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平均は21時40分…小学生の就寝時刻の実情

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
寝る間も惜しんでスマートフォン。今の子供達の就寝時刻は(写真:アフロ)

テレビや宿題、ゲーム、スマートフォンの利用…自宅に戻ってからも子供達にはやるべきこと、やりたいことがたくさんあり、それこそ24時間あっても足りないほど。「寝る間を惜しんで」との言葉にもある通り、夜更かしをしてそれらの行為をする子供も増えているとの指摘もある。それでは実際に、今の子供達の就寝時刻はいつぐらいなのだろうか。学研教育総合研究所が公開している「小学生の日常生活・学習に関する調査」(※)の結果から確認する。

最初に示すのは小学生に普段の就寝時刻を尋ねたもの。設問用紙は公開されておらず報告書でも「普段夜は何時頃に寝ていますか」とあるのみで曜日の指定は無いが、「普段」との言い回しが使われていること、他の日常にかかわる設問では帰宅後の遊び時間について問われているので、実質的に平日の学校がある日を前提としているものと考えられる。

↑ 普段夜は何時頃に寝ているか(小学生)(2021年)
↑ 普段夜は何時頃に寝ているか(小学生)(2021年)

全体では午後9時以前に寝てしまうのは2割足らず。ほぼ半数が午後9時台に就寝し、それ以降の夜更かしをしているのは3割強。男女別ではほとんど差は見られない。

学年別ではほぼ綺麗な形で低学年ほど早めに寝る傾向が見られる。小学1年生では午後9時までに寝てしまうのは3割を超えているが、小学6年生では1割にすら届かない。午後11時より後にならないと寝ないのは小学1年ではわずか3.0%だが小学6年生では11.5%にもおよぶ。

これらの回答を基に就寝時刻の平均値を算出したのが次のグラフ。もう少し詳しい属性区分をした上でのものとなる。

↑ 普段夜は何時頃に寝ているか(小学生、平均就寝時刻)(2021年)
↑ 普段夜は何時頃に寝ているか(小学生、平均就寝時刻)(2021年)

小学生全体では21時40分。男女別では5分の差で女子の方が遅く寝ているが実質的には誤差と見てよいだろう。単純な学年別では高学年ほど就寝時刻は遅く、小学1年生では21時18分なのに対し、小学6年生では22時03分となっている。

男女・学年別に見ると、男子は小学3年生~小学4年生にかけて急に就寝時刻が遅くなるが、女子は小学4年生~小学5年生にかけて就寝時刻が遅くなる現象が生じている。

あくまでもこれらの時刻は平均値でしかない。子供の体質や環境などで適切な時刻は大きな違いを示す。あくまでも現状における平均的なものとして見てほしいものである。

また起床時刻も就寝時刻とは小さからぬ関係がある。グラフ化は略するが実のところ学年別・男女別で起床時間に大きな変化はない(全体平均は6時39分)。つまり高学年ほど睡眠時間は少ないことになる次第ではある。

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※小学生の日常生活・学習に関する調査

2021年8月27日から30日にかけてインターネット経由で、小学生の子供がいる保護者を対象として保護者付き添いの下で小学生本人が回答するように答えてもらったもので、有効回答数は1200人。男女別・学年別で均等割り当て。調査協力会社はクロス・マーケティング。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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