犬と猫、どちらの専門誌がよく売れているのか…犬猫系雑誌の部数動向をさぐる
愛犬・愛猫の定期的な情報を取得できる源として、雑誌は非常に有益。ではその犬猫系雑誌の部数動向はどのような状態なのか。犬猫そのものの需要、人気をも連想させる実態を、日本雑誌協会が四半期ベースで発表している印刷証明付き部数(該当四半期の1号あたりの平均印刷部数。印刷数が証明されたもので、出版社の自称・公称部数では無い。売れ残り、返本されたものも含む)から確認する。
犬や猫の定期刊行雑誌は少なからず存在するが、印刷証明付き部数が公開データベースに収録されているものはベネッセ刊行のペット専門誌「いぬのきもち」と「ねこのきもち」のみ。書店での一般売りは無く、通販専用の雑誌である。書店のレジでサンプルが配されていることが多く、その表紙に映し出される犬や猫たちの愛らしい表情に、惚れた人も多いはず。その印刷証明付き部数の直近四半期における前年同期比と部数動向は次の通り。
発行元のベネッセにおける大規模情報漏えい問題が原因で、部数を大きく減らした2014年からはすでに数年が経過している。「ねこのきもち」は部数動向としてはリバウンドを示し、半戻しの状態となったまま推移しているが、「いぬのきもち」はリバウンドしたかしないかのうちに失速、部数はさらに下落に転じている。犬猫で大きく異なる結果が出てしまっているのが実情。
関連団体による試算ではあるが、日本国内のペット数動向では犬が減少し猫がほぼ横ばいとの結果が出ている(【平成28年 全国犬猫飼育実態調査(ペットフード協会)】)。両誌の動向もそれに合わせた動きと考えれば納得がいく。2016年第3四半期で部数上の順位が入れ替わったあと、その差はさらに開きつつある。
直近では「いぬのきもち」が7.3万部、「ねこのきもち」が8.8万部。ペットとしての犬猫の需要にも浅からぬ関係があるだけに、今後の動向には大いに注目したい。
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(注)本文中の各グラフは特記事項の無い限り、記述されている資料を基に筆者が作成したものです。