凍死による死亡者の動向をさぐる(2020年公開版)

↑ 単に寒いだけだと油断していると低体温症から凍死に至る可能性も。(写真:ペイレスイメージズ/アフロイメージマート)

凍死による死亡者は増加傾向にある

夏に多発する熱中症による死亡者とは逆に、冬では凍死による死亡者が少なからず発生する。人口動態調査の結果を用い、凍死による死亡者数の動向を確認する。

凍死による死亡者は、ICD-10(国際疾病分類第10版)におけるX31(自然の過度の低温への曝露)を死因とするもの。熱中症がX30(自然の過度の高温への曝露)なので、その真逆となる。なお、あくまでも低温が死因であり、漫画などの表現でよく用いられるような、全身が凍って死に至るような状況に限らない。

取得可能なデータは1999年以降。そこでまずは単純に、年単位での死亡者数の推移をまとめる。

↑ 凍死による死亡者数(人口動態調査、人)
↑ 凍死による死亡者数(人口動態調査、人)

凍死に至る原因は多様なため、その年の冬の寒さをはじめとする自然環境や経済状況など多数の環境が影響を与えると考えられ、その変化が数字にも反映されることになる。したがって大きなぶれが生じてしまっているが、原値でも次第に増加していくようすは確認できる。

とはいえ、年ごとの気象状況によるぶれは否めない。そこで毎年の値に関して、その前年と前々年、つまり都合3年分の値を足して平均値を算出し、値を均す方法を用いた結果が次のグラフ。単年によるイレギュラーの影響を抑えることができる。

↑ 凍死による死亡者数(人口動態調査、該当年と過去2年を合わせた3年分の平均値、人)
↑ 凍死による死亡者数(人口動態調査、該当年と過去2年を合わせた3年分の平均値、人)

2009年まではほぼ800人前後で推移していたが、2010年以降は漸増。2013年を頂点として以後漸減するも2015~2016年で底を打ち、再び増加する傾向にある。2017~2018年の原値で高い値が出ているため、過去2年分を計算で使うことから、2019年と2020年もまた、同様の高い値を示すのは容易に想像できる。その年の原値次第では過去最高を更新し、増加傾向がより確実なものとなるかもしれない。

男女別などで見る凍死での死亡者の動向

これを男女別に見たのが次のグラフ。やはり直近2018年分の原値と、過去2年分も合わせた上での平均値の双方について、年齢階層別に区分した上で男女別の値を確認する。

↑ 凍死による死亡者数(人口動態調査、年齢階層別・男女別、人)(2018年)
↑ 凍死による死亡者数(人口動態調査、年齢階層別・男女別、人)(2018年)
↑ 凍死による死亡者数(人口動態調査、該当年と過去2年を合わせた3年分の平均値、年齢階層別・男女別、人)(2018年)
↑ 凍死による死亡者数(人口動態調査、該当年と過去2年を合わせた3年分の平均値、年齢階層別・男女別、人)(2018年)

70代ぐらいまでは概して男性の方が凍死による死亡者数は多い。凍死といっても急に凍って亡くなるのではなく、いわゆる低体温症(体の中心部の温度が35度以下の状態)を経て、身体の機能が低下、さらには停止し死に至る。低体温症となる状況としては酩酊や飢餓、睡眠薬などの服用、特殊な病気によるものがあるが、男性はこれらのリスクが高いものと思われる(【低体温症について(テルモ)】)。

80代以降になるとむしろ女性の方が死亡者数が増える層がほとんどとなるが、これは単純にその年齢階層で存命している人数そのものが、女性の方が多いからに他ならない。むしろ年間で数百人もの80代以上の高齢者が、凍死(との認定の上で)亡くなっている事実に驚きを覚える人も多いはず。

凍死リスクは体現化する前に、さまざまな前兆がある。当人はもちろん、周辺関係者もまた、くれぐれも配慮を欠かさないよう、努力をしてほしいものである。

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