トップは東京都の74.4%…都道府県別スマートフォン利用率をさぐる(2020年公開版)

↑ 多くの人が利用するスマートフォンの利用率は地域差があるのか否か。(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

今や加速度的に普及が進みつつあるスマートフォン。そのスマートフォンを使ってインターネットにアクセスをしている人は6歳以上の全員比で63.3%(2019年時点)との実情が、総務省が2020年5月に発表した「通信利用動向調査」(※)の公開値から明らかにされている。それではその利用率は全国一様なのだろうか、それとも地域によって大きな差異が生じているのだろうか。今回は都道府県別のスマートフォンによるインターネット利用率の現状を確認する。

スマートフォンだけでなくデジタル系の新しい商品やサービスなどは全般的に、年齢階層別構成比率が、そのまま利用率に反映される事例が多い。つまり都市圏よりも地方ほど高齢層比率が高く、同層では年齢的な問題から、新商品・新サービスの利用率が低くなるため、必然的に「地方」=「高齢層が多い」=「高齢層の利用率が低い新商品の、その地域全体としての利用率も低くなる」というものだ。この傾向はアメリカ合衆国のリサーチ会社による調査結果(Pew Research社のものなど)でもよく出ている。

そこで今回は通信利用動向調査のデータを用い、都道府県別の「スマートフォンでインターネットを利用している人」の比率を算出し、地域別の利用率動向を調べることにする。次のグラフがその結果だが、全体では63.3%、最高値は東京都の74.4%、最低値は青森県の45.4%。29.0%ポイント・1.64倍もの差が出ている。

↑ スマートフォンによるインターネット利用率(都道府県別)(2019年)
↑ スマートフォンによるインターネット利用率(都道府県別)(2019年)

ざっと見ると東京都・埼玉県・神奈川県などの関東圏、京都府・滋賀県・大阪府などの近畿圏、福岡県・熊本県などの九州北部圏など、人口密集地帯・都市地域で高い値を示している。一方で、それ以外の地域のうち、人口が比較的少なめな都道府県では値が低く抑えられている感はある。

ただし一番低い青森県でも45.4%と4割を超えている。ほんの数年前までは「未来の携帯電話」「持っている人は滅多に見ない」「電車内で操作していると羨望のまなざしを多方向から感じ取れる」状況だったスマートフォンの利用率とは考えられない値に違いない。ほんの数年で未来が突っ走ってきた感がある。

上記グラフは各都道府県の動向を知るのには役立つが、上位陣・下位陣を探すのには少々難儀する。そこで並べ替えをして、上位・下位の地域をまとめたグラフを作成した。

↑ スマートフォンによるインターネット利用率(上位陣、都道府県別)(2019年)
↑ スマートフォンによるインターネット利用率(上位陣、都道府県別)(2019年)
↑ スマートフォンによるインターネット利用率(下位陣、都道府県別)(2019年)
↑ スマートフォンによるインターネット利用率(下位陣、都道府県別)(2019年)

最上位は東京都の74.4%。次いで埼玉県の71.5%、神奈川県の68.7%が続く。関東地域をはじめ、人口密集地帯(=人口比率的に若年層が多い地域)が上位に名を連ねている。

一方で下位は青森県の45.4%をはじめ、秋田県、高知県のような、比較的人口比率で高齢層が多い地域が名前を連ねている。スマートフォンの所有・利用は年齢属性との関係が深いことを考えると、この動向は理解もできるものだ。

全国の値でも6割を超え、もっとも低い都道府県でも4割を超えている、スマートフォンによるインターネット利用率。この値が上昇を続けるに連れて、インターネット業界そのものはもちろんだが、周辺、関連する業界もまた、大きな変化に相対するに違いない。

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※通信利用動向調査

2019年分は2019年12月に、「世帯向けは都道府県および都市規模を層化基準とした層化二段無作為抽出法で選ばれた、20歳以上の世帯主がいる世帯・構成員に」「企業向けは公務を除く産業に属する常用雇用者規模100人以上の企業に」対して、郵送による調査票の配布および回収の形式によって行われている(一部オンラインでも実施されている)。有効回答数はそれぞれ1万5410世帯(3万9658人)、2122企業。各種値には国勢調査や全国企業の産業や規模の分布に従った、ウェイトバックが行われている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。