小学6年生は1日2時間…子供達のテレビやビデオ、DVDの観賞実情をさぐる
小学6年生は平均2時間テレビやビデオ、DVDを観賞する
スマートフォンが娯楽の道具の主流となった今でも、テレビやビデオ、DVDのような映像観賞は子供達に欠かせない存在に違いない。現在の子供達の、テレビなどの観賞動向の実態を国立青少年教育振興機構が2018年8月に発表した「青少年の体験活動等に関する実態調査」(※)の報告書の内容から確認する。
次に示すのは普段の該当学年平均のテレビ、ビデオ、DVDソフトなどの観賞時間(平日・休日の区別無し)。「見ること」なのでインターネットテレビにおける操作やテレビゲームのプレイ時間などは含まれない。携帯電話などのワンセグに関しては特に言及は無いものの、他の設問で観賞と絡めてテレビ本体自身の問いが用意されていることから、あくまでもテレビメインの本体でテレビ番組を、あるいはビデオやDVDを再生して観賞した場合に限られると見なしてよい。
調査対象となる学年内では小学6年生がもっとも観賞時間が長く、2.00時間。高校2年生は好みが多様化するからなのか、あるいは部活動などで帰宅が遅くなり時間が取れなくなるからなのか、観賞時間は一番短く1.59時間。約1時間35分。グラフ化は略するが細部データを見ると、さすがに観賞しない人はどの学年でも数%でしかないが、それでも高校2年生では8.1%の値が確認できる。
これを調査対象母集団全体における経年変化で見たのが次のグラフ。
2009年度まではほぼ横ばいだが、2010年度以降はいくぶん減少の動きが確認できる。詳細データを見るに、特定の学年では無く、対象学年すべてで時間の短縮化が生じている。このことからイレギュラーな動きでは無く、子供達の間でテレビ離れ的な動きが起きている可能性は高い。次回調査年度となる2018年度分では、さらなる下落が予想される。
男女別で確認
直近の2016年度分について、各学年の観賞時間を男女別に区切った結果が次のグラフ。
小学4年生では男子の方が長いが、それより年上では押し並べて女子の方が観賞時間が長い。他の各種調査(成年男女対象)ではテレビへの執着は中年層までは女性、高齢層になると男性の方が強いことが知られている。元々は男性の方がテレビへの関心度は高く、小学4年生から5年生の間に男女間の逆転が生じるのではないかと想起できる結果となっている。
また上記にある通り中学2年生、高校2年生と年上になるに従い観賞時間が減るが、その減少傾向は男女ともに生じていることも確認できる。時間が減る理由は男女ともに存在していそうだ。
今件調査は2017年初頭に行われたもので、次回、つまり2018年度分は2019年初頭に行われるはず。この数年で中高生を中心にスマートフォンの普及が一気に進み、それに伴い生活様式も大きく変化したことを振り返ると、次年度以降は今調査でもさらなる動きが生じる可能性は高い。
スマートフォンの普及に伴い、テレビなどの観賞時間はいかなる変化を遂げるのか。恐らく減少傾向は継続するはずではあるが、最近ではテレビとスマートフォンの連動利用の可能性も注目されている。実態としてテレビ観賞時間はさらに短縮するのか、それとも伸びるのか。大いに気になるところだ。
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※青少年の体験活動等に関する実態調査
直近年度分は2017年2月から3月にかけて各学校(小学校は1年生から6年生まで各100校ずつ、中学校は2年生対象に150校、高等学校は2年生対象に150校)への調査票発送・返信による回収方式で行われたもので、有効回答数は学校数が879校、子供の回収数が18316件、保護者が15769件。
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