ネット利用の際に一番よく使うのはパソコン、スマホ、それとも?
多くの人の日常生活に欠かせない存在となったインターネット。多様な機器から利用が可能だが、どの端末を一番多用しているのだろうか。その実情を総務省が2016年8月に詳細値を発表した「通信利用動向調査」を基に確認していく。
今調査の結果によれば、インターネット普及率は直近の2015年末では83.0%との値を示している。
インターネットにアクセスする際には一つ、あるいは二つ以上の機器を窓口にする。例えばパソコン、従来型携帯電話、スマートフォン、家庭用ゲーム機、インターネットへのアクセス機能を持つテレビ(受信機)。それらの中で「もっともよく使っている」機器を尋ねたのが今回の精査対象項目。
結果としてはパソコンが最多回答となった。全体では5割強。次いでスマートフォンが34.6%。
パソコンとスマートフォンのように、複数のアクセス可能な機器を所有していても、使える状況下なら、より便利な、自分の環境で使いやすい機器を多用するのが普通の発想。ノート、あるいはデスクトップいずれにしても、パソコンを使う人がもっとも多いのは道理が通る。
見方を変えるとインターネットを使っている人で、すでに1/3強の人は「ネット端末としてはスマートフォンを一番よく使う」と認識していることになる。そして1割近くがまだ従来型携帯電話。タブレット型端末も3.8%とそれなりの値を示している。
これを回答者の年齢階層別に見たのが次のグラフ。
小学生はパソコンが一番だが、次にスマートフォン。そしてタブレット型端末とゲーム機などがほぼ同率で並ぶ。昨今では家庭用ゲーム機でもインターネットアクセスが前提となるゲームが増えており、よく使う端末としてゲーム機を挙げるのも当然かもしれない。タブレット型端末はスマートフォン同様に学習用や遊具として、保護者が子供に提供し、それを利用している実態が確認できる。とりわけタブレット型端末の値の大きさは、この年齢階層特有のもので、注目に値する。
他方13歳から19歳、実質的には中学高校生では、もっともよく使われているのはスマートフォン。ついでパソコンが続き、事実上その2種類が主なインターネット接続機器となる。タブレット型端末やゲーム機なども併用しているが、メインの端末からは外れることになる。
そして歳を重ねるに連れて「パソコン増加」「従来型携帯電話増加」「スマートフォン減少」との一貫した動きが見える。これはシニア層になるほど、業務の上で、または画像の大小や操作のしやすさやこれまでの慣れで、所有しているのならパソコンの利用を優先、そしてモバイル系端末としてはスマートフォンを嫌い、従来型携帯電話を好む傾向があるからに他ならない。スマートフォンと従来型携帯の回答値における転換点は50代から60代。それ以前はスマホが、それ以降は従来型携帯電話が多く使われることになる。
ただし60代で従来型携帯電話とスマートフォンの差異はわずかに0.7%ポイント。スマートフォンがシニア層にも浸透している現状を見るに、この数年で両者の値が入れ替わり、転換点が60代と70代の境目へシフトするかもしれない。
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