日本のアメリカ合衆国への親近感75.5%…日本の諸外国への親近感の実情をさぐる(2018年版)

↑ 日本の諸外国への親近感は。(GYRO PHOTOGRAPHY/アフロ)

内閣府は2018年12月、外交に関する世論調査(※)を発表した。次に示すのはその調査結果を基にした、日本人の諸外国への親近感の実情。調査対象母集団に対し諸外国、あるいは地域毎に親しみを抱いているか否かに関して、「親しみを感じる」「どちらかというと親しみを感じる」「分からない」「どちらかというと親しみを感じない」「親しみを感じない」の5選択肢を提示、その中から自分の心境にもっとも近いもの一つを選んでもらい、その結果を集計したのが次のグラフ。

↑ 諸外国との親近感(2018年)
↑ 諸外国との親近感(2018年)

留意すべきは赤系統の色の回答部分。「(どちらかというと)親しみを感じない」は回答者の心境的に「親しみの対象にならない」(無関心的な部分。「分からない」とは異なる)と「憎悪の対象となる」の2通りに解釈できること。赤系統の色の回答率が多い国・地域が、日本から「憎まれている」わけでは無い。単に好まれていない、親しみを覚える対象にはならないだけの話。

結果を見るとまず目に留まるのが、アメリカ合衆国への親近感の高さ。親しみを感じない派(「どちらかというと親しみを感じない」「親しみを感じない」の合計)は2割強で、今回提示された国などではもっとも少ない。これは元々同国との間には親密な関係が継続されていたのに加え、2011年3月の東日本大震災における「オペレーション・トモダチ」をはじめとした、同国による大規模な救援活動の実態を見聞き、あるいは実際に支援を受けた結果によるところが大きい。同作戦から7年以上が経過したが、高水準を維持しているのに違いは無い。

他方、詳しくは後述するが前年と比べて親近感が減少しているのは、現大統領の選挙期間以降における言及や、それに対する報道姿勢が少なからぬ影響を示しているものと考えられる。

次いでオーストラリア。オーストラリアでは親しみを感じる派(「親しみを感じる」「どちらかというと親しみを感じる」の合計)はアメリカ合衆国と比べて少ないが、親しみを感じる派が親しみを感じない派よりも多いことに違いは無い。マイナスイメージでの情報伝聞が少ないのが要因だろうか。

さらに韓国、中南米・カリブ諸国、アフリカ諸国などが続く。アメリカ合衆国やオーストラリアと違い、親しみを感じない派の方が多くなっているが、韓国とそれ以外の諸国との間で、その内情にどのような違いがあるのか、今調査項目では把握はできない。中南米・カリブ諸国やアフリカ諸国は「情報そのものがあまり入って来ない、自分には関心がわかないので、親しみを覚えることは無い」が多分だと思われるのだが。

他方、ロシアや中国のような、いわゆる(元)共産圏諸国との親近感はおおよそ薄め。また、一般的な情報そのものがあまり入って来ない中東諸国も低い値となっている。中国では「親しみを感じない」との強い非親近感(上記にある通り「拒絶感」と同意ではない)の項目では今回の回答対象国では最大の38.6%を示しているのも印象的ではある。

好意的な選択肢「親しみを感じる」「どちらかというと親しみを感じる」を足した値を「親近感」と設定。そして今回の2018年分と前回2017年調査分双方で選択肢として挙げられた国に関して、その変移を算出した結果が次のグラフ。

↑ 諸外国との親近感(好感的意見合計値の2018年における前回調査との差異、ppt)
↑ 諸外国との親近感(好感的意見合計値の2018年における前回調査との差異、ppt)

韓国と中国が増加、ロシアが減少、アメリカ合衆国が大きめの減少。2%ポイントぐらいは誤差として生じえるものだが、アメリカ合衆国の下げ方は誤差を超えた大きさで気になるところ。これは現大統領のトランプ氏のさまざまな言動や政治的行動の実態に加え、その伝えられ方が小さからぬ影響を示しているものと考えられる。実態問題として、アメリカ合衆国における日本への姿勢に大きな変化は生じていないのだが。

2014年調査時に中韓への親近感が大きく下がった要因となった沖縄や尖閣諸島、東シナ海、竹島問題などのさまざまな対立は、実態が改善したわけでは無い。しかし親近感の値は少しずつ持ち直しつつある。一般報道における伝えられ方の変化(ニュースソースとしての新鮮味の観点から優先順位が下がった)が、親近感にも影響を与えた可能性は否定できない。

詳細は別の機会に解説するが、中韓、特に中国への親近感は今回調査でやや回復したものの、低い値を続けていることに変わりは無い。昨今の動向をかんがみれば、それもある程度納得ができてしまうものである。

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※外交に関する世論調査

2018年10月18日から10月28日にかけて、全国18歳以上の日本国籍を持つ人の中から層化2段無作為抽出法によって選ばれた人に対し、調査員による個別面接聴取法によって行われたもので、有効回答数は1663人。男女比は806対857、年齢階層別構成比は10代42人・20代127人・30代206人・40代286人・50代286人・60代300人・70歳以上416人。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

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(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。