昼食時間・ランチタイムは短くなる傾向

一日の多くを職場で過ごすことになるサラリーマンにとって、数少ない憩いのひとときが、お昼休みの間に取る食事の時間こと昼食時間。それでは昼食時間は、昔も今もその長さに変化は無いのだろうか。新生銀行発表の「サラリーマンのお小遣い調査」(※)から確認する。

今調査において昼食時間の具体的値(平均値)を調査・公開した年は1983年・1993年と2012年以降は毎年(2013年は全体値のみ)。また1983年は10分以下の選択肢、1993年は「食べない」の選択肢が無いなど多少条件が異なるものの、大勢を推し量ることはできる。さらに2016年以降は一部項目において昼食時間も含めたお昼の休憩時間を「ランチタイム」と定義し公開している(ランチタイム=昼食時間+昼食以外の自由時間)。

まずは年齢階層別の平均昼食時間変遷(グラフの体裁上、直近10調査分のみを反映させている)。20代を除けば2012年ではすべて20分以下となっていた事実に、あらためて驚かされる。30年近く前の1983年(全体で33.0分)と比べ、実に約40%も時間が短縮されている計算となる。また全体値のみでの動向だが、その2012年がもっとも短い値となり、以降は少し伸びた後、横ばいの気配を覚えさせる。

↑ サラリーマンの平均昼食時間(空欄は未調査・未公開、年齢階層別、分)
↑ サラリーマンの平均昼食時間(空欄は未調査・未公開、年齢階層別、分)

昼食時間の年齢階層別差異はあまり無い。30代がやや長いようにも見られるが、誤差の範囲。

時代による変遷度合いはといえば、どの年齢階層もおおよそ2012年が短く、2013年に延び、あとはほぼ横ばいで推移している(2013年は全体値のみの公開だったので、年齢階層別でどのような動きをしたかは分からないが)。ただし20代に限ると2015年を天井に、ほんのわずかずつだが時間が短くなっている動きを示しているようにも見える。逆に30代は2017年を底に長くなっているようだ(ここ1、2年はそれぞれ逆の動きを見せているが。つまり誤差の範囲での動きでしかないのかもしれない)。

2012年に発表された白書では「近年、サラリーマンは昼食も惜しんで働いているのでしょうか」との推測コメントがあった。それを裏付ける資料は無いものの、前世紀のような長い時間に戻っていない現状を見るに、あながち間違っていないものと思われる。あるいは昼休みの時間(ランチタイム)において、昼食をできるだけ早めに済まし、男性ならばインターネット閲覧や休息、女性ならば同僚とのおしゃべりに費やす方向性にあるのかもしれない。

10分以内に昼食を食べ終える人の動向

「早食い」への動きをさらに顕著に確認できるのが、回答項目の具体的区分による動向。回答値を「食べない」「10分以下」「それ以上」の区分で計算し直したもの。今項目は現時点では1993年・2012年と2015年以降の動向を精査可能だが、それらを比べると(この部分のグラフ化は略)2012年は1993年と比べて10%ポイント強も「10分以下」の層が増えている、見方を変えると「それ以上(=11分以上かけて昼食を取る)」人が減ったのが分かる。

なお2016年以降は昼食の時間だけでなく、その他の余暇時間・自由時間も含めたランチタイム全体における時間区分の結果しか公開されていないため(グラフにもその値を反映している)、必然的に「10分以下」の回答値はこれまでと比べて小さくなっている。ただし「食べない」はランチタイムがどれだけあろうと昼食時間がゼロには違いないため、そのまま過去の様式を踏襲した形。

↑ サラリーマンの昼食時間(短時間派の動向、出勤日、2016年以降は昼食時間に加えて休憩時間も加えたランチタイムの動向)
↑ サラリーマンの昼食時間(短時間派の動向、出勤日、2016年以降は昼食時間に加えて休憩時間も加えたランチタイムの動向)

2012年当時の白書では「ランチのお店の選び方も味やお店のきれいさよりも、安くて近いところを好む傾向がある」「ランチタイムはせわしくなっている」との説明がある。それを反映したような数字が出ている。2015年ではその説明と同じような動きを示している。

2016年以降は上記説明の通り、昼食時間ではなくランチタイムの動向のため、2015年と比べて10分以下の回答値が少なくなっているのも当然の話。とはいえ、昼食を取らない人が数%おり、さらに昼食時間も含めたお昼の休憩時間が10分以下しかない人が1割前後いることは、個人的・健康的な事情によるもののみの数字とは考えにくい。2017年を底として年々「10分以下」の全体値が増える傾向にあるのも気になるところだ。

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※サラリーマンのお小遣い調査

直近年分となる2021年分は2021年4月16日から19日にインターネット経由で行われたもので、有効回答数は2718人。男女会社員(正社員・契約社員・派遣社員)に加え、男女パート・アルバイト就業者も含む。公開資料では多くを占める会社員は男性1252人・女性842人。年齢階層別構成比は20代から50代まで10歳区切りでほぼ均等割り当て(実社員数を基にしたウェイトバックはかけられていないので、全体値では社会の実情と比べて偏りを示している場合がある)。未婚・既婚比は男性が40.2対59.8、女性は59.5対40.5。今調査は1979年からほぼ定点観測的に行われているが、毎年同じ人物を調査しているわけではないことに注意。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。