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桜前線 みちのく入り目前で大ブレーキ 今後は?

平野貴久気象解説者/気象予報士/防災士/ウェザーマップ所属
4月4日 仙台のソメイヨシノの標本木(筆者撮影)

 桜開花の便りが、このところあまり聞こえてこないと思いませんか?

 3月28日までは全国各地で続々と開花の発表がありましたが、それ以降は、奈良、金沢、彦根の3地点のみで、きょう4日現在、桜前線はまだ東北に入っていません。大ブレーキの原因は、ここ最近の「寒の戻り」に他なりません。

 仙台のソメイヨシノの標本木のつぼみを、3月29日と、その6日後の4月4日で比べてみます。軸は伸びてきていますが、それほど大きくは成長していません。今回の寒の戻りの強さがわかります。

仙台のソメイヨシノ つぼみの比較(筆者作成)
仙台のソメイヨシノ つぼみの比較(筆者作成)

満開まで時間がかかった地点も

 気温の低さが影響して、開花した地点も、今年はなかなか満開にならないところは多いようです。

 例えば、3月20日に全国トップを切って開花が発表された長崎では、きのう3日にようやく満開となりました。開花から満開まで2週間かかっています。

 順調に開花が進んでいるとは言い難い状況ですが、裏を返せば、今年は長く桜を楽しめているということにもなり、寒の戻りがプラスに働いている側面もあるようです。

この先も開花のスピードは遅めか

 あす5日、東北南部は20℃くらいまで気温が上がる予想で、早ければ5日にも、桜前線はみちのく入りするものと思われます。ただ、この先一気に開花が進むかというと、そうでもないようです。

 きょう発表された1か月予報によれば、この先も東北地方は寒気の影響を受けやすく、気温は低めの傾向です。

 花冷えの中でのお花見となりそうですが、今年は例年よりも長い期間、お花見を楽しめるかもしれません。

1か月予報  平均気温(気象庁ホームページより)
1か月予報 平均気温(気象庁ホームページより)
気象解説者/気象予報士/防災士/ウェザーマップ所属

1980年愛知県生まれ。大学では気象学を専攻。卒業後は番組制作会社でリサーチャーとして活動。メディアを通じて自ら気象情報を発信したいという思いから、2009年に気象予報士の資格を取得。2012年から宮城県の仙台放送にて気象キャスターを務める。現在「仙台放送 Live News it!」出演中。予報はもちろんのこと、これまで宮城県内さまざまな場所を取材した経験から見えてくることなども発信できたらと思います。

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