります。満足に食べられなくなります。

多頭飼育でも、面倒がらずに1匹ずつ皿に入れてあげましょう。

どれぐらいの量を食べて、それにどれぐらいの時間をかけたかを1匹ずつ確かめる

多頭の猫がいると、どの子がどれぐらい食べているかのチェックが難しくなりますが、しっかり見ておきましょう。食欲があるか否かは、健康のバロメーターになります。

完食しても、いつもより時間がかかるのは、よくないので、おおよその時間を把握しておきましょう。いつもより時間がかかる場合は、病気が隠れていることもあります。食べているからいいというものではないです。

感染症(猫エイズ・FIV 猫白血病ウイルス感染症・FeLV)を持っている子は、お皿を共有しない

猫の中には、感染症を持っている子もいます。その場合は、隔離してお皿の共有はしないようにしましょう。

感染症は、唾液、血液、排泄物からウイルスが排泄されるので、感染症を持っていない子とは、別の部屋で飼いましょう。人には感染しませんが、猫同士は感染します。

4匹、楽しそうに遊んでいます

猫バカ日記@cute_satuki_meiさん より

猫バカ日記さんによって愛情深く育てられているので、新しい家族のもとでも健やかに育つことでしょう。

保護猫活動をしている人たちのSNSで日常生活を見せてもらうときちんと面倒を見られていることが推測できます。

猫を飼う場合、このようなSNSで参考にして、保護猫を飼う文化が一般的になることを願います。

画像提供:猫バカ日記(@cute_satuki_mei)さんです。猫たちの生き生きとした投稿が楽しめます。

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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