「反省が伝わらないのを反省」”いじられキャラ”小泉進次郎氏の言語センスは父親譲り?

(写真:つのだよしお/アフロ)

小泉進次郎環境相の「反省の色が伝わらない、そういう自分を反省したい」という発言が話題となっています。

これは野党議員から国民への謝罪を求められた小泉氏が、謝罪をかたくなに拒むための方便。「反省」という言葉を実に約20回繰り返した、と報じられています。

小泉氏といえば、これまでも「今のままではいけないと思います。だからこそ、日本は今のままではいけないと思っている」や、「気候変動のような大きな問題は楽しくかっこよくセクシーであるべきだ」などのユニークな発言で、世間を賑わしてきました。

オリジナリティと平易さがポイント

小泉氏の発言のポイントとして「オリジナリティ」と「語彙の平易さ」が挙げられます。

 

一般に、政治家の発言といえば「遺憾に思う」「善処する」など、響きは重々しいけれど意味するところはよく分からない「政治家語彙」が特徴です。

言った・言わない、謝った・謝らないの言質を取られることが、即致命傷になる政治家にとって「何かを言っているようでいて何も言っていない」発言で時間切れを狙うのは、当然の戦術。ですから自然と、どの政治家も同じような発言を繰り返すことになります。

最近話題になった麻生太郎財務相の「誤解を与えたなら撤回する」というコメントも、彼の尊大な姿勢こそうかがえるものの、すごく目新しいかと言われればそうでもなく、どこかで聞いたような語彙と構文です。

その点、小泉氏の発言はユニークそのもの。オリジナリティに溢れています。だからこそ、たびたびニュースになるわけです。

自分の言葉で語ろうとした結果

しかも「反省」という、身近な言葉を使っているのも特徴。

そういう「政治家っぽくない語彙」を使いつつも、結局は「何かを言っているようでいて何も言っていない」効果を狙うために、ますますおかしな発言になってしまうというわけです。つまり、紋切り型の語彙に頼らず、極力自分の言葉で話そうとしたがゆえの失敗ということ。

失言の多い「いじられキャラ」?

ところがこうした発言のおかげで、失笑を買う場面が増えようとも、結果的に多くの人から「困ったヤツだな(笑)」と親しまれているのも事実です。お笑いの世界で言うところの「いじられキャラ」「すべりキャラ」と同じような効用がそこには見て取れます。

狙っているかどうかは分かりませんが、こうした発言がニュースになり、国民の注目を自分に集め、政治課題に集めるというのは、政治家にとって大切な手腕のひとつでしょう。

父親譲りの言語センス

そして、このような、ツッコミの余地がある発言で人気となった政治家と言えば、小泉進次郎氏の父、小泉純一郎元総理が思い出されます。

「新しいストレスが来ると古いストレスを忘れてしまう。これが私のストレス解消法。」

「小泉は駄目だ、というのは構わない。でも日本は駄目だ、というのは許さない。」

「痛みに耐えてよくがんばった!感動した!おめでとう!」

「私が、小泉が、自民党をぶっ潰します!」

 

このような明快なキャッチフレーズで大衆を味方につける手法は、当時「劇場型」などと批判されましたが、小泉進次郎氏の発言の軽さ・ポップさ・面白さも、そこに通じるものを感じます。

親譲りの言語センスが生み出す「ツッコミどころ」は愛嬌と親近感につながり、それは、甘いマスクや、結婚・育休などの話題作りの巧みさに勝るとも劣らない、大きな武器。

ネット上では「小泉進次郎語録」「小泉進次郎ポエム大喜利」などと盛り上がっていますが、そうしているうちは、小泉氏の手のひらの上という気がしないでもありません。