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子供に一番人気のキャラクターは2年連続で「アンパンマン」

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
子供達に人気のキャラクターは?(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

・実質的に0~12歳対象の調査結果では2018年でもっとも好きなキャラクターとして挙げられたのは「それいけ!アンパンマン」。次いで「ドラえもん」。両者は2017年でもそれぞれトップ、第2位。

・男女別でもトップは男女ともに「それいけ!アンパンマン」。第2位は男子が「ドラえもん」、女子は「プリキュアシリーズ」。

・2016年ではトップ、2017年では第3位だった「妖怪ウォッチ」は、2018年では上位10位に入っていない。

アンパンマンが2年連続でトップに

子供が好むアニメや漫画、ゲームのキャラクターは、その時代の流行りすたりに大きな影響を受け、またその人気ぶりは多方面に影響を与える。バンダイが2018年6月に発表した調査「お子さまの好きなキャラクターに関する意識調査」(※)の結果報告書から、子供達の人気キャラクターの実情を確認する。

調査対象母集団全体における、もっとも好きなキャラクター(シリーズ単位、以下同)の人気投票の結果が次のグラフ。前回年となる2017年でトップに位置した「それいけ!アンパンマン」が、今回年の2018年も再びトップについている。

↑ もっとも好きなキャラクター(男女総合、択一回答、上位陣)(2018年)
↑ もっとも好きなキャラクター(男女総合、択一回答、上位陣)(2018年)
↑ (参考)もっとも好きなキャラクター(男女総合、択一回答、上位陣)(2017年)
↑ (参考)もっとも好きなキャラクター(男女総合、択一回答、上位陣)(2017年)

報告書の説明によれば2013年から調査方法を変更しているが、2002年の調査結果以来13年連続でトップについていた「それいけ!アンパンマン」を抜き、2015年でははじめて「妖怪ウォッチ」が最上位についた。そして2016年でも「妖怪ウォッチ」がトップを維持し、2年連続の王座を確保。しかしながら2017年では第3位に後退し、今回年の2018年では上位10位にすら顔を見せなくなった。この動きに関して報告書では何の言及も無いものの、子供達の間での注目、興味の対象として、優先順位が他のキャラクターと比べて落ちてしまったことが考えられる。

トップは前回年に続き「それいけ!アンパンマン」だが、第2位も前回年に続き「ドラえもん」。「ドラえもん」は前回年において1996年のアンケート開始以来はじめてのトップ3入りを果たしていたが、その勢いが今回年も続いたことになる。

上位陣には「プリキュアシリーズ」「仮面ライダーシリーズ」「クレヨンしんちゃん」「名探偵コナン」などが入っているが、報告書では「テレビで放送されているキャラクターの根強い人気がうかがえます」と分析しており、子供達の間におけるテレビの影響力の強さが改めて確認できる。

他方「ミニオン」など、キャラクターそのものの知名度は高いものの、前回年では顔を見せていなかったキャラクターが上位入りしているが、これについては「テーマパークやゲームで世間の注目を集めたキャラクターも上位に上がってきました」と報告書では説明している。テレビ以外の場面で接触する機会が増えたキャラクターに、親しみを感じる子供も少なくない実情がうかがえる。

男女の好みのキャラの差異

これを男女別に、上位陣を確認したのが次のグラフ。

↑ もっとも好きなキャラクター(男女別、上位陣)(2018年)
↑ もっとも好きなキャラクター(男女別、上位陣)(2018年)

男女ともにトップは「それいけ!アンパンマン」。前回年では「それいけ!アンパンマン」は女子の上位5位には入らなかっただけに、今回年では男女を問わず人気を集めた実情がうかがえる。男女総合で第2位の「ドラえもん」を大きく引き離してのトップとなったのは、男女双方から大いに好まれているからのようだ。

他方、第2位は男子で「ドラえもん」、女子で「プリキュアシリーズ」と異なる形となっている。第3位は男子「仮面ライダーシリーズ」、女子「すみっコぐらし」。男女それぞれに人気がありそうなキャラクターがついている。もっとも「ドラえもん」は女子でも第5位に入っており、それなりに多くの人から好かれていることに変わりは無いのだが。

男女別の上位陣の動向を見ると、共通する作品は別として、個々の男女別でのみ上位に位置する作品では男女の趣向の違いが大きく出ているように見える。男子はカッコよさが見えるもの、女子はカワイイ系・あこがれ系のものが高い人気を集めているのが再確認できる。他方、「それいけ!アンパンマン」は男女ともトップだが、男女それぞれが求める要素を欠けること無く有していると解釈すれば、道理は通る。男女・年齢に関係無く楽しめる要素が盛り沢山なのが大きいのかもしれない。

やや余談になるが、よい機会でもあるので。過去5年分において、同時期に行われた同様調査結果から、それぞれの年の上位10位分を抽出し、今回の上位陣と並べたのが次のグラフ。個々の年の第11位以下はデータが確認できないので、その部分は当然空欄となる。

↑ もっとも好きなキャラクター(男女総合、各年上位10位まで、空欄は該当年で11位以下)
↑ もっとも好きなキャラクター(男女総合、各年上位10位まで、空欄は該当年で11位以下)

今件はあくまで「もっとも」好きなキャラクターで、例えば次に好きな、3番目ぐらいに好きなキャラクターは反映されていない。空欄の年があっても、そのキャラクターの人気がまったく無くなったわけでは無い。相対的にもっとも好かれている対象として、順位が下がり、公開値の範囲から外れただけの話。

5年間の限りではやはり2015年における「妖怪ウォッチ」の過熱ぶりが目に留まる。ここまで「もっとも好き」の意見を集約できる、魅力ある対象として高く評価された結果といえよう。一方で「それいけ!アンパンマン」や「ドラえもん」などの安定した人気ぶりも改めて確認できるというものだ。

■関連記事:

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※お子さまの好きなキャラクターに関する意識調査

2018年5月11日から13日にかけて、0歳から12歳の子供を持つ人(子供と一緒に回答できる人)にインターネット経由で「子供の意見を入力できるような状況で」答えてもらったもので、有効回答数は800人。子供の年齢(0~2歳・3~5歳・6~8歳・9~12歳)と男女別で均等割り当て。調査協力はクロス・マーケティング。同様の調査は毎年実施しているが、2012年以前は様式が異なるため比較対象にはならない。また2013年から2016年までは長子のみが対象だったが、2017年からは長子に限定せずに回答を精査対象としている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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