スマートスピーカーの所有・利用状況をさぐる(2019年公開版)

↑ 直接語りかけて機器の操作や調べものができるスマートスピーカー。利用状況は。(写真:アフロ)

音声認識機能と検索機能、他のデジタル系機器との連動性を融合させ、利用者が直接対話するかのように命令をすることで必要な操作を可能とするデジタル機器、スマートスピーカー。スキルと呼ばれるアプリの多様性で、今やスマートフォンと同じような拡張性・可能性を持つ機器として認知されている。今回は総務省が2019年9月に情報通信政策研究所の調査結果として公式サイトで発表した「平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(※)の公開値を基に、スマートスピーカーの利用状況を確認する。

次に示すのはスマートスピーカーの所有および利用状況。自宅にある・無しを回答者に答えてもらい、ある場合には回答者自身が利用しているか、それとも利用していないか(置いてあるだけなのか、家族の別の人が使っているかは問わない)、無い場合には自宅に欲しいか、いらないかを答えてもらっている。単純にある無しの回答だけでなく、ある場合には利用状況を、無い場合には所有希望の有無まで尋ねることで、スマートスピーカーの需要実態を確認できる。なお今件選択肢は回答用紙には「スマートスピーカー(Google Home、Amazon Echoなど)」と記載されている。

↑ スマートスピーカー所有状況(自宅、属性別)(2018年)
↑ スマートスピーカー所有状況(自宅、属性別)(2018年)
↑ スマートスピーカー所有状況(自宅、「無い」、属性別)(2018年)
↑ スマートスピーカー所有状況(自宅、「無い」、属性別)(2018年)

全体の所有率は13.3%。しかし利用率は4.9%に過ぎない。対話式で命令を入力できることから利用そのもののハードルは低いはずなのだが、概念そのものは以前からあったものの実商品の登場はこの数年での出来事なので、具体的にどのように活用してよいのか分からない人が多いものと考えられる(家族の誰かが購入したが、自分は使っていない)。あるいは有効な使い道ができる、連動している機器が無いのかもしれない。

年齢階層別では10代がもっとも高く20.6%だが、利用率は6.4%に留まっている。利用率は20代の方が高いものの所有率では10代の方が上。そしてそれ以降は年に連れて所有率・利用率ともに下がっていく。しかし60代でも10.4%が自宅にスマートスピーカーがあると回答しているのは、驚くべき結果かもしれない。

就業形態別では学生・生徒の値がずば抜けて高いのが特徴的。一方で無職の値が低いが、これは多分に高齢者と被っているからに他ならない。世帯年収別では意外にも所有率・利用率ともに低世帯年収の方が高めで世帯年収が上がるに連れて落ち、800万円以上で再び増えていく。中間層であまり所有されていない・使われていないのには何か理由があるのだろうか。都市規模別ではおおよそ大都市圏の方が所有率は高いが利用率に傾向だった動きは無い。

非所有者の動向だが、所有を希望する人は60代と無職でやや低い値が出ているものの、それ以外では大体1割台後半から2割台の値が出ている。特に学生・生徒と20代では2割強を示しており、大学生が大いに興味を示しているものと考えられる。

既存の技術の融合的な発想による道具に過ぎないが、スマートスピーカーは間違いなく多くの人にとって未来的な、憧れのアイテムとなる可能性を秘めている。廉価版も次々と登場していることから、メーカー側による使い方の提案や試行錯誤とともに、さらなる普及をしていくに違いない。

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※平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査

2019年2月23日から3月1日にかけて、全国125地点をランダムロケーションクォーターサンプリング(調査地点を無作為に抽出、地点ごとにサンプル数を割り当て、該当地域で調査対象者を抽出する方法)によって抽出し、訪問留置調査方式により、13~69歳を対象とする1500サンプルを対象としたもの。アンケート調査と日記式調査を同時並行で実施し、後者は平日2日・休日1日で行われている。よってグラフの表記上は「10代」だが、厳密には13~19歳を意味する。

なお今調査は例年11~12月にかけて行われるが、直近分は翌年の2~3月となっている。グラフや本文上の表記や考察は、報告書に準ずる形で2018年と表記する。また調査のタイミングにより一部調査結果においてイレギュラー的な動きが生じているが、報告書では「調査時期の違いによる影響や単年の一時的な傾向である可能性も否定できず、継続的な傾向の把握については今後の調査などの結果も踏まえる必要がある」と但し書きをしている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。

(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロで無いプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。