アメリカ合衆国のツイッター利用者の6割は民主党支持者という実情
トランプ大統領が多用していることで、アメリカ合衆国のツイッター利用者は共和党支持者が多いとの印象がある。本当のところはどうなのか、その実情を同国の民間調査会社Pew Research Centerが2019年4月に発表した調査報告書「Sizing Up Twitter Users」(※)から確認する。
今調査対象母集団においては政治的ツイートを過去30日以内にしたことがある人は、ツイート頻度の上位10%勢では42%、下位90%勢では13%。コアな利用者ほど政治的なツイートをする傾向がある。もっとも、政治的なツイートをしていなくても政治的な思惑を持たないわけでは無い。自分の政治的思惑を不特定多数の目に触れさせることをしないまでの話。
それではアメリカ合衆国におけるツイッターの利用者は、政治的にどのような自己認識をしているのだろうか。ツイッターの利用者に限らず、18歳以上全体との比較を示したのが次のグラフ。
回答者の政治的な属性の認識別区分としては、ツイッターの利用者は民主党支持者が36%、共和党支持者が21%、無党派が29%、その他(他政党の支持者)が13%。共和党のトランプ大統領がツイッターを多用し、日々その内容が報じられていることもあり、ツイッターの利用者も共和党支持者が多いような印象もあるが、実際には民主党支持者の方が多い。しかも18歳以上全体と比較しても、民主党支持者の割合は6%ポイントも多い状態。アンチな人の方が積極的に他人へ意思表示を行えるツイッターを好んでいるのも一因かもしれない。
無党派とは現存する政治政党のいずれにも明確な支持を持つわけでは無く、不満を持っていたり満足感を得られない人のことを指すのだが(浮動票的存在という表現が近いかもしれない)、そのような状態の人にもとりあえず既存政党を選択してもらうとしたらどの政党を選ぶのか、それが「政治的属性認識で明確に支持政党を選ぶなら」。民主党と共和党を足しても100%にならないのは、その他の政党を選ぶ人がいるから。
こちらでもツイッター利用者の方が18歳以上全体よりも民主党支持者の割合が高い結果が出ている。ツイッター利用者の60%はどちらかといえば民主党支持者で、共和党支持者は35%しかいない。意外な話だが、これが現実ではある。
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※Sizing Up Twitter Users
該当調査はアメリカ合衆国の18歳以上の人のうち乱数抽出された人で構成されるグループ(抽出時にインターネットへのアクセス環境を持っていない人はインターネットのアクセス環境(端末も含む)が提供される)に対し、2018年11月21日から12月17日にかけてインターネット経由で行われたもので、ツイッターの利用者のうち有効回答を得られた2791人が対象となっている。国勢調査によるウェイトバックが実施されている。
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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。
(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。