諸外国の人達はどの媒体でニュースを目にしているのだろうか(2021年公開版)

↑ ニュースを取得するメディアは多々あるが。(写真:PantherMedia/イメージマート)

中国だけがインターネット経由トップ、他はテレビ

日々生じるさまざまな出来事の内容を迅速に取得し正しい判断をするために、人々は多様な手段を使ってニュースを確認する。インターネットの普及に伴い、ニュースの取得スタイルも大きな変化を遂げている。今回は新聞通信調査会が2021年3月に発表した、アメリカ合衆国やイギリス、フランス、中国、韓国、タイへのメディアに関する世論調査「諸外国における対日メディア世論調査」(※)の報告書の内容から、諸国におけるニュース取得の利用媒体の違いを確認する。

次に示すのは各国の人達がニュースを取得する際に、どのような媒体を用いているかを複数回答で尋ねた結果。インターネット経由調査ではないので媒体によるバイアスは生じない。ニュースを取得する意気込みなどにも左右されるが、各国の情報取得の方法論、実情を推し量るよい指標となる。

↑ ニュース取得の利用媒体(複数回答)(2021年)
↑ ニュース取得の利用媒体(複数回答)(2021年)

おおよその国でテレビが群を抜き高い値を示しており、今でも情報取得の普遍的なツールとしてテレビが有効であることを改めて認識させる結果となっている。それに続くのはインターネットのニュースサイトやSNS(ソーシャルメディア)のような、インターネットを用いたサービスで、インターネットによる情報取得が当たり前となりつつある状況がうかがい知れる。

そのインターネットサービスだが、アメリカ合衆国や韓国ではインターネットのニュースサイトの値が高く、SNSは低め。昨今のフェイクニュース問題が影響しているのかもしれない。他方中国やタイではSNSも高め。中国ではSNSはテレビとほぼ同じ値にまで達しており、インターネットのニュースサイトにいたってはテレビを抜いて最大の値を示している。中国の調査が都市部限定で行われているのも一因だが、同国のインターネットへの傾注度の高さが見て取れる。またタイではインターネットのニュースサイトが低く、その分SNSが大変高い値を示しているのも特徴的ではある。

新聞や雑誌、ラジオなどは低めだが、フランスはそれらも他国と比べれば随分と高い値を示している。ニュース取得の意欲は他国よりも高く、多方面で取得する傾向があるようだ。

テレビとインターネットニュースの詳しい実情

報告書ではそれぞれの媒体に関して属性別の値も公開している。そこでテレビとインターネットニュースに限るが、その内情を見ていく。

まずはテレビ。

↑ ニュース取得の利用媒体(複数回答、テレビ、属性別)(2021年)
↑ ニュース取得の利用媒体(複数回答、テレビ、属性別)(2021年)

タイが異様に高くどの属性も7割以上、10代を除けば8割以上の値を示している。フランスもそれに続く値を示しているが、若年層ではやや値が落ちる。

男女別では男性よりも女性、中年層以降が高めに出るのは多くの国に共通する傾向で、テレビの実情を推し量れるよい資料となる値の動きを示している。なお中国では70歳以上の回答値がごく少数だったため統計上の有意値とはならず、該当部分は空白となっている。

続いてインターネットのニュースサイト。

↑ ニュース取得の利用媒体(複数回答、インターネットのニュースサイト、属性別)(2021年)
↑ ニュース取得の利用媒体(複数回答、インターネットのニュースサイト、属性別)(2021年)

インターネットのニュースサイトではテレビとおおよそ逆の傾向が出ているのは注目に値する。男女別では男性が、年齢階層別では若年層が高い値を示している。10代でやや低めの値が出る国があるのは、利用機会が得られていない、興味がわいていないからだろうか(テレビは多分に受動的に取得する機会があるが、ネットニュースでは原則的に能動的でないと取得は不可能)。

他方中国では男女・年齢階層を問わず高い値が維持されている(60代はやや落ちるが、それでも6割近く)。今件は都市部限定とはいえ、インターネット経由ではなく面接調査で実施されており、メディアによるバイアスが存在しないことを思い返せば、大いに注目すべき結果には違いない。

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※諸外国における対日メディア世論調査

直近発表分はアメリカ合衆国、イギリス、フランス、中国、韓国、タイに対し、2020年12月から2021年1月に行われたもので、アメリカ合衆国・フランス・韓国は電話調査、中国・タイでは面接調査で実施されている。調査地域は中国・タイは都市圏、それ以外は全国。回収サンプル数は各国約1000件。グラフの年数表記は調査結果の発表年で統一している。過去の調査もほぼ同様の調査スタイル。

なおイギリスは新型コロナウイルスの流行悪化の影響で直近調査はできなかった。過去の調査もほぼ同じ形式で実施されたが、2015年分は中国において質問そのものができなかった項目が複数ある。

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(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。