「自国の民主主義の実情に満足している」主要国全体では45%

↑ 選挙も民主主義を体現化する仕組みの一つ。(ペイレスイメージズ/アフロ)

民主主義国家の国民は自国の民主主義の実情をどのように認識しているのだろうか。その実情への満足度合いを、アメリカ合衆国の民間調査会社Pew Research Centerが2019年4月に発表した報告書「Many Across the Globe Are Dissatisfied With How Democracy Is Working」(※)から確認する。

次に示すのは回答者自身の国において、民主主義がどのように行われているか、その実情について満足しているか否かを択一で選んでもらったもの。実際には民主主義の考え方は個人ベースでも異なるし、地域社会や文化によって差はあり、さらに構成される要素次第で判断が異なりうるため、単純に二択での選択がどこまで実情を示せるのかは疑問ではあるが、大まかな印象として満足しているか否かを答えてもらっている。

↑ 自国における民主主義の実情に満足しているか(2018年春)
↑ 自国における民主主義の実情に満足しているか(2018年春)

対象国27か国の全体中央値は45%が満足、51%が不満足との結果となり、不満足な人の方が多い。北米ではカナダの満足派は61%だがアメリカ合衆国は40%。詳しくは別の機会で解説するが、先進国では多分にその国の現行政権の明確な支持者の比率が、満足派の回答に連動する傾向がある。この傾向をアメリカ合衆国の実情と照らし合わせると、この値は納得できるものとなる。

ヨーロッパではスウェーデン、オランダ、ドイツ、ポーランドで満足派が過半数。イタリアやスペイン、ギリシャでは不満足派が7割以上となっている。経済の実情が色濃く反映されているようでもある。他方、ロシアは満足派が44%。

アジアでは日本が満足派の値が一番低く40%、一番高いのはフィリピンの69%で、次いでインドネシアの65%、韓国の64%が続く。報告書では「アジア地域の人は民主主義に満足する傾向がある。日本だけが満足していないと答えている」と説明している。

南米では概して満足派の値が低い。もっとも高いアルゼンチンでも35%、ブラジルは16%、メキシコは14%に留まっている。

報告書では「自国の民主主義に対する不満は先進国よりも新興国の方が高い。調査対象国に限れば、新興国で不満派は中央値が60%、先進国では50%だった」と言及している。政治プロセスの成熟性、経済的な安定度などが小さからぬ影響を与えているのかもしれない。

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※Many Across the Globe Are Dissatisfied With How Democracy Is Working

おおよその国では2018年3月から5月にかけてRDD方式で選出された18歳以上の1000人前後の人に対し、電話経由によるインタビュー形式で行われたもので、それぞれの国の国勢調査の結果に基づき男女別、年齢、教育、地域などの属性によるウェイトバックが実施されている。一部の国では対面方式による調査方法が用いられている。

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