インターネットはいつ使われているのか、年齢別の違いをさぐる(2019年公開版)

↑ 寝る前もスマートフォンでインターネットへアクセス。年齢での違いは?(写真:アフロ)

平日と休日、インターネット利用の差異は

パソコンだけでなく携帯電話(スマートフォンや従来型携帯電話など)を使い、人々は気軽にインターネットへアクセスすることが可能となった。インターネットは多様なサービスを提供するインフラで、そのサービスによって社会生活はあらゆる面で変化を迎え、今やインターネット無しでは生活できない、し難い状況となっている。一方でインターネットの利用動向は年齢により大きな差異が生じているとの指摘もある。今回は情報通信政策研究所が2019年9月に発表した「平成30年度 情報メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(※)から、平日と休日それぞれにおけるインターネットの利用状況を、年齢階層別に区分した上で確認する。

次に示すのはインターネット(利用端末の種類は問わない。パソコン以外に携帯電話なども含む)の行為者率推移。そして行為者とは、該当時間帯において連続して10分以上使った人のことを意味する。スマートフォンによるインターネットへのアクセスも当てはまるため、移動中などの利用もカウントされる場合が多々ある。もちろん回答者が自覚して利用している状況を示すので、例えば自宅の端末でアプリケーションを起動させ続けている場合は、今件行為者としては該当しない。

↑ インターネット利用の時間帯別行為者率(平日、年齢階層別)(2018年)
↑ インターネット利用の時間帯別行為者率(平日、年齢階層別)(2018年)

時間別行為者率はその人が元々インターネットを利用しているか否かにも左右されるため、当然若年層の方が高い値を示すことになる。他方、若年層でもそれぞれの階層の事情により、時間ごとに行為者率には大きな違いが生じてくる。

10代は多くが就学状態であることから、朝の登校時間前に一つのピークを迎え、それ以降は減少。お昼時にいくぶん増えて(大学生、あるいはお昼休み時間のアクセス)、下校時間以降再び増加する。夕食後はさらに値は増加し、21時台がピークとなる。恐らくはスマートフォンによるアクセスが多分に及んでいるものと考えられる。

20代以降はその多くが就業者となるため、仕事目的のアクセスも増えることから、日中の利用も増加する。しかしやはりお昼時には大きなピークを迎える。夕方も少しずつ増えていくが、学校の下校時間よりは遅い退社時間であることから、明らかな増加が始まるタイミングも1~2時間ほど後ろにずれ込んでいる。60代は少なからずの人が定年退職を迎えているため、特段のピークタイムのような動きは見出し難い。

夜のピークタイムは20代が22時台、それ以外は21時台。就寝時間は高齢者の方が早いはずだが、インターネットの行為者率の上でのピークには影響を及ぼさないようだ。一方若年層、特に20代はピークを過ぎても行為者率の減少度合いは他の階層と比べて緩やかで、午前1時でも9.1%が利用し続けている。10代の5.7%と併せ、翌日の就業・学業が不安ではある。

これが休日となると利用スタイルは大きく変化する。比較がし易いよう、縦軸の区切りは平日と同じにしてある。

↑ インターネット利用の時間帯別行為者率(休日、年齢階層別)(2018年)
↑ インターネット利用の時間帯別行為者率(休日、年齢階層別)(2018年)

年齢階層別で値が減少する時間帯にいくぶん異なる傾向があるものの、朝のピーク時間が特に無く8時台から10時台まで一様に上昇した後は高い値を維持する。ただし30代以降は少しずつ値を落とすなどの細かな違いもある。そして夕方から夕食時、そしてその後就寝に至るまで高い値を示す傾向は平日と変わりなし。

他方、10代は10時台まで上昇した後はほぼ値が横ばいに動いている。使う人は日中はずっと、寝るまで同じように使い続けているのかもしれない。

平日と休日の違いを複数の視点で

平日と休日それぞれの動向をグラフで見比べ、利用スタイルに違いがあることが確認できたわけだが、これを色々と数字を加工して検証していくことにする。まずは単純に休日の値から平日の値を引き算して算出したもの。

↑ インターネット利用の時間帯別行為者率(休日の平日との差異、年齢階層別、ppt)(2018年)
↑ インターネット利用の時間帯別行為者率(休日の平日との差異、年齢階層別、ppt)(2018年)

就業・就学時間帯はアクセスを制限される場面が多いことから、その制限が解除される休日では、平日と比べて行為者が増える状況が確認できる。もっともお昼時は10代以外はむしろ日中利用できない分をお昼休みで補おうとするためか、多分に利用する人が増えることから、かえって休日の方が低い値を示している。朝方でマイナス値を示しているのも似たような理由に加え、起床・朝食時間が平日と比べて遅い時間にずれ込んでいるのが原因。

ところが18時以降、具体的には夕食以降になるとせいぜい増加分は5%ポイント程度で、日中と比べると非常に小さな変化にとどまっている。これは夕食後のプライベートタイムにおけるインターネットの利用傾向は、平日・休日の区別無く行われている実態を意味していることとなる。

各年齢階層別に時間単位の行為者率を単純に累積加算し、概算的な1日あたりのインターネット利用状況を行為者率で計算し、その値を平日と休日で比較した(休日の値から平日の値を引いた)のが次のグラフ。例えば1日24時間ずっと行為者率が50%を維持、つまり該当階層の半数が24時間インターネットを利用していれば50%×24(時間)で1200%となる。これが休日に60%の維持ならば60%×24=1440%で、差し引き240%のプラス。それだけ余計にインターネットが利用されていることが分かる次第。

↑ インターネット利用の時間帯別行為者率(休日の平日との差異、年齢階層別、pptの累計)(2018年)
↑ インターネット利用の時間帯別行為者率(休日の平日との差異、年齢階層別、pptの累計)(2018年)

直上のグラフの通り平日と休日の間に大きな差異が生じるのは日中の時間帯だが、その時間帯で大いにインターネットを利用している若年層は大幅なプラスを示すものの、年とともにプラス幅は減っていく。これは平日の就業時間中に仕事目的で利用しているインターネットへのアクセス時間が長時間にわたっており、休日のプライベートタイムにおける利用でも長さの上で追いつけないことを意味する。60代はそれとは別に、平日・休日でインターネットを利用できる機会は多分にあるため、違いがほとんど生じないのだろう。

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※平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査

2019年2月23日から3月1日にかけて、全国125地点をランダムロケーションクォーターサンプリング(調査地点を無作為に抽出、地点ごとにサンプル数を割り当て、該当地域で調査対象者を抽出する方法)によって抽出し、訪問留置調査方式により、13~69歳を対象とする1500サンプルを対象としたもの。アンケート調査と日記式調査を同時並行で実施し、後者は平日2日・休日1日で行われている。よってグラフの表記上は「10代」だが、厳密には13~19歳を意味する。

なお今調査は例年11~12月にかけて行われるが、直近分は翌年の2~3月となっている。グラフや本文上の表記や考察は、報告書に準ずる形で2018年と表記する。また調査のタイミングにより一部調査結果においてイレギュラー的な動きが生じているが、報告書では「調査時期の違いによる影響や単年の一時的な傾向である可能性も否定できず、継続的な傾向の把握については今後の調査などの結果も踏まえる必要がある」と但し書きをしている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。

(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロで無いプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。