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高校生の43.31%はメガネかコンタクトレンズ…子供達の視力の現状

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
ごく普通に眼鏡をかけている子供を見かけるようになったが(写真:アフロ)

学校の種類や年齢階層別で視力を確認

昔と比べると子供でも眼鏡をかけている人は多くなったように見受けられる。子供の視力はどのような状況なのだろうか。文部科学省が2023年11月に発表した「学校保健統計調査」の内容から確認していく。

まずは2022年度における学校種類別と年齢階層別の裸眼視力状況。裸眼とは眼鏡などの視力矯正の道具を用いずに直接目で見た時のこと。眼鏡をかけていない人はそのまま、眼鏡をかけている人も外した状態での視力となる。

↑ 裸眼視力(学校種類別)(2022年度)
↑ 裸眼視力(学校種類別)(2022年度)

↑ 裸眼視力(年齢階層別)(2022年度)
↑ 裸眼視力(年齢階層別)(2022年度)

全般的には年齢が上になるに連れて視力は低下する。視力が0.7を割り込むと眼鏡などの視力矯正が必要とされるが、小学校では2割台後半、中学生では5割近く、高校生ではほぼ6割が該当することになる。年齢階層別に見ても学校種類別で急に上昇するような、バウンド的な動きはなく、ほぼ均等に上昇を示している(一部イレギュラーが生じているが)。

ただし特異な動きもある。5歳から6歳にかけて、一時的に視力がよくなる動き(1.0以上の割合が増加する)に関しては、特段の理由が見つからない。幼稚園から小学校に上がれば読み書きなどの機会は増加し、むしろ視力は悪くなるイメージもあるが、実際には逆。幼稚園における計測方法に、何らかの問題があるのかもしれない。15歳から16歳にかけても似たような現象が生じているのも気になるところ。

男女別に見ると幼稚園時点ではほぼ同じだが、小学生以上になると確実に女性の方が視力は低下する。

↑ 裸眼視力(男女別・学校種類別)(2022年度)
↑ 裸眼視力(男女別・学校種類別)(2022年度)

成長期には男性よりも女性の方が早熟であることはよく知られているが、それが一因なのかもしれない。あるいはライフスタイル、特にプライベートでの時間における目の使い方の差異が、そのまま視力に表れたのだろうか。

眼鏡やコンタクトレンズを使っている子供達はどれぐらいか

視力が0.7を切ると眼鏡やコンタクトレンズを用い、視力の矯正をすることが望まれる。しかしながらそれに該当した人すべてが使っているわけではない。次に示すのは視力矯正者、つまり眼鏡やコンタクトレンズで自分の視力を矯正している人の割合である。

↑ 視力矯正者率(男女別・学校種類別)(2022年度)
↑ 視力矯正者率(男女別・学校種類別)(2022年度)

↑ 視力矯正者率(男女別・年齢階層別)(2022年度)
↑ 視力矯正者率(男女別・年齢階層別)(2022年度)

視力の低い人の割合とほぼ同様に、低年齢ほど低い率で、年齢が上になるとともに該当者率は増えていく。学校種類とともに急激に増えていくわけではなく、年齢によってジワリと増加していく。また男性よりも女性の方が高い率、中学生以降は男女差が大きく出るようになるのも、視力の低下状況と同じ。

なお視力矯正の方法は大きく分けて眼鏡をかけるか、コンタクトレンズをつけるかとなるが、両方を使い分けている人も多々いるため、一概に比較はできないものの、学校でのコンタクトレンズの使用状況は日本眼科医会の最新調査結果(2018年度分)によると、小学校0.3%、中学校8.7%、高校27.5%。あくまでも概算だが、小中学生では視力矯正者のうちコンタクトレンズ使用者は少数で、高校生になると過半数が利用者(でもある)となる。

視力の低さから明らかに視力矯正が必要だと思われるにもかかわらず、していない人も一定率が確認できる。

↑ 視力非矯正者で裸眼視力が0.3未満の人の割合(対全体比)(2022年度)
↑ 視力非矯正者で裸眼視力が0.3未満の人の割合(対全体比)(2022年度)

例えば高等学校生では全体の6.68%が、裸眼視力が0.3に満たず、明らかに眼鏡などをかけた方がよいにもかかわらず、着用していない計算になる。

視力が低いのには単に目が悪いだけでなく、他の疾患の可能性もある。いずれにせよ、そのままでは物が見えにくいのはもちろん、物事の理解に難儀したり、心境的に飽きっぽくなるなどの弊害の元となる可能性も否定できない。面倒くさがらずに精密な検査を受けた上で、適切な視力の矯正を願いたいものだ。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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