9歳以下の子供達のパソコンを使ったインターネット利用の実情をさぐる(2019年公開版)
9歳以下のパソコンによるインターネット利用率は
「若年層のパソコン離れ」は本当のことなのか。9歳以下の子供達によるパソコンを使ったインターネットの利用実情を内閣府が2019年5月に発表した「青少年のインターネット利用環境実態調査報告書」(※)の内容から確認する。
まず示すのは、子供の年齢階層別におけるパソコンによるインターネット利用率。保護者の監視下での利用か、子供のみでの利用かは問われていない。また、インターネットに接続せずにパソコンを利用している場合は、今件には該当しない。なお空欄の部分は回答者が皆無であることを意味する。
昨今ではパソコンの利用実態としてデスクトップパソコンよりもノートパソコンの方が利用率は高くなっているが(今調査結果でもデータの表記序列はノートパソコンの方が先)、今結果でもその実情に合致した値が出ている。全体ではノートパソコンが5.9%なのに対し、デスクトップパソコンは3.2%でしかない。また、双方を合わせて利用している場合もあるが、単純加算しても1割に届かない。つまり、9歳以下におけるパソコンを用いたインターネット利用率は1割足らずとの計算になる。
年齢階層別で見ると4歳でデスクトップパソコンとノートパソコンの利用率が逆転しているが、それ以外ではおおよそノートの利用率はデスクトップよりも高い。また7歳で双方とも利用率が大きく跳ね上がるが、これは小学校に上がるにあたって、保護者の許諾が出るケースが多くなるからだろう。
インターネットにつないで何をしているのか
続いてパソコンで何をしているのか。今項目は全体比では無く、インターネットに接続した上での回答であることに注意されたい。
動画視聴がトップだが、ノートパソコンよりもデスクトップパソコンでの方が、より多くの割合で利用している。画面の大きさや操作性、そして保護者の監視下に置きやすいか否かで差が出ているのだろう。もっともそれ以外の項目でも多分においてデスクトップパソコンの方が値は高い。デスクトップパソコンでインターネットを使っている人に限れば、多様な使い方をしている次第ではある。
ただしインターネットの利用者そのものはノートパソコンが5.9%、デスクトップパソコンが3.2%と2倍近い開きがある。9歳以下全体の比率を計算すれば、ノートパソコンを使った人の比率が高くなるのは必然ではある。例えば動画視聴の場合、全体比を試算すると、ノートパソコンは4.3%、デスクトップパソコンは2.5%となる。比率が高いか低いか、色々と考えを巡らせたくなる値には違いない。
■関連記事:
【更新】子供にパソコンを使わせるメリット、そして不安なこととは
高校生は平日で1日3時間近く…小中高校生のスマホでのネット利用時間
※青少年のインターネット利用環境実態調査報告書
今件は「青少年のインターネット利用環境実態調査報告書」内の「低年齢層のインターネットに関する利用実情」の報告部分が該当する。同調査は2018年11月1日時点で日本全国の0歳から9歳の子供を持つ保護者を対象に、同年11月8日から12月9日にかけて行われたもので、保護者による子供の実情などを問う形となっている。調査標本数は3000人、有効回答数は2274人。調査方法は原則調査員による訪問配布・訪問回収法だが、訪問時間などの調整ができない場合に限り、ウェブ調査法や郵送回収法が併用されている(それぞれ4人、41人が該当)。標本抽出方法は層化二段無作為抽出法。
(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。
(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。
(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。
(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロで無いプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。
(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。
(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。
(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。