世界全体でのインターネットの世帯普及率はどれぐらいなのか(2022年公開版)
国連の専門機関で無線通信や電気通信分野において、各国間の標準化と規制の確立を目的として設立運用されている国際電気通信連合(ITU:International Telecommunication Union)では、毎年加盟国の携帯電話やインターネットの普及率など、各種電気通信関連の統計データを更新・公開している。今回はその中から、「世界全体のインターネットの普及率推移」の値を確認していく。
今件では記事執筆時点で2020年分まで値の公開が確認できたので、その最新値も含めた経年変化をグラフとして作成する。なお「インターネット普及率」は「自宅からのアクセス」を前提としている。そのため、職場や公共機関(例えば学校や図書館)でのインターネット利用は対象外となる。
先進国では世帯ベースでのインターネットアクセスが相当率普及しているものの、新興国ではまだまだ少ない、5割台の世帯でしかないことが分かる。やはり社会的なインフラ整備が進んでいないことに加え、導入の上でのハードルの高さ(技術とコストの双方)が問題と思われる。
一方、携帯電話の普及率を見ると、新興国でも高い値を示しており、とりわけ新興国ではコミュニケーションツールとして、携帯電話が重要視されていることが分かる。なおこの携帯電話普及率は、携帯電話の「契約数」を数え、その上位国を並べたもの。SIMカードを使い分ける利用スタイルによって、一人で複数の契約をしている場合は延べ(件)数としてカウントされてしまうため、人口を超えた値(100%超え)を示す結果が出ている。
当然ながら携帯電話(フィーチャーフォン、マルチメディアフォン、スマートフォンのすべてを合わせたもの)の全部でインターネットアクセスができるわけではない。しかしながらスマートフォンでなくとも、SMSで知人などとの間でデジタルによる意思疎通は可能。さらに昨今では先進国に後追いする形で、新興国でも爆発的なスピードでスマートフォンが普及の動きを示しており、それに伴い携帯電話経由でインターネットにアクセスする人が増える可能性は多分にある。
機動力の高さでは携帯電話がはるかに上であること、その携帯電話の普及率が急上昇している状況を見るに、今後も自宅経由のインターネット普及率は急カーブではなく、ゆるやかなカーブを描きながら上昇していくものと考えられる。固定電話のように、普及率が低下の方向にかじ取りをすることは無いだろう。むしろこの状況で、どこまで伸びを見せるのかが気になるところだ。
※2022.03.26. 18:30 グラフなどを正しい表記にしました。お詫び申し上げます。
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