家計についてもっとも難しいことは「収入増加」、それではもっとも簡単なことは?(2022年公開版)
物価の上昇で日々頭を痛めているであろう、家計をあずかる人。その人にとって難しいことは何だろうか。簡単なことは何だろうか。ソニー生命保険が2022年7月に発表した「家計防衛に関する調査 2022」(※)の結果から確認する。
次に示すのは、家計について回答者自身がもっとも難しいと思うもの、そして簡単だと思うものを単一回答で答えてもらったもの。もっとも難しいと思われているのは「収入増加」で34.1%の人が同意を示す結果となった。
収入を増やすには本業で賃金の引き上げをしてもらったり、副業を始めたり、さらには転職をしたりしなければならないが、いずれもハードルは高く、しかもそれらを試みても実際に収入が増加するとは限らない。現状にかんがみて、時間的・労力的に無理な選択肢もあるだろう。睡眠時間を削って副業としてアルバイトを始めても、睡眠不足で本業が危うくなったり体を壊したりしたのでは本末転倒である。
次いで難しいと思われているのは「資産運用」で19.7%、さらに「預金・貯金」が16.7%と続く。これらは元々ある程度の元手・余剰資金がなければ手掛けることすらできず、さらに知識と技術がないと効果的な家計の手助けとすることは困難である。特に「資産運用」は逆に家計をさらに苦しくしてしまう可能性もある。
もっとも簡単だと思われているのは「節約」で29.0%。増やすことは多分に自分以外の要素が絡んでくるのに対し、減らすことは自分自身の中だけで完結できるものが多いため、具体的な額はともかくとして節約は簡単だと思われており、実際これまでにも日常的に節約はしてきたのだろう。次いで「家計管理」が11.6%だが、家計簿をつけるなどで家計の全体像を把握して管理ができると考えれば、簡単だと思う人が多いのも納得できる。すでにやっている人も少なからずいるに違いない。
他方、もっとも簡単だと思われていることについて46.4%と半数近くの人は「特になし」と回答している。つまり家計において簡単にできることなどない、家計は難しいものだと考えている人はかなり多いようではある。
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※家計防衛に関する調査 2022
2022年6月9日から13日にかけてインターネット経由で18~69歳の男女に対して行われたもので、有効回答数は1000人。男女・年齢階層(10・20代、30代、40代、50代、60代)で均等割り当て。調査協力会社はネットエイジア。
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(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。
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