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小学生におけるSNSやインターネット上だけでの知り合いの実情をさぐる(2020年公開版)

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ インターネット上にはよい人を装った悪い人もいる。(写真:PantherMedia/イメージマート)

インターネットでは相手の素性を知らずとも存分に意思疎通ができ、架空の人物に成り代わって振る舞うことも可能となっている。この特徴を悪用するトラブルもあり、リスクを理解できない子供への注意喚起も盛んに行われている。今回は学研教育総合研究所が公開している「小学生の日常生活・学習に関する調査」(※)の結果から、小学生におけるインターネット上のみでの友達の実情を確認する。

次に示すのはSNS(ここではソーシャルメディアを意味する)とインターネットの双方を使う小学生に対し、SNSやインターネットだけで知っている友達はいるかと尋ねた結果。学校や近所の友達とインターネット上でも知り合っている場合は該当しない。SNSのみで知り合い、友達と自覚できるほどに仲良くなった場合などが該当する。無論、相手も同様に回答者を友達と認識しているか否かは検討の対象外。

↑ SNSやインターネットだけで知っている友達はいるか(小学生、インターネットとSNSを使う人限定)(2019年)
↑ SNSやインターネットだけで知っている友達はいるか(小学生、インターネットとSNSを使う人限定)(2019年)

そもそも実際に知り合っている人も含め、SNSやインターネット上での友達がいない場合もありうるが、大多数はSNSやインターネットだけで知っている友達はいないと答えている。他方、おおよそ1~2割の割合で、そのような友達がいるのも事実ではある。10人以上となるとごく少数だが、それでも例えば小学6年生では6.5%が10人以上いると答えている。男女別では男子より女子の方が多そうだ。

それでは具体的にどの程度の人数なのか。平均値を算出したのが次のグラフ。報告書では特に説明はないが、SNSやインターネットだけで知っている友達がいる人限定の平均値では1.0未満の値は出るはずがないので、いない人も合わせた平均値となる。

↑ SNSやインターネットだけで知っている友達の人数(小学生、インターネットとSNSを使う人限定、平均値、属性別、人)(2019年)
↑ SNSやインターネットだけで知っている友達の人数(小学生、インターネットとSNSを使う人限定、平均値、属性別、人)(2019年)

全体では1.0人、男女別では女子の方が多く、学年別ではばらつきが大きいものの男子では傾向だったものが無く、女子では高学年の方が多いように見える。報告書でも「学年ごとの特徴的な変化は見られない」とあり、傾向のようなものはないようだ。

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※小学生の日常生活・学習に関する調査

2019年8月27日から30日にかけてインターネット経由で、小学生の子供がいる保護者を対象として、保護者付き添いの下で小学生本人に答えてもらったもので、有効回答数は1200人。男女別・学年別で均等割り当て。調査協力会社はクロス・マーケティング。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

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(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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