日本に行きたいか? 何をしたいか!? 諸外国の人達の想いを探る
タイの人は9割が「日本に行きたいな」
オリンピック招致や景況感の回復、極度の円高からの脱却など経済情勢の変化などを受け、日本でも海外からの観光客誘致の機運が高まっている。それでは諸外国の人の日本への訪日意向はどれ程のものなのだろうか。新聞通信調査会が2015年3月に発表した、アメリカやイギリス、フランス、中国、韓国、タイへのメディアに関する世論調査「諸外国における対日メディア世論調査」から、その実情を確認する。
次に示すのは調査対象国における、日本への来訪経験の有無と、日本を訪れたいか否かの意向。韓国を除けば訪日経験者は1割にも満たない。
韓国だけは他国と異なり訪日経験者率は4割を超える、高い値を示している。距離感などの差が出たのだろう。しかしその韓国では訪日意向者は米英仏とさほど変わらず。訪日経験が豊富でも、さらなる来訪意向があるか否かとは別問題のようだ。また中国は訪日意向も低めで、2割程度しかない。
他方タイは訪日経験者は1/33ほどしかいないが、日本への訪問を希望する人は9割を超えている。他項目でもタイは日本に対する関心度が高く、観光を望む声が大きいことから、その心境が反映されたものと考えて問題はなさそうだ。
日本に来たらどこに行き、何をしたいか
そこで各国の訪日希望者に、具体的な要望を尋ねたのが次以降のグラフ。まずは行きたい場所を複数回答で尋ねたもの。アメリカは案外低め。
欧米では英仏の訪問意向が強いが、特にフランスは多方面への来訪を望んでいる。他方アジア諸国では中国の来訪意向が強く、中でも東京・北海道・富士山へは8割強との高い値が出ている。訪日意向そのものはタイの方が強いのだが、そのタイもやはり東京・北海道・富士山が高め。
ところが韓国では諸国の中で一番来訪意向が低く、一番高い値の東京でも4割に届かない。訪日経験者が多いことから、すでに足を運んだ場所に改めて訪れる必要はないと判断しているのかもしれない。
行動の内容ならばどうだろうか。
欧米とタイでは「文化と歴史のある街を観光」の意見がもっとも高い値を示し、次いで「日本食を食べる」が続いている。ところが韓国では「温泉」が最上位、中国では「買い物」がトップ。それぞれの国の実情、日本の来訪目的が如実に表れている。
また韓国と中国では「買い物」の回答動向が正反対、フランスでも「温泉」の回答が意外に高い、さらには一部でプッシュされている「ポップカルチャーに触れる」の回答はどの国でもさほど高くないのが要注目。ポップカルチャーはインターネット経由でも多分に取得できることから、現地に足を運んだ際の行動としても、現実を目の前にしないと体感できない行動が優先され、優先順位が落ちてしまうのかもしれない。
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