鮮度か単価か特売品か? 野菜購入時の重視点をさぐる(2019年公開版)
野菜の選択重視点、鮮度が一番、次いで販売単価
食品購入時のこだわりは他の商品以上のものがある人が多い。一方でそのこだわりがどのような点に向けられるのかは人それぞれ。野菜に関するその実情を、JC総研が2019年3月に発表した、農畜産物の消費行動に関する調査(※)の結果報告書から確認する。
野菜を購入している人に限定した上で、購入時にどのような点を重視しているかを5つまでの複数回答で尋ねたところ、もっとも多くの人がウェイトを置いているのは「鮮度」だった。59.8%の人が野菜は鮮度を重視して購入すると答えている。
次いで多いのは「販売単価」で57.6%。さらに「特売」が33.9%と続く。鮮度、価格、特売の3項目が野菜選別の際の重要な要素との結果に、うなづく人も多いだろう。
価格関連の動きを見ると、第2位の「販売単価」や第3位の「特売」以外にも「予算内」「見切品値引き」などが続く。対象となる種類の野菜であれば、鮮度や量、見た目などは二の次とする考え方だが、スーパーのセールス時間帯や特売コーナーによく足を運ぶ人は、「これだけ多くのライバルがいるのか」と思うかもしれない。
味わいにこだわる人も多い。「鮮度」はもちろんだが「旬」「味・食味」なども上位に挙がっている。他方「色づき・つや」「見た目・形」などの見た目を気にする人は「旬」などよりは少ない。情報開示やネームバリューによる付加価値などを模索した「地元・近隣産地」「生産者氏名」「有名産地」も、野菜選択の上ではさほど大きな影響力は無いような結果が出ている。「国産品」は上位につくほど重要視されているのだが。
年齢で変わる着眼点
この野菜購入時の重視点について、年齢階層別で見ていくことにする。年齢による野菜のこだわりの違いがよく出た形となっている。
若年層は「販売単価」「特売」「見た目・形」で高い値を示している。多分にお値段第一、最優先であるふところ事情が透けて見えてくる。実際、50代までは「鮮度」より「販売単価」の方が回答率が高く、野菜調達の際のウェイトが年で大きく変わってくる実情がつかみ取れる。
他方「鮮度」「国産品」「旬」「味・食味」はおおよそ年上ほど回答率は上昇する。年齢を重ねるに連れて味そのものへのこだわりが上乗せされ、コストは二の次となるようすがうかがえる。また高齢層では「量の程よさ」も高い値を示し、消費量が少量の人への配慮が高齢層には喜ばれていることが分かる。
普段から何気なく購入している野菜にも、実は人それぞれの選択基準がある。購入時にあらためて認識してみると、新たな発見があるかもしれない。
■関連記事:
生鮮食料品の入手困難な理由、最多意見は「価格が高い」(国民健康・栄養調査2012年版)
※農畜産物の消費行動調査に関する調査
直近年度分は2018年10月12日から17日にかけて、全国の既婚女性・既婚男性・単身女性・単身男性に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は2009人。男女比はほぼ1対1、年齢階層別構成比は20代以下133人・30代261人・40代344人・50代324人・60代393人・70代以上554人。調査実施機関はインテージ。過去の調査もほぼ同様の条件下で行われている。
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