スマートフォンとタブレット型端末の普及率の推移を詳しくさぐる(2019年版)

↑ スマートフォンやタブレット型端末の普及率は。複数の視点で確認。(GYRO PHOTOGRAPHY/アフロ)

インターネットへのアクセス機器として、今スポットライトを浴びているのがスマートフォンとタブレット型端末。その世帯ベースでの普及率の推移を、複数の切り口で内閣府の消費動向調査(※)の結果から確認する。

まずはスマートフォンとタブレット型端末の、世帯単位の普及率推移。消費動向調査で両機種が明確に区分の上調査されたのは2014年からなので、現時点では6年分しかデータが無い。なお1世帯に何台所有機が存在しても、普及率は変わらない。例えば1世帯にスマートフォンが10台あったとしても、その世帯の普及率が1000%にはならない。

↑ スマートフォン普及率(世帯単位、世帯種類別)
↑ スマートフォン普及率(世帯単位、世帯種類別)
↑ タブレット型端末普及率(世帯単位、世帯種類別)
↑ タブレット型端末普及率(世帯単位、世帯種類別)

直近2019年において総世帯における世帯ベースでの普及率は、スマートフォンでは70.8%、タブレット型端末では33.6%。単身世帯・二人以上世帯双方とも前年から比べ、一様に増加傾向を示している。スマートフォンではいくぶん単身世帯の方が上昇率は高めだが、タブレット型端末では世帯種類別の違いはほぼ見られない。

続いて世帯年収別。二人以上世帯と単身世帯を合わせた総世帯では、世帯年収別動向を確認してもあまり意味が無いことから、単身世帯・二人以上世帯それぞれに区分した上で世帯年収別の推移を見ていくことにする。なおグラフの表記上、一部の属性では「以上」を省略している。例えば「300~400万円未満」は「300万円以上400万円未満」を意味する。

まずはスマートフォン。

↑ スマートフォン普及率(単身世帯、世帯年収別)
↑ スマートフォン普及率(単身世帯、世帯年収別)
↑ スマートフォン普及率(二人以上世帯、世帯年収別)
↑ スマートフォン普及率(二人以上世帯、世帯年収別)

単身世帯では高年収層で多分なばらつきが生じているが、これは回答世帯数そのものが少ないことから生じたぶれによるもの(加えて、単身高所得者は高齢層となることが多いため、年齢の影響で強い結果が出てしまう)。もっとも直近年の2019年ではおおよそ前年から値を積み増ししている。他方二人以上世帯ではほぼきれいな形でゆるやかな上昇が生じている。高世帯年収なほど高普及率が維持されたまま、すべての年収層で年の経過とともに底上げされている形。

タブレット型端末もおおよそ同じスタイルを見せている。

↑ タブレット型端末普及率(単身世帯、世帯年収別)
↑ タブレット型端末普及率(単身世帯、世帯年収別)
↑ タブレット型端末普及率(二人以上世帯、世帯年収別)
↑ タブレット型端末普及率(二人以上世帯、世帯年収別)

単身世帯ではスマートフォン同様にイレギュラー(さらに2015年の1200万円以上世帯は該当世帯数そのものが少数なため、実測値計上がされていない)が生じているが、高年収ほど高保有率、年を経るほど普及率の上昇の動きが確認できる。直近年では年収550万円以上の二人以上世帯において、半数以上でタブレット型端末を所有していることになる。

最後は世帯主の男女別や年齢区分別の保有率。これは単身世帯のみで精査を行う。二人以上世帯では世帯主と配偶者の世代が近い事例がほとんどだが、子供のいる・いない、さらには子供の年齢により保有状況が大きく変化する可能性がある。そのような状況下で経年推移を見ても、さほど大きな意味は無い。

一方で単身世帯の場合は、世帯主=世帯構成員全員であり、世帯主の属性や年齢による普及率動向の精査はそれなりに意味があると判断した次第。

↑ スマートフォン普及率(単身世帯、世帯主男女別・年齢階層別)
↑ スマートフォン普及率(単身世帯、世帯主男女別・年齢階層別)
↑ タブレット型端末普及率(単身世帯、世帯主男女別・年齢階層別)
↑ タブレット型端末普及率(単身世帯、世帯主男女別・年齢階層別)

男女別では双方世帯種類とも男性の方が利用率は高い。これはいくつかの理由があり、「必要性」「デジタル機器の関心度合いは男性の方が強い」「保有率が低い高齢層は女性の方が構成人数比率が高い」などによるもの。

スマートフォンではきれいな形で若年層ほど高普及率を示している。他方タブレット型端末だか、ややぶれが生じているものの、おおよその階層で前年比において伸びを見せている。60代では前年比で減少したが、これは2018年の大きな伸びの反動によるものだろう。元々値が低いのも要因だが、スマートフォン以上に急激な上昇率を示している状況は注目に値する。来年以降の動向にも注目したい。

両端末のグラフを見直すと、年齢階層別では50代までと60代以降の間で大きな数字の差異が生じている事が分かる。これが単なる身体的な事情によるもの、あるいは就業現役層か引退層かの違いによるものなら差異は開いたままだが、端末と出合った時のタイミングによるものならば、今後ゆっくりと、そして確実にこの「差異の壁」は右側、つまり高齢層にシフトしていくはずだ。

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※内閣府の消費動向調査

今後の暮らし向きの見通しなどについての消費者の意識や各種サービスなどへの支出予定、主要耐久消費財などの保有状況を把握することで、景気動向判断の基礎資料を得ることを目的としている調査。調査世帯は、二人以上の世帯、単身世帯毎に三段抽出(市町村・調査単位区・世帯)により選ばれた8400世帯。調査時期は毎月1回で、調査時点は毎月15日。毎月10日前後に調査対象世帯に調査票が届くよう郵送し、毎月20日頃までに届いた調査票を集計する。

毎月調査を実施しているが年1回、3月分において、他の月よりは細部にわたる内容を調査している。その中の項目の一つ「主要耐久消費財の普及・保有状況」を今件精査では用いている。これは「回答者の世帯において対象品目を回答時点(直近分の場合は2019年3月末時点)で持っているか否か」「持っている場合は保有数量はどれほどか」を尋ねた結果。具体的な利用状況は尋ねていない。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。

(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロで無いプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。