【獣医師が警告】命の危険があるかもしれない猫の3つ行動とは?
もうじき師走になります。部屋の大掃除やクリスマスの飾りつけをするなどなにかと忙しい季節になりました。
そんなときに、猫のある行動を見逃していると命の危険があるかもしれません。今日は、そんな猫の行動を3つ見ていきましょう。
1、飼い主から見えにくいところにいつもいる
残業などで慌てて帰宅したときに、猫はどこにいますか?
玄関に迎えに出ているようなら、そう調子が悪くないです(猫にもよりますが、元気なときも迎えに出ない子は除きます)。
いつも玄関の戸を開けると猫が迎えに出ているのに、猫がいないと調子が悪いと考えておいた方がいいです。猫は飼い主が帰宅したことを音やニオイでわかっていたけれど、迎えに出る元気がないということなのです。
獣医師は、猫がどんな様子かを探るために「普段は帰宅したらミーちゃん(猫の名前)は迎えに来ていますか?」と尋ねます。そして、飼い主が「はい」と答えれば、「今日は玄関にいましたか?」と筆者は聞き、診察の助けにしています。
そして、具合が悪い猫の飼い主には筆者は以下のように尋ねます。「リビングなど、家族の人がいるところにいますか?それとも隠れていますか?」
猫は、具合の悪いときは、誰もいないところにひとりでいっていることが多いです。食事やトイレ以外のときは、どこに猫がいるのかを注意深く観察しておいてください。
2、爪とぎをしなくなった
猫は、体の調子のいいとき、そして若いときは爪とぎをします。はじめに、なぜ、猫は爪とぎをするのかを見ていきましょう。
□するどい爪の維持
猫は、単独で狩りをする動物です。爪は獲物をとらえたり、自分の身を守ったりするための大切な体のパーツです。爪とぎをすることで、するどい爪を保つことができます。
□マーキング
猫の肉球には、強いニオイを放つ臭腺があります。爪とぎをすることで自分のニオイをつけることができるので、自分の縄張りを主張しているのです。
□リラックスや気分転換
動物病院に行った後や寝起きなどに、気分を切り替えるために爪とぎをすることもあります。爪とぎを始めるのも、気分を変えて気持ちを落ち着かせるために行っていると考えられます。
□遊んでほしいとき
飼い主の関心を引くために爪とぎをすることがあります。飼い主の近くで爪とぎをして「かまって」「遊んで」というサインのときもあります。
上記のような理由で、普通は爪とぎをしているのに、しなくなるということは、マーキングしたり、遊ぶ元気がないことを意味していることがあります。爪とぎをしているかどうか、ちゃんとチェックしてあげてください。
3、毛づくろいをしなくなった
猫は、単独で狩りをする動物なので、ニオイがついていることを嫌います。それで、動物病院で獣医師などに触られると懸命に毛づくろいします。ところが、動物病院のニオイがついても、本当は毛づくろいをしたいのですが、体がしんどいとそれどころじゃないのです。
人間もきれいに衛生的にしようと思っても具合が悪いと、それどころじゃないです。生きているだけで精一杯のときは、身なりを整えるエネルギーはなかなかないものです。猫もシニアになったり、口内炎ができたり、体の調子が悪いと毛づくろいをしなくなるのです。
まとめ
室内飼いの猫なら、身近にいます。
食欲がない、下痢をしている、吐いているなどの行動の他にもこのような3つの行動を注意深く観察していると、猫の調子がよくわかります。
年末が近づくとなにかと時間がなくなり、猫の行動を見ることを忘れがちです。猫に元気で暮らしてもらうためにも、「見える場所にいるか?」「爪とぎをしているか?」「毛づくろいをしているか?」などをしっかり観察してください。そして、楽しいクリスマスと年末年始を猫と迎えましょう。