トップは東京都で55%…都道府県別のスマホ利用率を探る
都道府県別では東京がトップ
総合情報端末として日常生活の上で欠かせない存在となった人も多いスマートフォン。その利用率は都道府県別でどのような違いを見せるのだろう。総務省の「通信利用動向調査」の結果から探る。
次に示すのは2014年末時点における、過去1年間にスマートフォンでインターネットに何らかの形でアクセスをしたことがある人の割合。要はスマートフォンの利用状況を示している。全体では47.0%、最高値は東京都の55.3%、最低値は鳥取県の37.1%。18.2%ポイント・1.5倍もの差が出ている。
神奈川県・東京都などの関東圏、大阪府・滋賀県などの近畿圏、佐賀県などの九州北部圏など、人口密集地帯・都市地域で高い値を示している。一方で、それ以外の地域のうち、人口が比較的少なめな都道府県では値が低く抑えられている感はある。
ただしもっとも低い鳥取県でも37.1%と1/3を超えている。ほんの数年前までは「未来の携帯電話」「持っている人を見かけるのは滅多にない」「電車内で操作していると羨望のまなざしを多方向から感じ取れる」状況だったスマートフォンの利用率とは考えられない値である。
上位・下位10地域は次の通り。
最上位は東京都の55.3%。次いで神奈川県の54.9%、大阪府の52.8%が続く。関東地域をはじめ、人口密集地帯(=人口比率的に若年層が多い地域)が上位を連ねている。
一方で下位は鳥取県の37.1%をはじめ、青森県、島根県のような、比較的人口比率で高齢層が多い地域が並んでいる。スマートフォンの所有・利用は年齢属性との関係が深いことを考えると、この動向は理解もできる。
1年間でどのような変化が生じたか
今件「都道府県別スマートフォンによるインターネット利用率」は前年分となる2013年分のデータも手元にある。そこで2013年末から2014年末における、1年間の変移を算出したのが次のグラフ。
前年比で上昇%ポイントが上位10位の都道府県を赤で着色したが、今回は佐賀県のみ。もっとも、5%以上の伸び率まで仕切り線を見ると、人口密集地帯そのものではなく、その周辺、近郊地域で大きく伸びているのが確認できる。大都市圏からその周辺にスマートフォンの浸透が進んだ感はある。
なお、今回唯一前年比でマイナスを示した沖縄県だが、タブレット型端末でも最大のマイナス幅が確認されている。調査対象母集団におけるイレギュラー的な数字が出てしまったのかもしれない。あるいは2012年から2013年にかけては最大の上げ幅(プラス15.9%ポイント)を示したため、その反動もあるのだろう。
■関連記事: