セブン-イレブン「手巻おにぎり」リニューアル、さらなる進化で2月25日に発売。

随所にセブン‐イレブンの開発の凄みを感じる商品。2月25日に発売(筆者撮影)

22億7000万個販売 リピート率もNO2

前回、温麺の取材をしたご縁もあり、この説明会に出席することとなった。

説明は、株式会社セブン‐イレブン・ジャパン 商品本部 デイリー部 米飯・麺類 シニアマーチャンダイザー 園田康清氏(以下園田氏)。

内容 「手巻おにぎり」リニューアルの概要 および歴史に関する説明

質疑応答といった流れである。

1978年から発売開始、そこから進化が始まった

セブン-イレブンのおにぎりが発売されたのは1978年。当時、テスト販売ではカウンターの小さなケースにてほそぼそと販売していた。

そして売れても1日2個もしくは3個であった。

今や売り場を見ると、おにぎりの周辺には弁当、寿司、チルド商品が陳列され、おにぎりは大きなマーケットになった。

直近だと2018年度では、おにぎりがセブン-イレブンで22億7000万個販売されたのだ。

しかもリピート率は、カフェに次いでNO2となっている。

人口減少が叫ばれてお昨年では50万人が自然滅していくなか、リピートされる大切さは各企業、考えているところである。

そのうえセブン-イレブンでのおにぎりの併買率は高く9割以上を占めるとされる。

例えば以前、調べたところではデザートとの併売率が高いということであったが、説明会では多岐にわたった併売が見受けられるとのことだ。

・おにぎりとおにぎり

・おにぎりと菓子パン

・おにぎりとサンドイッチ

・おにぎりと揚げ物

といったところ。

あらゆる観点からも米飯カテゴリーのキーとなっており、セブン-イレブンにとって生命線となっているのだ。

これまでパンが台頭し、2017年には家庭でのパン食がごはん食より逆転したと言われていたがセブン-イレブンではむしろおにぎりはパンの1.5倍の販売数(2020年1月)と言われる。

セブン-イレブンのおにぎり その歴史

1978年に発売され今日に至るまで人事異動で開発担当は変われど、そのポリシーは一貫している。

そして代々、受け継がれているのだ。

それが

「お母さんが作るおにぎり」

優しく美味しく精米し、手の表面に塩を塗って、具材を包み込んでふっくらと握る、最後にパリパリの海苔で包む。

これを一つ一つ、長い年月をかけて具現化しているのだ。

2003年具材をごはんで包み込むことに成功

セブン-イレブンで発売されたおにぎりの初期の頃は具材を入れる際、おにぎりに穴をあけて具材を入れていた。

それを包餡製法によって、具材を包み込めるようにした。

2012年 振り塩製法導入

これまでは塩水でごはんを炊いていた。水での炊飯に変更し、表面に塩を振ることで味のレベルがアップされたのだ。

2020年進化、精米、海苔、フィルム変更

2020年のリニューアルでは精米、そして海苔、海苔のパリパリ感を保つためにフィルムの変更もかけた。

精米についてはこれまでも幾度となく、変更がかけられていた。

精米業界では小売りの要望で機械を変えるといった慣習はなかった。

しかしあえてそこに挑むのがセブン‐イレブンらしさである。

2006年、専用の低圧精米という機械を開発。

お米を優しく精米することで傷をつけずに、旨味の流出を抑えて、美味しいお米に仕上げる。

2019年には粒厚選別を採用。

お米には粒の大きさには大小があり、大きなもの、小さなものをわけて、それぞれに最適な精米にするため、炊飯の品質を安定させたのである。

その上で低温精米機械を14年ぶりに進化させた。

「低温精米」と名付けている。

いままでより負荷を軽減して優しく精米することで出来上がりのお米のうまさをしっかりと仕上げている。

海苔の進化

海苔はこれまで贈答用として使用されることが多かった。

贈答用としての海苔業界の美味しさの基準に等級があり、厚み、そして歯ごたえで等級が設けられていた。

とはいえ、今では家庭用で海苔を食することや贈答品としての海苔の購買も減り、もっぱらおにぎりの海苔として使用されるのが中心となったのだ。

果たしておにぎりの海苔として業界の等級が適正なのかとセブン-イレブンではおにぎりにふさわしい独自基準を設けたとされる。

・歯切れが良い

・くちどけが良い

・旨味がしっかりある

といった独自の基準を設けて、数字を見える化してより美味しい海苔を調達した。

海苔を焼き上げる際も温度、時間のかけかたを研究して旨味を最大限引き出せるように特許を取った。

海苔の美味しさを保つためフィルムも変更

その海苔を包むフイルムを進化させた。

寒い日、暑い日、乾燥している日など様々に気候が変化するなか、安定した品質の海苔を出せない時もあった。密閉度を改善したことでいつ食べても「一口目からパリッと」をキーワードにし、変更にした。写真のように上の部分がフィルムをはがしてもつながることで密閉度を高めた。

上がつなげることで密閉度を上げた(筆者撮影)
上がつなげることで密閉度を上げた(筆者撮影)

おにぎりの具材の変更

リニューアルされたおにぎりにはそれぞれのこだわりがある、と説明された(筆者撮影)
リニューアルされたおにぎりにはそれぞれのこだわりがある、と説明された(筆者撮影)

旨味熟成紅鮭おにぎり 140円税込み151円 伝統的な「山漬け製法」という製法でたっぷり塩に漬け込むことで水分を出し、天然紅鮭の熟成旨味を凝縮させる。

ツナマヨネーズおにぎり 115円税込み124円 卵の比率を高くしてより濃厚なコクのあるマヨネーズに変更。

昆布おにぎり 110円税込み118円 根昆布をあらたに入れてしっかりとした旨味を加えた。

辛子明太子おにぎり 140円税込み118円 漬け込む際に手返しにして漬け込む。粒がつぶれないようにし旨味がしっかり残った。

紀州南高梅おにぎり 115円税込み124円 梅酢を加えて、風味がしっかり高まった。

商品販売後もたゆまない努力

商品を販売した後も安定しているのかを日々、検討している。

これを品質の「すり合わせ」と言っている。それぞれの工場の重量、ごはんの硬さ、粘り具合、具材の位置などを見ている。

各工場の商品を集めて、商品が品質あっているか、昨年度、全国、集めて17回行われた。

これは毎週のように各エリアで品質確認を行っているという。

問題があれば、炊飯のエキスパートが現地に赴いて改善している。

おにぎりについてパイオニアであるという自負がひしひし伝わる発表会であった。

さて食べてみると、確かにそれぞれのごはんの粒が整っているので、中の空気が万遍なく含まれ、口に含むとふんわりぱらりとほどけるのである。

海苔についても薄すぎず、ちょうど具材とのバランスが良い。

どこまで進化するのだろうと、ふと思っていたところ、ある記者が質問された。

記者「どこまで進化されるのですか」

園田氏「出来立てと遜色のないところまで」と言われたことが印象的だった。