インターネットで情報が容易に手に入るようになったとはいえ、他国の実情を正確に把握するのは難しい。アメリカ合衆国の人達は日本にどのようなイメージを抱いているのだろうか。その実情を外務省が2021年5月に発表した「米国における対日世論調査」(※)の結果から確認する。

日本に対するイメージとして、アメリカ合衆国の一般人はどのような姿を頭に描いているのだろうか。主要選択肢を用意し、それに同意できるか否かで答えてもらった結果が次のグラフ。「豊かな伝統と文化を持つ」が6割強でトップ、「経済力・技術力が高い」「自然が美しい」が続く。

↑ 日本に対するイメージ(一般人、複数回答)(2020年度)
↑ 日本に対するイメージ(一般人、複数回答)(2020年度)

次いで「アニメ・ファッション・料理など新しい文化を発信」「生活水準が高い」が続く。「理解が難しい」「警戒を要する」「軍事的」などのネガティブな回答はさほど多くない。

それでは日本文化のどのような点に興味があるのか。日本文化において代表的な項目を挙げ、それらについて関心があるか否かを聞いた結果が次のグラフ。トップには「日本食」がついている。なお今設問は直近の2020年度では省略されていたため、前回分となる2019年度分の結果を検証する。

↑ 日本文化のどれに関心があるか(一般人、複数回答)(2019年度)
↑ 日本文化のどれに関心があるか(一般人、複数回答)(2019年度)

再現度は別にしても日本食がアメリカ合衆国にも浸透していることが、関心度の高さを裏付けるとともに、底上げの役を担っていると考えられる。意外なのは、アニメや漫画よりもむしろ、盆栽や茶道のような、日本古来の娯楽に高い関心が集まっていること、そしてアニメ、ゲームや漫画などの値が低い点。

日本の対外アピールを考慮・考察する際には、日本人からの視点ではなく、今件のような海外からの視点を検証材料とする必要がある。さもなくば、的外れなプロモーションをするリスクが生じることになろう。特にエンターテインメント分野では日本国内における評価とアメリカ合衆国での実情に差が生じている感が強いので、注意すべきではある。

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※米国における対日世論調査

直近分は外務省がハリス社に委託し、アメリカ合衆国内において電話により2020年12月~2021年1月に実施されたもので、有効回答数は一般人1013人(18歳以上)・有識者200人(政官財、学術、マスコミ、宗教、労働関係などで指導的立場にある人物)。一般人にはインターネット経由で、有識者には電話によるインタビュー形式で実施されている。過去の調査もほぼ同条件で実施されている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。