「欧州最後の独裁国家」ベラルーシからのSOS 拘束された人たちが拷問を証言 日本人へのメッセージ

首都ミンスクと結んで拘束されたベラルーシ市民たちへインタビュー

「欧州最後の独裁国家」と呼ばれるベラルーシで8月9日に行われた大統領選挙。現職のルカシェンコ大統領が8割の得票率で6期目の当選を果たした。しかし、この結果に市民が「不正選挙だ」と抗議。事前のネット世論調査では支持率はわずか3%で、対抗する野党候補のティハノフスカヤ氏が支持を伸ばしていた。

 拡大する抗議運動に対し、9日夜以降、警察や治安当局が催涙弾や閃光弾で弾圧。暴力的な取り締まりで数日間で約6千人の市民が拘束された。9日以降、数日に渡ってインターネットは遮断され、檻房では拷問も行われた。

ベラルーシ治安当局に拘束される市民 写真:GettyImages
ベラルーシ治安当局に拘束される市民 写真:GettyImages

選挙から2週間が経った23日も、首都ミンスクでは25万人規模の集会が開かれ抗議運動は拡大を続けている。

隣国リトアニアでは、23日、ベラルーシの市民との連帯を示すため、首都ビリニュスからベラルーシ国境まで約30キロに渡って人々が手をつなぐ「人間の鎖」が完成。かつて「バルト三国」の人々がソ連からの独立回復を目指し、圧政に対する抗議の意思を示した記念の日とも重なる。また、リトアニアの国立オペラバレエ劇場は、民主運動を続けるベラルーシの人々が掲げる国旗を壁面に投影するなど、同じく連帯の意思を表明している。

こうした中、私は、在日ベラルーシ人のタッチャナ・ツァゲールニックさんの協力を得て、首都ミンスクで治安当局によって拘束された人たちへのインタビューを敢行。途中、突如同時にネット回線が落ちるなど不穏な動きもあったが、「ベラルーシで起きていることを日本人にも知らせたい」と、顔と名前を公表して2人が檻房での拷問の様子や、抗議運動に参加する理由などを聞かせてくれた。

日本に住むベラルーシ人たちも東京都内でデモなどを行い、独裁政治への抗議や公正な選挙を求めて声をあげ続けている。日本人へのメッセージも聞いた。それぞれこちらの動画に収録されているので、ぜひ、あわせてご覧いただきたい。

■抗議運動を暴力で取り締まる治安当局 檻房での拷問の実態

インタビューに応じてくれたのは、スポーツコーチのヴァレンティンさんとウェブデザイナーとして働くマリアさん。共に首都ミンスクで生活をしている。二人が拘束されたのは抗議デモの帰り道。突然私服の警察官に囲まれ逮捕され、二日間拘置所の檻房に入れられた。

堀)

ミンスクに住むお二人に伺います。ヴァレンティンさん、マリアさん、今、現地では暴力的な取り締まりが行われていると聞いています。何が起きていますか?

マリア)

今まで見たことがない出来事が起きています。ベラルーシ国民の変化が始まっています。積極的に自分の意思で抗議運動に参加したり、選挙監視に参加したり、今までにないことが起きています。ルカシェンコ政権に対する不満はこれまでも積み重なってきたものがあり、8月9日の大統領選挙がピークとなりました。しかし、拘束や暴力が始まるまでは自分の考えに迷っている人も少なくありませんでした。抗議するか否か、与野党どちらを支持するのか、そうした迷いのあった人たちも警察による暴力を見てはっきりと態度が決まりました。

首都ミンスク在住のマリアさん。インタビュー開始から15分で突然ネットが遮断された。撮影:堀潤
首都ミンスク在住のマリアさん。インタビュー開始から15分で突然ネットが遮断された。撮影:堀潤

堀)

マリアさん自身も抗議運動に参加して、拘束されたのですか?

マリア)

はい。私の入っていた檻房からも警察の暴力による男性の叫び声や、棒で叩かれたり、殴られたりする音が聞こえてきました。食事を出し入れする窓は閉ざされたままで外が見られないようにしてありました。水曜日か火曜日の夜だったかと思います。人が多すぎて、檻房の中に入りきらず、外で警察から暴力を受ける人たちの声が聞こえました。

堀)

マリアさんはなぜ逮捕されたのですか?

マリア)

私はデモに参加した、帰り道でした。歩いているときに突然拘束されました。私の知人の女性たちは、選挙の立会い人をしていましたが、投票日の前日に突然次々と逮捕されました。自分の仕事をしていただけなのに逮捕されました。40代から50代の女性たちです。中には買い物に行っていただけ、夫と買い物をしていただけなのに逮捕されたという女性もいます。

堀)

ヴァレンティンさんはどういう状況で逮捕されましたか?

ヴァレンティン)

私は抗議デモに参加した帰り道でした。拘束された多くの人たちは積極的に抗議に参加した人たちではなく、買い物であったり、散歩であったり、そのタイミングで外にいた人たちでした。

穏やかに過酷な状況について語るヴァレンティンさん。有名ブロガーなど影響力のある人物は常に政府の監視下にあり、逮捕されるケースもあると語る。 撮影:堀潤 
穏やかに過酷な状況について語るヴァレンティンさん。有名ブロガーなど影響力のある人物は常に政府の監視下にあり、逮捕されるケースもあると語る。 撮影:堀潤 

堀)

逮捕の理由は説明されましたか?

ヴァレンティン)

急に拘束され、誰も説明もしてくれないし、制服ではなく一般市民の服を着ている警察官たちでした。選挙が始まってからはそうした私服警官が人々を逮捕するのが増えていたので、すぐに状況を理解しました。拘束される時に私たちが何を言っても警察からは無視されました。ジャーナリストに対する暴力もあったし、外国人のジャーナリストが拘束されたりもしました。

堀)

拘置所内の様子はどのような状況でしたか?

ヴァレンティン)

定員4人から6人の檻房に40人くらいの人たちが入れられました。二日間の拘束期間中、食事も与えられませんでした。すし詰め状態で息苦しさが続きました。水だけで過ごしたのです。私の人生の中で思ってもみなかった過酷な経験を強いられたのです。

堀)

拷問を受けましたか?

ヴァレンティン)

私は体が小柄なので殴られたり、蹴られたりはしませんでしたが、跪いた状態で長い時間、両腕を上にあげ続けさせられました。体の大きな男性は殴られたり、警棒で打たれたりし、暴力を受けうめき声をあげていました。

マリア)

私の檻房では、3人の女性が意識を失いました。私たちは看守にドアを開けるように頼んでみたのですが、看守はドアを開けて私たちにバケツで水を浴びせ終わりでした。パニックになった女性が意識を失ってしまい、救助を求めましたがそれも無視されました。

ヴァレンティン)

多くの人は恐怖を感じました。しかし、いま、人々は恐怖の壁を超えて抗議運動に参加し、連帯の輪がさらに広がっていったのです。私はこの間、拘置所に入れられたことは意味があると思っています。

■政治への諦めや無関心がモンスターをうんだ

一方で、なぜここまでベラルーシの人々は声を上げることになったのか。日本に住む若い世代の二人のベラルーシ人がその理由を語ってくれた。彼らは東京都内で開かれたデモにも参加し、母国の状況を日本人に知らせる活動を続けている。在日12年のITエンジニア、ニコライさんと、日本の大学に留学し、卒業後はIT関係の仕事を続けるダーシャさんに聞いた。母国に暮らす家族の身の安全を守るため、今回は覆面、仮名でのインタビューとした。

都内で開かれたデモは、大統領選挙前後に渡って複数回行われた。撮影:デモ主催側
都内で開かれたデモは、大統領選挙前後に渡って複数回行われた。撮影:デモ主催側

ダーシャ)

抗議デモはずっと、この一週間くらい(デモが)続いているので、私はTeregramというSNSでニュースを見て、もう本当に戦争みたい(な状況)だと思って。ベラルーシはファシストに抗して戦ったことはありますが、でも今はベラルーシ人の警察が同じようなこと、もっとひどいことを行っているのを読んで、これは本当にひどいなと思いました。それはたったひとりの独裁者、ルカシェンコ大統領のせいですけれど、その人のせいで平和的な民族が死ぬのが本当に嫌です。

堀)

ベラルーシの国内では、これまでもルカシェンコ大統領の批判などは出来ないような雰囲気でしたか?

ダーシャ)

ルカシェンコ氏が1994年に大統領になってから、その後、どの選挙でも反対運動がありましたが、ベラルーシは高齢化社会なので、5年前にルカシェンコ大統領が勝った時も、8割とは行かないまでも、高齢者がルカシェンコ大統領を支持しているのだと思っていました。でも今年は、ルカシェンコ大統領が新型コロナウイルスの脅威を無視したり、テレビで新型コロナウイルスで亡くなった人を馬鹿にしたりしたので、いまでは高齢者の人々もルカシェンコへ大統領への信頼を失くしたと思います。今年の場合は、SNSをあまり見ていない、テレビばかり見ている人であっても、ルカシェンコ大統領が8割の票を集めて勝利を収めたということを信じてはいないと思います。

手前がダーシャさん、奥がニコライさん 撮影:堀潤
手前がダーシャさん、奥がニコライさん 撮影:堀潤

ニコライ)

平和的なデモであったにもかかわらず、明らかに警察が過剰な暴力に出ていて、それによって逮捕された人々がまだたくさん(獄内に)残っているし、今でも拷問に近い扱いを受けている状況です。その状況が一刻も早く改善されるように、逮捕された人たちが刑務所から出てこられるように、世界にこの状況を知ってもらいたいと思っています。

堀)

ニコライさんも日本に住んでいらっしゃいますが、顔と名前を出して自分の意見を言うのはなかなか怖いという状況ですか?

ニコライ)

そうですね、僕自身は日本に住んでいても家族は向こうにいるので、どのような報復が来るのか、正直なところ分かりません。現在でも、抗議しようとしている人たちは、(現在の職場を)クビにされたり、クビにされるおそれを承知の上でデモを行っているので…みんな似たような状況ですね。何かリスクを背負った形で抗議に出ている形ですね。

堀)

それでも、抗議を行うのはどうしてですか?

ニコライ)

僕は日本にいるので、比較的安全な場所からサポートをしているんですが、そういったサポートは大したことができていないと自分の中でずっと思っていて。向こうでは人が外に出て、危険性をかかえながら、殴られるのを覚悟で抗議をしているのに、僕は何もしていないというのがどうしても許せなくて。なにか僕もしたいなとずっと思っていて。

高齢者の人たちはたぶんルカシェンコ大統領をサポートはしているんですけど、前回の選挙でも、高齢者の人たちであっても彼がこの国を背負うことができない、プランがないことに気づいていたと思います。ノープランで、アイデアもないし、どこに国を導こうとしているのか、明確な案がなかったということに気付いていたと僕は思っています。

感覚的には、前回の選挙でも、本来彼は負けていたのではないかと思っています。この(直近の)2回の選挙では、彼は負けていたと思います。前は必ずしもそうではなかったのですが。でもそういう事になってしまったうえでは、彼は最高責任者としては責任を負わなきゃいけないと思います。自分でできないなら、だれかできる人に譲る、というのも、責任者のやるべきことのひとつだと思っていて。でもなぜかみんな自分がパワーをにぎってしまうと、それを忘れてしまうんです。責任のとりかたも、ひとつとしてそういったものがあるということに。英語では「Self-awareness」という言葉があるんですね。仕事の上では、自分を知る能力、というのがとても大切だと思います。なにより、Self-awarenessがない人と働くのはつらいですね。政治の場合も同じ事が言えると思うんです。

ニコライさん、ダーシャさんともに日本語が堪能だ  撮影:堀潤
ニコライさん、ダーシャさんともに日本語が堪能だ  撮影:堀潤

堀)

ニコライさんがベラルーシにいたときは、政治的な自由は全くないという感じでしたか?

ニコライ)

そうですね、まったくありませんでしたね。ベラルーシにいたころは、政治に参加しても、もう全部仕組まれてるから、もう結果があらかじめわかっているから、どうしても、何をしても意味がないという考えがよぎってしまうことが多くて。そういう意味では、若者でも、政治に対しては結構消極的ですね。年寄りに比べれば積極的ですけど。だから、国を出ていく人が多いですね。諦めて、出ていく人が多くて。それも、最高責任者としては、一番避けるべき事態だと思っていますね。頭脳の流出は一番危険です。やっぱり、優秀な人たち、才能のある人たち、国の将来を担うであろう人たちが失われていくというのは、国の財産が失われていくわけで、そういった意味では、現大統領は本当にノープランだと思いますね。

堀)

実際に政治的な自由を求めて発言した人が拘束されたり、暴力を受けたりすることはこれまでもありましたよね。

ニコライ)

はい。ベラルーシ人ならだれでも知っていることなのですが、現大統領は実際に人を殺すような命令を出しているんですね。自分の政治的な敵対側の勢力に対して。そういうことが歴史上すでにあるので…もちろん誰も暴けないんですね。みんなが知っていることなので、さほど隠していないことだと思います。

堀)

そういう状況の中でも、今日も、ベラルーシの首都ミンスクでは、市民による大規模な平和的デモが呼びかけに応じて行われています。すごく勇気がいることだと思います。それでも立ち上がっているというのは、やっぱり変えたいと思われているいうことなのでしょうか。

ニコライ)

何より立ち上がっているのは、国家が保有している企業や、大規模な企業とか、そこで働く人たちは、ルカシェンコ大統領をサポートしているわけではないにしても、そういった企業だけが、ある程度給料が安定していて、高いので、そういった職場を失いたくなかったんですね。彼らは政治的な発言を(今までは)してこなかったんです。でも、そういう人たちでも、今回はちゃんと抗議をして、自分の声が届くように立ち上がったんです。それがもう、本当に驚きましたね。その人たちでも、もう現大統領を許せなくなったんですね。

左はロシア・プーチン大統領、右がベラルーシ・ルカシェンコ大統領。プーチン氏はデモ拡大を受けてルカシェンコ政権への支援を表明 写真:GettyImages
左はロシア・プーチン大統領、右がベラルーシ・ルカシェンコ大統領。プーチン氏はデモ拡大を受けてルカシェンコ政権への支援を表明 写真:GettyImages

ダーシャ)

2007年に出会った友達が(デモに)参加して、その友達が大学から退学になったんです。デモの前に、警察がその友達の家に来て、すべての電話機やコンピューターを押収して、友達を刑務所に送りました。デモに参加しないようにです。ベラルーシには、ポーランドやリトアニアがサポートをしていますので、もしベラルーシで野党に参加したり、政治に反対する発言をした多くの友達は、ポーランドやリトアニアの大学で学んでいます。

堀)

では学生でも、政治に反対するような発言をしただけでも、逮捕されて、退学になってしまうという事ですか?

ダーシャ)

そうですね。

堀)

じゃあ、学生たちもなにも言えないですね。

ダーシャ)

そうですね。私も大学生の時、ずっと日本に行きたいな、という夢がありました。2010年にも、今回のデモに匹敵するようなものすごく大きなデモがあったけれど、私はその時は参加しませんでした。もし私が(警察にデータを)取られてしまったら、すぐ退学になって、絶対に日本には来られないのが分かっていたから。

ニコライ)

そうですね、私は政治的な意味においては外国にはあまり期待はしていないんですけど。やはりこれはベラルーシの問題で、ベラルーシ人が解決するのが正しいと思っているんです。でも他の国からもうすでに、情報捏造の動きがあって、人が刑務所に入れられて拷問されているっていう事実が、すでに捏造されたものだということにされそうになっているんです。

堀)

どういうことですか?

ニコライ)

端的に言うと、今ベラルーシで起きていることがなかったことにされてしまっているという事です。ロシア側にしてみれば、ベラルーシでそういったことが起こるのはとても不都合で、そういった情報が漏れると、ロシア人も怒りを覚えることがあると思うんですね。あと、暴力や拷問を受けた人たちは、生き残りはするけれど、やはりそれは犯罪で、(暴力を加えた)犯罪者が裁かれないのはやはりおかしいと思っていて、犯罪者が裁かれるのが、今になるか後になるかはわからないですけど、証拠がちゃんと残るようにはしたいですね。

そういった人たちが、ちゃんと法から逃れられないようにです。殴られた人たちは、留置所から出るときはカメラに映らないように、車で別のところまで運ばれて、そこで野放しにされて「自分で歩いて帰れ」といって捨てられるように解放されるんです。カメラに映らないために。誰がそこまで考えているのか、ちょっとわからないですね。同じ国の国民に対して、そこまでするのが、もう本当に分からないです。

約6千人が拘束されたといい、拘置所に入りきれない数だったという  写真:GettyImages
約6千人が拘束されたといい、拘置所に入りきれない数だったという  写真:GettyImages

堀)

ほんとうですね。働いている警察官たちも、どういう気持ちで働いているんでしょうね。

ニコライ)

僕として嬉しいことは、警察官もみんな同じなわけじゃなくて、そういった話を聞いて、状況を知って、やめていく人も出てきているんですね。やめる際には、写真を撮ったり、インスタグラムにストーリー乗せたりする人がいるので。それがすごく嬉しいですね。なぜかというと、警察は、歴史的には、色んな意味で現政権の支えであったので。警察は暴力を行使することができるので、実際何かが起きたら警察の力で弾圧できるから。だから警察官にはより多くの給料が支払われたり、より多くのベネフィットが支給されてきたんですけど、それを失う覚悟でも、退職する人が出てきているので、やはりお金では、尊厳や人の心は買えないので、それが嬉しいですね。今の世の中、お金で何でも買えるって言っている人もいるけど、そうじゃないって知ることができて、嬉しいです。

堀)

将来は国に戻って、という気持ちはあるんですか?

ダーシャ)

そうですね、国の言語、今はだいたいみんなロシア語で話していますね。ベラルーシ語に戻って、あと、ベラルーシのシンボル…なんといいますか、国旗も。本来あるべき姿のベラルーシに戻ってほしいです。日本人の皆さま、ベラルーシをサポートしてください。日本の外務省が今、ベラルーシに暴力を禁止してください、というメッセージを送りましたが、やはり今回の選挙が不正な選挙だと認めてほしいです。世界のすべての国がそうしたら何かが変わると思います。

白地に赤のストライプの国旗は、ベラルーシがソ連から独立した直後に使用していた昔の国旗。民主運動の象徴に。 写真:GettyImages
白地に赤のストライプの国旗は、ベラルーシがソ連から独立した直後に使用していた昔の国旗。民主運動の象徴に。 写真:GettyImages

堀)

ニコライさん、日本人にメッセージをください。

ニコライ)

そうですね、政治的なメッセージとしては、日本の皆さんには、やはりこの選挙は不正選挙であったという認識を持って頂きたくて、公式の場でもそう声明を発してほしいです…もし可能であればですけど。あと、犯罪を行っていた、国の権力者、国の最高責任者に対しても、なにかしらの抗議を正式な形で加えてほしいです。

ベラルーシは、今までも日本から数多くの支援を受けています。たとえば、チェルノブイリの被害を受けた子供たちが日本に行ったりしていたことを、僕は知っています。それ以外にもきっとあると思うんですけど。ベラルーシで今、起きていること、それが許せないことだということ。そして、日本の皆さんも政治に興味を持ってほしいです。そういう人が権力を持つと、大変なことになってしまうんですね。見逃してしまうと、後からなかなか追い出せないんですね。そういう言い方があるじゃないですか。「あなたが政治に興味を持たなくても、政治はあなたに興味を持っている」って。お互いに興味を持ちましょう。

堀)

私たちが目をそらしてきたから、そこに取り返しのつかない独裁が生まれてしまうんだってことですよね。

ニコライ)

そうですね、やはり将来的にも同じ事態を防ぐには、興味を持つしかないですね。目の前の人にどういう人がいるのか、どういったプランを持っているのか、どういった思想をもって政権を握ろうとしているのかということを、理解したうえで投票を行わなければならない。投票はやはり、権利であり、責任でもあります。なので、その責任についても忘れないで頂きたいです。

堀)

世界中で色んなデモが起きていますよね。僕もアジアで言うと香港のデモを取材していたりとか、アメリカでも、中東でも、市民の革命が起きていて。けれどそのあとの内戦、混乱、多くの戦争で苦しんでいる市民の人々がたくさんいますよね。他の国の市民の方々も声を上げている。そういう様子をご覧になって、ニコライさんはどう感じますか?

ニコライ)

そういう動きがおこるのは仕方のないことですし、いいことだと思います。ベラルーシでも、たとえば今の運動がうまくいったとしても、これから全てが丸く収まって、いい感じに転がっていくとはかならずしもいえないです。それも覚悟したうえで臨んだ方がいいと思っています。僕は心の中でそう考えているんです。はじめは上手くいかなくても、どこかからはスタートしなくてはいけない。理想とか夢を持って、前へ進まなくてはいけない。ベラルーシも前へ進まなきゃいけないんです。