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小学生が嫌いな食べ物の実情をさぐる(2023年発表版)

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
小学生が嫌いな食べ物は何だろうか(写真:アフロ)

食べ物の好き嫌いは個性の問題だが、子供の頃は自分の好き嫌いを容易に行動に移しやすい。嫌いなものは執拗に避けようとするし、場合によっては出されたものを捨てたり隠したりすらしてしまう。今回は学研教育総合研究所が公開している「小学生の日常生活・学習に関する調査」(※)の結果から、小学生が嫌いな食べ物の実情について確認する。

次に示すのは嫌いな食べ物について複数回答で答えてもらった結果。質問票が公開されていないので推測でしかないが、スイーツなどの菓子類や飲み物がほとんど入っていないのは、食べ物に限定してそれらを除外していた、あるいは初めからこれらの選択肢のみが提示されていたからだと考えられる(ドーナツは例外的に加えられているのだろうか)。

↑ 嫌いな食べ物(小学生、複数回答)(2023年)
↑ 嫌いな食べ物(小学生、複数回答)(2023年)

トップはサラダの20.3%。生の野菜をそのまま食べる・食べているような感覚が嫌われているのか、それとも単純に野菜嫌いが影響しているのだろうか。野菜は苦くて苦手との印象も強いのかもしれない。

次いで焼き魚が17.8%、刺身が13.0%と海産物が続く。刺身はともかく焼き魚は味の好き嫌いに加え、食べにくさも嫌われている原因なのだろう。さらにそばが9.2%、シチューが6.4%、卵焼きが6.2%、オムレツが5.1%と続き、ここまでが5%以上。中には単に味が好みでない、食べにくいというばかりではなく、アレルギーなどで食べられないから嫌いとのケースもあるかもしれない。卵料理が2つも入っているのは、恐らくそれが一因だろう。

さらにそば、ステーキ、天ぷら、コロッケ、お寿司、焼き肉など、嫌いな子供もいるかもしれないが、むしろ好きな人の方が多いのではと感じるラインアップが続くが、回答値は5%足らずにとどまっている。要は嫌っているのは20人のうち1人未満。

一方で「無し」、つまり嫌いな食べ物は少なくとも選択肢の中には無いとの意見が38.3%もいるのには少々驚く。好き嫌いの無い子供がそれほどいるということなのか。もっとも例えば選択肢に(子供が嫌いそうなイメージのある)塩辛やレバー、つけものなどを挙げれば、高い回答値が得られたかもしれない。

上位陣について属性別に見たのが次のグラフ。

↑ 嫌いな食べ物(小学生、複数回答、属性別、上位陣)(2023年)
↑ 嫌いな食べ物(小学生、複数回答、属性別、上位陣)(2023年)

サラダは女子よりも男子、小学1年生-小学3年生から特に嫌われている。一方で焼き魚は男子と女子で嫌われ度がほぼ同じ。刺身は大体低学年ほど嫌われているのは興味深い。

ちなみに今件の嫌いな食べ物のトップテンに、今調査の別項目で調べられている好きな物として回答された値を重ねたのが次のグラフ。

↑ 好きな食べ物・嫌いな食べ物(小学生、複数回答、嫌いな食べ物トップ10とその食べ物が好きな人)(2023年)
↑ 好きな食べ物・嫌いな食べ物(小学生、複数回答、嫌いな食べ物トップ10とその食べ物が好きな人)(2023年)

サラダや焼き魚のように嫌いな人が多く好きな人があまりいない食べ物もあれば、卵焼きやステーキのように嫌いな人の値は上位陣ではあるものの好きな人はそれよりも多い値を示している食べ物もある。特にステーキは嫌いな人が4.2%なのに対し、好きな人は7.9%にもおよんでいる。不特定多数の子供が集まる場で、どのような食べ物を出すべきか考える時には、参考になる傾向かもしれない。

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※小学生の日常生活・学習に関する調査

2023年10月27日から11月1日にかけてインターネット経由で、小学生の子供がいる保護者を対象として保護者付き添いの下で小学生本人が回答するように答えてもらったもので、有効回答数は1200人。男女別・学年別で均等割り当て。調査協力会社はクロス・マーケティング。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項のない限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は 【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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