米食における中食や外食の増減状況をさぐる(2020年公開版)
食品の管理技術の進歩やスーパーやコンビニの取り扱い食品の充実で、中食の機会は増えているとの指摘がある。主食のうち米食に関してその実情を、JC総研が2020年3月に発表した農畜産物の消費行動に関する調査(※)の結果報告書から確認する。
今調査対象母集団では、主食として米を食べる機会において、自宅で炊いて食べる炊飯の機会は減り、中食が漸増していた傾向が見受けられた。そして2014年度以降では炊飯が増加に転じ、その分中食や外食が減る、さらには直近1、2年度では再び炊飯が減少して中食や外食が増える動きを示している。
そこでもう少し長い時系列でデータを取得できる「既婚女性」「単身男性」「単身女性」において、中食(加工食品…パックごはんや冷凍ピラフ、お餅など)・中食(調理済…弁当、おにぎりなど)・外食の3様式に関し、1週間あたりの食数(要は頻度)の推移を見ていくことにする。
まず外食。どの属性でもほぼ一様に減少傾向にあった。外食そのものの回数が減らされている話は本当のようだ。もっとも単身男性・単身女性は下げ止まりの動きを見せ、既婚女性は増加に転じる流れを示している。外食離れは底打ちをしたようにも見える。
一方中食だが、調理済みについては既婚女性は振れ幅が大きいもののほぼ横ばい、あるいはわずかな減少、単身男性と単身女性は減少から増加への動きを見せているようだ。他方加工食品ではいくぶんのイレギュラーな動きがあるものの、既婚女性と単身男性では減少から増加への動きを示しているが、単身女性ではゆるやかながらも減少の動きにあるようにも見える。
ここ数年の間に食生活は小さからぬ動き、具体的には中食の急速な浸透が生じている。今調査における直近数年の主食に関する動きを見るに、主食は自前で用意し、総菜を中食として選んで食卓で食べるというスタイルが浸透しつつあるのかもしれない。
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※農畜産物の消費行動に関する調査
直近年度分は2019年9月6日から11日にかけて、全国の既婚女性・既婚男性・単身女性・単身男性に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は2108人。男女比はほぼ1対1、年齢階層別構成比は20代以下183人・30代280人・40代346人・50代328人・60代385人・70代以上586人。調査実施機関はインテージ。過去の調査もほぼ同様の条件下で行われている。
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(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。