はあちゅうさんとLINEしてたら、変なものが送られてきた。【”名字スタンプ”流行の理由を分析】

最近、LINEを使ってて、不思議なもの、見かけませんか?

先日、はあちゅう、こと、伊藤春香さんとLINEでやり取りをしていました。

近所の書店ではあちゅうさんの書籍が大きく展開されていたので、写真を撮ってお知らせしたところ、お礼の言葉とともに、人を食ったような表情の人間のイラストに「伊藤、うれしい」という言葉が入ったスタンプが送られてきたのです。

一瞬びっくりしました。が、次の瞬間、「ほほぅ、やはり……」とあごをなでて納得し、ひとりごちたのです。

というのも、この名字スタンプこそ、いまLINE界隈で流行っているスタンプなのだと、最近聞いたばかりだったからです。

なるほど、はあちゅうさんも使っているのか、さすが……。名字スタンプとはあちゅうさん、双方に畏敬の念を抱いたというわけです。

LINEスタンプは、買うから作る、へ

LINEメッセージのやり取りの中で活躍するスタンプですが、現在販売されているスタンプは実に20万個以上。フリーコインを貯めたり課金したりして、お気に入りのスタンプを手に入れるわけですが、今のLINEスタンプ事情を語るうえで外せないのが、クリエイターズスタンプです。

これは一般の人が無料で作成することができ、売り上げの35%ほどが作成者の手元に入る仕組み。以前は3か月ほどかかっていた審査が、数日に短縮されたため、いま、スタンプ作成ブームが花盛りなのです。

普通のスタンプはもう要らない

作るブームは熱いとして、買う側、使う側の意識はどうなのでしょうか?

大学生に聞いてみると「LINEスタンプはもう飽きちゃったんですよね」という冷たい答えが返ってきました。

「私は2年前くらいから少しずつ気に入ったスタンプを買っていたんですけど、2年も経つと大体一通りは揃ってしまって。似たようなものも多いし。だから、昔は一生懸命貯めていたフリーコインも見向きもしなくなりました」

LINEスタンプ、もう流行りは終わった、ということでしょうか。

「友達もそういう子が多い気がします。あとは、普通のスタンプに飽きてきた子は、面白スタンプに手を出していますね」

個性とアイデンテイティ

そう、ここで、冒頭で挙げた名字スタンプの話が出てきます。

「面白スタンプっていうのは、ふざけたイラストにふざけたコメントが付いたようなスタンプです。大体クリエイターズスタンプなんですけど、使える場面が極端に限られていたり、相手を馬鹿にしたり煽ったりする内容のものですかね。私もいくつか持っているんですけど、仲のいい友達に使うと盛り上がります。友達の中でも自分だけが持っているようなスタンプがほしくなるんです」

ノーマルなものではなく、自分の個性を出せるようなスタンプを使いたいということ。実際に、LINEスタンプストアで検索してみると、名字に関連するスタンプは少なくとも300個以上は販売されている様子。

「佐藤」「山本」といったベーシックな名字は何パターンものスタンプが出ていますし、中には「登坂」といったあまり多くない名字のものまであります。と、そうこうしているうちに、ちょうど昨日、別の人からも名字スタンプ(中島さん)が送られてきたので話を聞いてみると、

「あれ、面白いでしょ。普段はあまりスタンプを買うことはないんだけど、あれは即決だったね。自分がターゲットにされているって明確にわかるし、ほかの人と差別化できるから」

と、誇らしげでした。

次に来るスタンプ大予想

飽和状態のLINEスタンプ界に現れた新星・名字スタンプ。

確かに、名字は自分の個性・アイデンテイティをアピールできる最も原始的なツールです。

思えば昔から、旅先の土産物コーナーには、「ゆい」だの「あかね」だの、汎用性の高い名前を記したハンコやハンカチが並んでいます。その発想をスタンプに流入させたアイディア賞と言えるでしょう。

となれば、次は普通に、下の名前スタンプが出てきそうなものですが、これはあまり面白みがないというか、普通すぎて、スタンプの世界では支持されないでしょうか。→と思ったら、もちろんすでに発売されてました。

というわけで、次に来る(かもしれない)スタンプを、思いつきで挙げてみます。

ポイントは個性とアイデンテイティ。一体あなたの何が、スタンプになるとうれしいでしょう。

相手の名字スタンプ

「伊藤、元気か?」「中島を待ってる!」→これはよさそう。送られてきたらうれしいし、買ってしまいそうです。

似顔絵スタンプ

顔写真を撮って送ると、それをキャラにしてくれて、スタンプにまでしてくれる。→技術的なハードルさえクリアすればいけそう。ちゃんりおメーカーと同様の発想で。

家族・親戚・兄弟スタンプ

「どうも、姉です」とか「曾祖父が怒ってるぞ」とか。→うん、これも、いけそう。

出身地スタンプ

「海老名では、普通のことです」「春日部で飲もうぜ」→LINEがどんどん狭いコミュニティになっている流れを受けると、いけそうです。

出身大学(高校)スタンプ

狭いコミュニティといえば、これはいけそう。「赤門で待ってるぜ」とか、校歌の一部がスタンプになってるとか。

企業名スタンプ

これはとたんに、スパイシーさが減りそう。「三菱商事の者ですが」→あ、でも、揶揄するようなものが出てきたりして。さすがに審査が通らないか。「三菱自動車の者ですが……」

……いろいろ思いつきますね(どれも、すでにあったらごめんなさい)。

相手のために送るという新発想

さて、個人的には、人からスタンプが送られてくるのは大歓迎。楽しいし、ひとときほっこりした気持ちになります。逆に言うと、送ってきた人の個性が強いものよりも、楽しいもの・かわいいもののほうが、うれしい。また、動画で動くものは少し苦手です(目がチカチカするので)。

結局、スタンプとは、相手に送るちょっとしたプレゼントなのかもしれません。その昔、手紙に匂いをつけたり、お気に入りのメモ用紙でメッセージを書いたりしたように。

となれば今後、自分のこだわりはおさえて相手が喜ぶものを送るという発想が登場してもおかしくありません(相手の名字スタンプのように)。SNS時代特有の自己主張ではなく、相手を思いやる気持ちの復権。

というわけで、スタンプの流行、次に来るのは「個性」ではなく、「おもてなし」「気づかい」=和の心、と読みましたが、どうでしょうか?

(五百田 達成:「察しない男 説明しない女」著者 作家・心理カウンセラー)