20代が「自宅を買ってもいいな」と思える年収をさぐる

↑ 自宅の所有は大きな夢には違いないが。(写真:アフロ)

人生の中で大きな買い物の代表格に挙げられるのが住宅。20代の人達は世帯年収でどれぐらいの額を確保できれば、自宅の所有を考えるようになるのだろうか。SMBCコンシューマーファイナンスが2018年12月に発表した調査「20代の金銭感覚についての意識調査2018」(※)の結果を基に確認する。

次に示すのは世帯年収の一定区分別の回答率と、累積回答率を併記したもの。例えば世帯年収400万円に達した時点で自宅を取得してもよいと考える人は、世帯年収500万円の条件でも当然取得したいと考える。400万円より500万円の方が、金銭的余裕は一層あると考えられるからだ。そこで各世帯年収の区分別回答率に加え、累積の回答率も併記した次第。例えば自宅で300万円の累積回答率は12.5%だが、これは「世帯年収を問わず所有したい」の8.3%、「200万円」の1.2%、「300万円」の3.0%をすべて足した結果である。

↑ 所有・購入しようと思える世帯年収は(自宅、円)(2018年)
↑ 所有・購入しようと思える世帯年収は(自宅、円)(2018年)

自宅は単価が高いだけでなく値幅も大きいため、想定している対象によって金額が大きく異なることから、上昇の度合いもゆるやか。

単独回答区分で一番高い回答率を示しているのは「1000万円以上」で、直前の区分の「900万円」から大きく跳ねている。この動きを見るに、住宅取得が相当好条件下における選択である、「自宅所有は高嶺の花」と考えている人が多いようだ。

この動向について直近5年間分だが累積の動き、そして「いくら世帯年収があっても自宅を所有・購入しようとは思えない」と回答した割合を確認する。

↑ 所有・購入しようと思える世帯年収は(自宅、累積、円)
↑ 所有・購入しようと思える世帯年収は(自宅、累積、円)
↑ 所有・購入しようと思える世帯年収は(自宅、「思えず」の割合)
↑ 所有・購入しようと思える世帯年収は(自宅、「思えず」の割合)

自宅所有に関して世帯年収との照らし合わせによる判断では、慎重になる傾向が見受けられた。1000万円以上の値はほとんど変わらないが、そこに至る層がおおよそ減少しており、「自宅は欲しいけれどよほど世帯年収の上で余裕が無いと」との認識が強まっていたようだ。しかし直近の2018年では前回年の値を上回る動きとなっており、「20代の自宅取得離れ」の動きにブレーキがかかったように見える。

また「(どのような高年収でも自宅取得をしようとは)思えず」の回答率が年々増加していたが、若年層では高額出費となる、そして多くはローン返済のために長期間にわたり金銭的負担が増える自宅購入は、慎重な姿勢を示しつつあるようだ。それゆえに2018年の「思えず」の値の減少は、大いに注目したいところではある。

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※20代の金銭感覚についての意識調査2018

2018年10月2日から3日にかけて、携帯電話から接続したインターネット経由で20代男女に対して行われたもので、有効回答数は1000件。男女・20代前半と後半の区切りで均等割り当て。未婚者756人、既婚者244人。調査協力機関はネットエイジア。

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