20代の財布の中身は平均約9400円
![](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/fuwaraizo/00078866/top_image.jpeg?exp=10800)
金銭面で年齢階層別ではもっとも厳しい立場に置かれていると言われているのが、成人若年層。この層のお金事情はどのような状況なのだろうか。SMBCコンシューマーファイナンスが2017年12月に発表した調査「20代の金銭感覚についての意識調査2017」(※)の結果を基に、普段財布に入れている金額や、所持金が少なくて不安になる限界額の観点から、その実情を確認する。
就業者、あるいは大学生などにおいて、不意の出費にも即時に対応できるよう、財布の中には常に自分の年齢×1000円分の現金を収めておくべきとの話がある。分かりやすい形で所持金額に関する習わしのようなものを示したものだが、実際のところはどのような所有状況なのだろうか。普段財布に入れている金額を尋ねたところ、ボリュームゾーンは3000円から1万円との結果となった。全体平均では9408円との値が出ている。
![↑ 普段(平日)財布に入れている金額は(自由回答)](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/fuwaraizo/00078866/image01.gif?fill=1&fc=fff&fmt=jpeg&q=85&exp=10800)
中にはゼロ円とのつわものも居るが(すべてカードや電子マネー決済と割り切っているのだろう)、1万円以下に8割近くが収まり、普段万札が財布に入っている人は少数派となる。「普段から年齢×1000円」は、少なくとも今の20代にはほぼ通用しない。
平均額の9408円は、5000円札1枚と1000円札数枚、後は小銭が複数枚。あるいは1000円札と小銭を多めだろうか。少額に思える人もいるだろうが、昨今では電子マネーの普及浸透で小銭を極力少なくしたいとの考え方もあり、その分金額が減っている可能性もある。実際、今調査でも2015年以降において普段から電子マネーを使っているか否かを尋ねているが、確実に使用者の割合は上昇傾向にある。
![↑ 普段から電子マネーを使っている](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/fuwaraizo/00078866/image02.gif?fill=1&fc=fff&fmt=jpeg&q=85&exp=10800)
電子マネーの便宜性の向上や対応店舗の増加に伴い、キャッシュレス化が進み、その分普段から持ち歩く現金の必要性が減少し始めたのかもしれない。
平均額や回答金額の分散状況を見て、「普段の所有額がそれほど少額で大丈夫なのか」と心配をする人も多いはず。「どこまで所持金が減ったら、手持ちが少なくて不安になるか」を聞いたところ、もっとも多い回答率層は1000円台で27.2%。平均額は2815円となっている。
![↑ どこまで所持金が減ったら、手持ちが少なくて不安になるか(自由回答)](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/fuwaraizo/00078866/image03.gif?fill=1&fc=fff&fmt=jpeg&q=85&exp=10800)
手持ちがゼロな状態で初めて不安になる人も1割強いるが、あくまでも少数派。逆に2万円以上でも不安になる人もいる。ライフスタイルの違いにもよるため一概には言えないが、財布に1000円札が2枚あれば、不安は大よそ解消できるのだろう。つまり「年齢×100円」を持っていれば、多くの人が不安から解消されることになる。今や「常に財布に収めておくべき金額」は、1/10にされた上で、「不安解消のための目安」となったようだ。
所有額、不安になる額が小さいように見える。これは若年層の可処分所得の減少以外に、クレジットカードや電子マネーの存在が少なからず関係していると考えられる。あくまでも財布の中の金額である以上、各種電子マネーはカウントに含まれていない。現金は財布にあり、それとは別におサイフケータイなどで使える疑似通貨をそれなりに所有していると考えれば、道理は通る。
とはいえ、クレジットカードや電子マネーが使えない場面も多い。やはりお財布には一定額の現金があった方が、安心できるのには違いない。
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※20代の金銭感覚についての意識調査2017
2017年10月2日から5日にかけて、携帯電話を用いたインターネット経由で20代男女に対して行われたもので、有効回答数は1000件。男女・20代前半と後半の仕切りで均等割り当て。未婚者822人、既婚者178人。調査協力機関はネットエイジア。
(注)本文中の各グラフは特記事項の無い限り、記述されている資料を基に筆者が作成したものです。