50年前の商品の価格は今と比べてどれぐらいのちがいがあるのだろうか
時の流れと共に商品の流行り廃りは移り変わり、需要は変化していく。また原材料費をはじめとした生産コスト、さらには物流の仕組みも変化を遂げ、それも商品価格に大きな影響を与える。それでは具体的に、生活に身近な物品の価格はどれほどの変動を見せているのだろうか。区切りの良い半世紀、つまり50年前と現在の価格を比較してみることにした。
検証するデータの抽出元は、総務省統計局における「小売物価統計調査」。年次としては2016年が最新値となるので、比較対象となる50年前の値は、1966年(昭和41年)のものを用いる。調査品目は東京都区部小売価格(今調査では全国統一価格商品以外のものは全国平均の値は算出されていない)。
品目は比較的メジャーなもの、身近にあるものを当方で独自に選択。さらに一部品目は1966年時点ではまだ計測対象として取り上げられていないものもあるため、それについては値が存在しうる最古のものを選んでいる。
一部品目は50年前と2016年で、主要流通商品の形状・分量が異なるため、単純比較が難しいものがある。例えばトイレットペーパーは直近値では12ロール1パックの価格だが、比較対象となる年では4個入りのものを計測対象としていた。この場合は単純計算で直近データの値を1/3(=4/12)にし、その上で価格を比較している。
あくまでも東京都内での計測値を元にしていること、上記の例にもあるように時代の変遷と共に対象商品が微妙に変化していることもあり、「郵便料」などごく一部を除けば参考値程度の精度でしかない。しかしながら商品価格の推移がそれなりに把握できるはず。
いわゆる「物価の優等生」と言われている「鶏卵」はその名に恥じぬように、「額面」価格はこの50年でさほど変わっていない。またトイレットペーパーやバナナに至っては、逆に実質的な価格は下がっている(バナナについては「価値観が随分と変わった」と再確認できるシニアの方も居るに違いない)。一方で「ねぎ」などのように7倍を超える価格上昇を示しているものもある(無論半世紀前と品質が同じわけではない)。
ちなみに2016年時点では50年前の1966年と比較して、消費者物価指数は約3.9倍に上昇している。対象商品の基準の変化を考慮すれば、3倍から6倍台の領域に収まっていれば、大体消費者物価指数に沿った価格上昇をしていると見て良いだろう。
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