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米中ロ韓への日本人の親近感、現状ではどのような状況なのか(2018年版)

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 日本人が諸外国に持つ親近感、その内情は。(ペイレスイメージズ/アフロ)

日本と深い関係のある国々に、日本人自身はどの程度の親近感を持っているのか。内閣府の外交に関する世論調査(※)から、属性別の現状を確認していく。

今調査の該当項目では諸外国、あるいは地域毎に親しみを抱いているか否かに関して、「親しみを感じる」「どちらかというと親しみを感じる」「分からない」「どちらかというと親しみを感じない」「親しみを感じない」の5選択肢を提示、その中から自分の心境にもっとも近いもの一つを選んでもらうことで、該当国への親近感を推し量っている。

そこでそのうち「親しみを感じる(強)」「どちらかというと親しみを感じる(弱)」の動向を、主要国として今回抽出したアメリカ合衆国、中国、ロシア、韓国について、男女別と年齢階層別に計上しグラフ化したのが次の図。4か国のグラフにおいて縦軸の区分はすべて統一してあるため、個々の国に対し持っている親近感の度合いが容易に比較できるようになっている。

↑ アメリカ合衆国に親近感を持つ人(2018年)
↑ アメリカ合衆国に親近感を持つ人(2018年)
↑ 中国に親近感を持つ人(2018年)
↑ 中国に親近感を持つ人(2018年)
↑ ロシアに親近感を持つ人(2018年)
↑ ロシアに親近感を持つ人(2018年)
↑ 韓国に親近感を持つ人(2018年)
↑ 韓国に親近感を持つ人(2018年)

アメリカ合衆国に親近感を持つ人は属性でさほど違いは無いが、女性よりは男性、高齢層よりは若年層の方がおおよそ強い親しみを覚えているのが確認できる。強弱合わせた親近感の合計値が一番低い属性は70歳以上。

全体値で最低値を示したロシアでは、18歳-20代が突出して高く、親近感は強弱合わせて3割強。それ以外は1割台で中年層が2割に手が届きそうなぐらいだが、強い親しみの値は少なめ。中国もロシア同様に18歳-20代の値が高く、36.1%。強い親近感も11.8%と、年齢階層別では最大値を示している。男女別ではほとんど違いは無し。

韓国では男女別では女性、年齢階層別では18歳-20代を筆頭に若年層の親近感が高い。若年層が高めに出るのは他国でも見受けられるが、強度の親近感が18歳から20代において突出する形で高い値を示しているのは、数年前までブームだった「韓流」「K-POP」などの影響が、まだこれらの層に残っていることがうかがえる。

強弱を問わずに親近感を覚える層を合算し、それぞれの国の属性別動向をまとめたのが次のグラフ。

↑ 対象国に親しみを持つ人(強弱合計)(2018年)
↑ 対象国に親しみを持つ人(強弱合計)(2018年)

アメリカ合衆国の安定した高さ、中国とロシアは実のところ僅差状態にあるが、女性や30代、70歳以上の親近感が差をつけていること、韓国の特異性(女性の親近感の突出した高さ)などが改めて確認できる。あくまでも総合的な評価として親近感を覚えるか否かではあるが、日本の対外施策や社会的事案の検証の際に、指標の一つとなる動向には違いない。

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※外交に関する世論調査

直近分は2018年10月18日から10月28日にかけて、全国18歳以上の日本国籍を持つ人の中から層化2段無作為抽出法によって選ばれた人に対し、調査員による個別面接聴取法によって行われたもので、有効回答数は1663人。男女比は806対857、年齢階層別構成比は10代42人・20代127人・30代206人・40代286人・50代286人・60代300人・70歳以上416人。過去も類似の方法で実施されている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロで無いプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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