9歳以下の子供を持つ保護者が子供のインターネット利用で困っていることは(2020年公開版)

↑ ついつい夜更かししてスマートフォン。保護者にとっては困ったお話。(写真:アフロ)

大人ですら夢中になるのだから、自制心がはぐくまれていない、好奇心旺盛な子供が、インターネットに取りつかれたように熱中してしまうのも無理はない。しかしそれを放置していては、学力にも健康にも悪影響が生じ、トラブルに巻き込まれる可能性もある。保護者達は子供のインターネット利用において、どのような「困った体験」をしているのだろうか。9歳以下の子供達の実情を内閣府が2020年4月に発表した「青少年のインターネット利用環境実態調査報告書」(※)の内容から確認する。

次に示すのは保護者の立場として、その子供がインターネットを使っている際に生じた、あるいは発覚した、困った事柄に関する経験率。回数やいつ経験したかは問われていない。

↑ 子供のインターネット上の困った経験行動(9歳以下、複数回答、子供がインターネットを使っている人限定)(2019年)
↑ 子供のインターネット上の困った経験行動(9歳以下、複数回答、子供がインターネットを使っている人限定)(2019年)

具体的行動でもっとも多い回答は「保護者が設定したパスワードが、保護者が知らないうちに勝手に解除されていた」で8.2%。保護者が設定しがちなフレーズを推定して入力解除したのか、保護者の入力したパスワードを盗み見したのか、あるいはすり抜ける方法をどこからか入手したのか。その方法までは問われていないが、いずれにせよ由々しき話ではある。

次いで多いのは「保護者が知らないうちにメッセージやメールを送ったり書き込みをしていた」で5.3%。単純に情報発信をするだけなら問題は無いはずだが、リスクを考えると相手を選ぶ必要があり、また当然内容にも十分な注意が必要になる。それらの問題を考慮すると、メッセージやメールの送信、インターネット上への書き込みそのものを許可しない、許すとしても場所を制限した上で事前に保護者のチェックを必要とするなどのルールを設定している世帯も多いことだろう。そのような状況下で、保護者の目をすり抜けて勝手に情報発信をすることは、保護者にとっては困った話に違いない。

インターネットに夢中になることで生じるトラブルとしてよく知られている「インターネットにのめり込んで睡眠不足などの体調不良に陥った」は3.7%、「保護者が知らないうちにゲームやアプリで課金した」は2.2%。経験率としては少数ではあるが、内容次第では重大な問題であり、看過するわけにはいかない。

「保護者が知らないうちに不適切な内容が掲載されているサイトにアクセスした」は2.9%。フィルタリングをしていなければ(禁じていても)アクセスされる可能性は多分にある。フィルタリングが使われていてもそれを潜り抜ける方法を見出した、知ったのかもしれない。あるいは偶然にアクセスしてしまった可能性もある。

これら列挙された問題を経験したことがない保護者は6割近くに留まっている。もっともこの保護者も、まったく問題なく過ごしているのか、別の問題の経験があるのかまではこの調査結果からだけでは分からない。さらには保護者が気が付いていないだけで、子供はすでに困った行動をしたことがある、現在もしている可能性は否定できない。

これを子供の男女別で区分して確認した結果が次のグラフ。

↑ 子供のインターネット上の困った経験行動(9歳以下、複数回答、子供がインターネットを使っている人限定、子供の男女別)(2019年)
↑ 子供のインターネット上の困った経験行動(9歳以下、複数回答、子供がインターネットを使っている人限定、子供の男女別)(2019年)

女子の方が多くの項目で男子より高い値を示している。男子の方が高い具体的な内容の選択肢は「保護者が設定したパスワードが、保護者が知らないうちに勝手に解除されていた」「保護者が知らないうちにゲームやアプリで課金した」「インターネットで知り合った人とメッセージやメールなどのやりとりを通じ知り合った」。少なくとも保護者が把握している限りでは、女子よりも男子の方がインターネット上では礼儀正しい、保護者の思う通りに利用しているということなのだろうか。

もっとも「保護者が設定したパスワードが、保護者が知らないうちに勝手に解除されていた」の項目で男子が女子より大幅に高い値を示しており、その単独項目の結果だけでも男子の方が礼儀正しい云々との評価は難しい感がある。

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※青少年のインターネット利用環境実態調査報告書

今件は「青少年のインターネット利用環境実態調査報告書」内の「低年齢層のインターネットに関する利用実情」の報告部分が該当する。同調査は2020年1月1日時点で日本全国の0歳から9歳の子供を持つ保護者を対象に、同年1月10日から2月14日にかけて行われたもので、保護者による子供の実情などを問う形となっている。調査標本数は3000人、有効回答数は2225人。調査方法は原則調査員による訪問配布・訪問回収法だが、訪問時間などの調整ができない場合に限り、ウェブ調査法や郵送回収法が併用されている(それぞれ61人、38人が該当)。標本抽出方法は層化二段無作為抽出法。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。

(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。