東京や大阪の気温は上昇中…100年以上の推移をさぐる

↑ 暑い日が続く今日この頃。昔と比べて気温に変わりは無いのか。(素材:ぱくたそ)

・気象庁の観測データによると東京では140年あまりの間に夏は2度強、冬は4度ほど平均気温が上昇している。

・大阪でも140年あまりの間に夏は2度ほど、冬は3度程度、平均気温は上昇。

・気象庁の報告書によると、都市部において長期的な気温の上昇が確認できるとのこと。

東京は140年あまりで約2度上昇

地球温暖化のような大きな規模の話で無くとも、都市近郊部に住む人の多くは、夏の気温が上昇しつつあるとの印象があるに違いない。ではその感覚は事実に基づいたものなのだろうか。気象庁の公開データを基に確認する。

次に示すのは東京における夏場の7月と8月、冬場の12月とその翌年の1月における、月次平均気温の推移。

↑ 平均気温(東京、度)(7月・8月)
↑ 平均気温(東京、度)(7月・8月)
↑ 平均気温(東京、度)(12月・1月)
↑ 平均気温(東京、度)(12月・1月)

「100年も生きているわけでは無いし、子供の頃の気温など覚えていないが、少しは上昇してるかもしれないな」との思いを持つ人はいるだろうが、実際に気温の上昇ぶりを確認すると、あらためて驚く人も多いに違いない。もちろんこれは単純に気温そのものの全体的な上昇によるものだけで無く、東京(千代田区大手町 東京管区気象台。以下地名は各地名における気象台を指す)周辺の開発進行に伴い、ヒートアイランド現象が影響力を強めたものでもあるのだろう。どれか一つの要因のみで無く、複数の要因が積み重なった結果に違いないが、ともあれ東京ではこの140年あまりの間に夏は2度強、冬は4度ほど平均気温が上昇していることになる。

大阪では東京よりやや穏やかだが上昇中

大阪の状況も東京とほぼ変わらず。夏は2度ほど、冬は3度前後と、東京よりもいずれも抑え気味だが、平均気温は上昇している。上昇分の違いは、都市開発の度合いがそのまま反映されているのかもしれない。

↑ 平均気温(大阪、度)(7月・8月)
↑ 平均気温(大阪、度)(7月・8月)
↑ 平均気温(大阪、度)(12月・1月)
↑ 平均気温(大阪、度)(12月・1月)

いずれにせよ、ある程度の起伏を経ながら平均気温が上昇していることは確かである。

札幌も平均気温は上昇中

最後に北部地域の代表として、札幌の実情を確認する。

↑ 平均気温(札幌、度)(7月・8月)
↑ 平均気温(札幌、度)(7月・8月)
↑ 平均気温(札幌、度)(12月・1月)
↑ 平均気温(札幌、度)(12月・1月)

東京・大阪と比べて穏やかではあるが、明らかに上昇していることに違いは無い。

気温上昇は都市部の話、かもしれない

これら東京・大阪・札幌の状況からは、都市開発の実情で差は生じるが、大よそ気温の上昇が確認できる。しかしその気温上昇が、日本、さらには地球の全体的な気温の上昇に伴うものなのか、それともヒートアイランド現象や、人口の密集化・人工建造物の増加に伴うエネルギー放出の増加など他の要因によるものなのかまでは特定できない。

なお気象庁が2004年以降毎年監視・検証の上で報告している【ヒートアイランド監視報告】の最新報告書「ヒートアイランド監視報告2017」においては、都市部において長期的な気温の上昇傾向がみられ、特に都市化が進んでいる地点ほど気温の上昇率が大きいとの言及が確認できる。他に、冬日の減少や熱帯夜・猛暑日・真夏日の増加、日中最低気温の上昇、乾燥化の進行が進んでいるとのこと。また、東京では1950年代後半から1970年頃にかけて、気温が大きく上昇したと説明している。

ちなみに「都市圏以外」の例として、北海道・網走の夏の動向をグラフ化したのが次の図。観測データの都合で1890年以降のものしか値が無いが、大よその状況は把握できる。変移が分かりやすいように、近似曲線も併記した。

↑ 平均気温(網走、度)(7月・8月)
↑ 平均気温(網走、度)(7月・8月)

大きな上昇は確認できない。また計測データが戦後のもののみであることから単純比較はできないため掲載は略するが、南鳥島の場合は60年余りにおける明らかな平均気温の変化は無かった。

気象庁の報告書の内容も併せ考えると、少なくとも日本における気温の変化は人口増加・都市化に伴うもので、人口密集地帯ではヒートアイランド現象によるところが大きいと見た方が、道理は通りそうだ。

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