日本人アーティスト香港で勾留「強制送還」へ 2019年民主運動支援が理由と香港当局が通告
日本時間今夜12日、日本から香港に入国しようとした日本人が空港で勾留され、退去強制、いわゆる強制送還させられると現地から連絡があった。
男性はMr.Wallyというアーティスト名で、2015年から2020年まで香港で活躍。現地企業とコラボしキャンペーンソングをつくるなど人気を集めてきた。
そうした中、2019年、民主化を求める市民たちを応援する活動を開始。「香港人加油」と看板を掲げ街頭で歌を歌って民主化を支持する活動を続けてきた。
2020年、男性はコロナもあり一旦帰国。そして、きょう3年ぶりに数日の滞在を計画し香港に向かった。しかし、日本時間12日午後9時半ごろ空港に到着後、入国審査で止められ、その後別室で90分ほど尋問を受けた。
男性は「香港の路上で歌ったことは禁止だ、と説明され強制送還が決まった。2020年に何故長期滞在していたのかと聞かれた。この年に滞在していたアーティストやジャーナリストを排除するつもりか」と話している。
実際、日本に留学中の香港人の女子学生が今年3月上旬、身分証更新のために帰郷。香港国家安全維持法(国安法)違反の疑いで逮捕された。日本人も入国を拒否され強制退去されたケースもあり、中国当局が香港以外に住む外国人に対しても目を光らせていることがわかる。
今年春先には、イギリスのトラス元首相やオーストラリアのモリソン元首相が来日し、人権外交を進める超党派議連とシンポジウムを開催。中国当局が日本を含む世界各国で現地政府に無許可で設置している「海外派出所」の存在などを非難した。
男性は明日朝の便で日本へ送還される予定だ。