小学生男子が将来つきたい職業のトップはネット配信者
社会の仕組みを学び、将来の自分の姿をイメージするようになる小学生。その小学生は将来どのような職業につきたいと考えているのだろうか。学研教育総合研究所が公開している「小学生の日常生活・学習に関する調査」(※)の結果から、小学生男子自身が将来つきたい職業の実情を確認する。
最初に示すのは小学生のうち男子に対し、将来つきたい職業を択一で尋ねたもの。上位陣を抽出している。
トップについたのは「ネット配信者」で6.0%。小学生男子の6.0%が将来はYouTuberなどのネット配信者になりたいと思っている。
ついで「プロサッカー選手」が4.5%、「警察官」が4.3%、「運転士」が3.7%、「プロ野球選手」「エンジニア・プログラマー」が3.3%。「ネット配信者」だけでなく「エンジニア・プログラマー」のような、インターネット系の新しい職業に憧れを抱く小学生男子が多くいることが見受けられる。
プロスポーツ選手や会社員、医師、研究者などはよく聞く憧れの職業ではあるが、トップに「ネット配信者」が入るあたり、時代の流れを感じさせるものではある。それだけ小学生男子の目には、素晴らしい職業に見えているということだろうか。今の小学生男子にとって、テレビに登場するプロスポーツ選手や歌手、アイドルよりも、インターネット上でよく見かける、自分だけでなく友達もよく知っているネット配信者の方が、身近で憧れの存在なのかもしれない。
次いでこれを各学年別に区分したのが次のグラフ。正確には各学年で4%以上の職業を抽出し、他の学年でも回答値が公開されていれば当てはめている。値は原則2%以上の公開なので、空欄部分は回答値が2%未満であることを意味する。
小学生男子全体ではトップの「ネット配信者」は小学2年生で突出した値が出ているが、小学4年生と小学6年生では2%未満。「プロサッカー選手」は小学1~3年生では高い値が出ているが、小学4年生以降では2%未満でしかない。他の上位陣の職業も同様で、どの学年でも押しなべて高い人気を持つ職業は見当たらない。せいぜい「運転士」が小学6年生のみ2%未満な程度。「プロ野球選手」「エンジニア・プログラマー」が小学校の高学年で人気を博しているのは興味深い。
「ネット配信者」がトップについているが、調査結果報告書では「2020年から続く新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて外に出る機会が減った小学生が多いこと、また『通信機器の利用目的・時間/日』の調査で最も割合が高いのが『動画の閲覧(学習以外の目的)』であったことも、今回のランキングに影響を与えていると考えられる」と説明している。
また「エンジニア・プログラマー」が上位に入っていることについて調査結果報告書では「学校でのプログラミングを活用した授業や民間のプログラミング教室の普及、そしてプログラミングを学べるゲーム「マインクラフト」などのヒットの影響を受けて、職業としての関心が高まりつつあるのかもしれない」と説明している。「ネット配信者」もあわせ、日常生活でよく見かける物事に関する職業、自分が楽しいと思う物事を創生できる職業につきたいと考えるのは当然の成り行きかもしれない。
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※小学生の日常生活・学習に関する調査
直近分の2022年分は2022年9月2日から6日にかけてインターネット経由で、小学生の子供がいる保護者を対象として保護者付き添いの下で小学生本人が回答するように答えてもらったもので、有効回答数は1200人。男女別・学年別で均等割り当て。調査協力会社はクロス・マーケティング。
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