ネット配信者、プロ野球選手、警察官、そして…小学生男子が将来つきたい職業は(2021年公開版)
社会の仕組みを学び、将来の自分の姿をイメージするようになる小学生。その小学生は将来どのような職業につきたいと考えているのだろうか。学研教育総合研究所が公開している「小学生の日常生活・学習に関する調査」(※)の結果から、小学生男子自身が将来つきたい職業の実情を確認する。
最初に示すのは小学生のうち男子に対し、将来つきたい職業を択一で尋ねたもの。上位陣を抽出している。
トップについたのは「プロサッカー選手」。小学生男子の6.0%が将来はプロサッカー選手になりたいと考えている。次いで「警察官」が5.5%、「プロ野球選手」が5.2%。ユーチューバーなどの「ネット配信者」になりたい小学生男子も4.7%。また「eスポーツ・プロゲーマー」も2.2%。インターネット系の新しい職業に憧れを抱く小学生男子が相当数いることが見受けられる。
プロスポーツ選手や公務員、研究者、創作系などはよく聞く憧れの職業ではあるが、上位陣に「ネット配信者」などが入るあたり、時代の流れを感じさせるものではある。
次いでこれを各学年別に区分したのが次のグラフ。具体的には各学年で5%以上の職業を抽出し、他の学年でも回答値が公開されていれば当てはめている。元々値は原則2%以上の公開なので、空欄部分は回答値が2%未満であることを意味する。
小学生男子全体ではトップの「プロサッカー選手」は小学2年生で突出した値が出ているが、どの学年でも一定した値は維持されている。「プロ野球選手」「ネット配信者」「研究者」なども同じようなパターン。ただし「プロ野球選手」「ネット配信者」は高学年になると値が落ちるような傾向とも読める。高学年では「警察官」「運転手」「会社員」など手堅く見える職業が上位に多く見られることから、小学生男子においても年齢とともに単純な憧れよりも、堅実性を求めるようになるのかもしれない。
他方「eスポーツ・プロゲーマー」は小学校4年生以上でしか値が出ていない(それ以下の学年では回答者がゼロ人か、回答値が2%未満)が、これは単純に低学年ではeスポーツ・プロゲーマーの存在を知らない、職業として認識されていないからかもしれない。その観点では似たような立ち位置の「ネット配信者」の方が、小学生男子にとっては、より身近な存在なのだろう。
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※小学生の日常生活・学習に関する調査
直近分となる2020年分は2020年8月26日から31日にかけてインターネット経由で、小学生の子供がいる保護者を対象として保護者付き添いの下で小学生本人が回答するようにしたもので、有効回答数は1200人。男女別・学年別で均等割り当て。調査協力会社はクロス・マーケティング。
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