「渋谷スクランブルスクエア」開業!新業態&限定スイーツは渋谷をどう変えるか?

「渋谷スクランブルスクエア」1階「東急フードショーエッジ」のスイーツ店編集ゾーン

「渋谷スクランブルスクエア」のスイーツ売場は他と何が違う?

2019年11月1日、開業となった「渋谷スクランブルスクエア」。運営会社である「渋谷スクランブルスクエア株式会社」は、「東急株式会社」「東日本旅客鉄道株式会社」「東京地下鉄株式会社」の3社共同出資による合弁会社だ。つまりこの施設は、従来の百貨店でも、駅ビルでも、エキナカ施設でもなく、それらが融合したこれまでにない新業態を目指したものと言える。

「渋谷スクランブルスクエア」1階「エキュートエディション」に出店するスイーツ店ゾーン※記事中の画像は全て筆者撮影
「渋谷スクランブルスクエア」1階「エキュートエディション」に出店するスイーツ店ゾーン※記事中の画像は全て筆者撮影

「渋谷スクランブルスクエア」のスイーツ売場は1階にある。従来、商業施設内の食料品売り場は地下にあるイメージが強いが、大きく開放的な窓越しに地上の通路からもよく見えて、思わず寄ってみたくなる立地だ。デリ、ベーカリー、イートインのゾーンが地下2階にあり、こちらは東京メトロ・副都心線及び東急東横線の改札口から直行しやすい。

まず斬新なのは、1つのフロア内に、「東急百貨店」と「JR東日本リテールネット」という別々の事業者が、それぞれの得意分野を活かし編集したエリアが共存していることだ。売場内には、「東急フードショーエッジ」のスイーツ店編集ゾーン「Carat(カラット)東急フードショーエッジ」および「ワールドブティック」内の店舗と、「エキュートエディション」内の店舗とがある。因みに、「エキュートエディション」のテナント店舗は、頭上でゆっくりと回る店名の看板が目印となっている。

全体的な特徴として、人気店・有名店の「新業態店」の多さと、渋谷という町の客層に合わせた「限定スイーツ」が目立つことが挙げられる。

「東急フードショーエッジ」内にはパリから日本初出店する店もあり、注目を集める
「東急フードショーエッジ」内にはパリから日本初出店する店もあり、注目を集める

「東急フードショーエッジ」内のスイーツ店の特徴

「東急フードショーエッジ」には、流行・話題性を意識した注目ショップとして、パリから日本に常設初出店となる日本人パティシエのショップ「MORI YOSHIDA PARIS(モリ・ヨシダ・パリ)」もオープン。

「c7h8n4o2(チョコガカリ)」は、国内外の希少なチョコレートを厳選販売するセレクトショップの初の実店舗となり、チョコレートファンから注目を集めている。

フランス発の高級な雰囲気のショップにも、渋谷の客層に合わせた親しみやすい限定商品が登場
フランス発の高級な雰囲気のショップにも、渋谷の客層に合わせた親しみやすい限定商品が登場

その周辺には、パリの有名料理人が手掛けるチョコレートのブティック「ル・ショコラ・アラン・デュカス」や、パリで“味覚の魔術師”と呼ばれるパティシエの「Philip Conticini(フィリップ・コンティチーニ)」も出店し、リュクスなパリの最先端の食文化が体験できると共に、ソフトクリームやブラウニーといった気軽で親しみやすい「渋谷スクランブルスクエア」ならではの限定商品も楽しめるのが特徴だ。

既存の人気ブランドも渋谷限定商品を用意してオープン
既存の人気ブランドも渋谷限定商品を用意してオープン

フランスのAOP認定の発酵バターを使った焼き菓子が人気の「エシレ・パティスリー オ ブール」も、この施設限定のカヌレを販売する。

「東急フードショーエッジ」内のショップでは、パティシエの繊細な技にも注目
「東急フードショーエッジ」内のショップでは、パティシエの繊細な技にも注目

国内の有名パティシエの匠の技が感じられるパティスリーを招致しているのも、「東急フードショーエッジ」ならではの強みだ。「Atelier Anniversary(アトリエ アニバーサリー)」では、ハンドバッグ形のデコレーションケーキがひときわ目を引く。

渋谷らしい、お洒落なセンスのデザインやパッケージのスイーツに注目
渋谷らしい、お洒落なセンスのデザインやパッケージのスイーツに注目

国内外で活躍する気鋭のパティシエによる「EN VEDETTE(アンヴデット)」も、渋谷の客層に合わせたデザインやパッケージを新たに吟味したという。

アイテムを絞り込んだ新業態店舗も、現代のニーズにマッチ
アイテムを絞り込んだ新業態店舗も、現代のニーズにマッチ

テーマを絞り込んだ新業態の出店も、「わかりやすさ・専門性」を際立たせる近年のスイーツトレンドにマッチする。「Mels CARAMEL WORKS(メルズ キャラメルワークス)」は、これまでも東急百貨店のデパ地下に出店してきた「株式会社ラ・テール」の新業態となる、キャラメル専門の進化系パティスリーだ。生食感のキャラメルや、キャラメル味のクリームを挟んだサンドなどを販売する。

キャッチーなパッケージで渋谷の町のニーズに応える
キャッチーなパッケージで渋谷の町のニーズに応える

若者が多い渋谷のニーズに合った、ポップで可愛らしいパッケージも多く見られる。「MELLOWHICH(メロウウィッチ)」では、12種類以上のフレーバーの焼き菓子を、48種類以上の絵柄や数字入りボックスで展開。好みで組み合わせて、オリジナルのギフトを作ることができる。

「Now on Cheese♪(ナウオンチーズ)」は、チーズを使った焼き菓子をカラフルなパッケージで揃え、「家飲み」や「ホームパーティー」でのお酒のつまみ需要にも応えるブランドだ。

渋谷の大型商業施設と言えば、2012年に「渋谷ヒカリエ」がオープンしている。その地下2階は、東急百貨店が手掛ける「ShinQs(シンクス)」のスイーツ・ベーカリー等の売場となっている。どちらにもトレンドの人気ショップが出店しているが、「渋谷スクランブルスクエア」の方は、より「最旬感」のある店を採り入れた印象だ。また、ベーカリーが地下2階に配置され、1階は、見て選ぶだけでも楽しい「スイーツフロア」としての専門性が高まった。地下2階は「デイリーユース」。1階は手土産やご褒美、パーティー向けなどの「ハレ」需要に応えるという棲み分けが、より明確になっている。

老舗・有名ブランドも渋谷らしい限定商品を新発売
老舗・有名ブランドも渋谷らしい限定商品を新発売

「エキュートエディション」内のスイーツ店の特徴

一方の「エキュートエディション」は、限定商品を携えてオープンする日本各地の老舗や大手の有名ブランドが目立つ。

たとえば、森永製菓の新展開として話題の「TAICHIRO MORINAGA(タイチロウ モリナガ)」は、「渋谷スクランブルスクエア」限定で、「キッコーマン」との老舗同士のコラボレーションによる醤油味のガトーショコラを発売する。

老舗が培った技術を活かし、渋谷のライフスタイルに合わせて提案する
老舗が培った技術を活かし、渋谷のライフスタイルに合わせて提案する

手ごねパイ専門店「coneri(コネリ)」は、浜松土産として有名な「うなぎパイ」の春華堂から生まれたブランドだ。温かいパイと別添のディップをそれぞれ選んでテイクアウトできるボックスなど、長年培ったパイ菓子作りの技術を活かし、現代のライフスタイルに合わせた提案をしている。

「プチギフト」需要に応える小さなギフト商品も登場
「プチギフト」需要に応える小さなギフト商品も登場

渋谷らしいギフト提案とは?

1968年にフランス人パティシエが創業し、日本のフランス菓子店の草分けとなった「A.Lecomte(ルコント)」も、店の代表的なケーキの柄をプリントした可愛らしいポーチに詰めた焼き菓子セットを、数量限定商品として販売する。またこれを機に、小さなキューブ形のパウンドケーキも新発売し、渋谷を含めた各店で販売する。フランスを思わせる街並みが描かれたボックスが可愛らしく、価格も税込324円と、若い世代でもプチギフトに利用しやすい。

缶入りギフトスイーツにも新顔が登場
缶入りギフトスイーツにも新顔が登場

1957年に渋谷に創業した老舗ブランド「フランセ」は、今回の「渋谷スクランブルスクエア」出店への思いを込めて、缶入りブランデーケーキを限定で発売する。最近、缶入りクッキーが手土産やおもてなしに人気を集めているが、このような品も、昔懐かしさを感じさせつつ、今の時代には逆に新鮮に映る。

「世界最旬」を目指したというとおり、バラエティーに富み、新しさと華やかさを打ち出した「渋谷スクランブルスクエア」のスイーツ売場。そこには、若者世代が興味を持つような仕掛けが施されているのはもちろん、シニア世代やスイーツ通の方々にとっても「この店の新提案だから面白い」と思えるような、安心感の裏打ちがある。

「渋谷スクランブルスクエア」の商業施設エリアの初年度の売り上げ目標は400億円だという。中央棟・西棟の開業予定は2027年。今後も開発が続く渋谷には、さらに様々な世代や国籍の人々が訪れるだろう。「渋谷スクランブルスクエア」は、それぞれがこの町の楽しさや価値を体感できる、新たな切り口を提供するに違いない。