若者労働者における正社員・非正社員率を詳しくさぐる(2020年公開版)

↑ 学歴などで正社員率に違いは生じているのか。(写真:アフロ)

学歴が各人の評価のすべてではないものの、素質や技術、学業能力の上で優れている可能性が高いことが容易に想像できるため、多くの場面で判断材料とされ、その結果として有利不利が生じる場面は多々発生する。その場面が積み重なり、統計の上でも「学歴が高いほど有利な立ち位置につける」との数字が導き出されることになる。今回は厚生労働省が2019年12月18日に発表した、2018年時点における若年層の雇用実態を調査した「若年者雇用実態調査」(※)の結果から、就業状態における立ち位置の観点で、その実態を確認する。

今件における「在学していない(つまり『学校に通いながら働いている人』以外の)若年(15~34歳)労働者における正社員・正社員以外(非正社員)の割合」だが、全体では69.0%が正社員、30.8%が非正社員となっている(残り0.2%は「不明」。つまり回答者自身が自分の就業上の立ち位置を認識できていない)。

↑ 若年労働者における就業形態別割合(調査時点で在学していない人のみ、属性別)(2018年)
↑ 若年労働者における就業形態別割合(調査時点で在学していない人のみ、属性別)(2018年)

男女別で見ると男性の方が正社員率が高い。これは女性が結婚後において、パートに出ている場合(いわゆる兼業主婦状態)も含まれるため、当然の話ではある。時折、この現状を無視した労働市場に関する論説があるので注意を要する。

むしろ問題なのは年齢階層別の区分。20代前半においては28.0%が非正社員の労働者であることが確認できる(「在学していない人」に限定されていることに注意。つまり大学生でアルバイトをしながら就学している事例は該当しない)。20代後半に至っても26.8%が非正社員のままで、かなり高めの値と言わざるを得ない。もっともこれは女性に限れば「結婚後の女性におけるパートなどの就業パターン」が含まれているのが一つの要因。詳しくは機会を改めて、男女それぞれで精査を行うが、男性に限れば20代後半では正社員率は8割に達している。「8割も」と取るのか「8割しか」と取るのかは微妙な値であるのは事実だが。

また最終学歴別で見ると、いわゆる中卒は6割強が、高卒では4割強が非正社員と、平均値より高い値を見せている。現状では学歴が高い方が「正社員としての就職」に有利であることを改めて認識させる結果となっている。非常に厳しい話ではあるが、現実問題として受け止めねばなるまい。

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※若年者雇用実態調査

厚生労働省が5年おきに実施している調査で、直近分は2018年9月22日から10月15日(個人調査は10月11日から11月30日まで)の間に調査票郵送配布・郵送返信方式にて行われたもので、有効回答数は事務所調査が9455事務所、個人調査が1万9889人。現時点では2018年実施・2019年発表のものが最新となる。

用語定義は次の通り。

「若年労働者」…15~34歳の労働者

「常用労働者」…期間を定めずに雇われているか1か月を超える期間を定めて雇われている人

「正社員」…直接雇用関係のある雇用期間の定めのない労働者のうち、正社員・正職員など

「非正社員(資料上の表記では『正社員以外の労働者』)」…直接雇用関係のある労働者のうち、正社員・正職員などとされている”以外”の人(例 パート・アルバイト、契約社員など)

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

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