朝刊はいったいどれだけ読まれてる?
朝刊を毎日読む人は5割強
紙媒体としての新聞の発行部数が漸減しているのは周知の事実で、購読者数もそれに連れて減少していることは容易に想像がつく。それでは実際には朝刊はどれほどの人たちに、どれだけの頻度で読まれているのだろうか。財団法人新聞通信調査会が毎年発表しているメディアに関する世論調査結果の最新データなどから確認していく。
次に示すのは朝刊の閲読頻度。購入頻度では無い。例えば自分では買っていないが会社や喫茶店で定期的に目を通す場合は、「購入」はしていないが「閲読」したことになる。
朝刊を毎日読んでいる人は5割強。その多くは月ぎめなどの契約購読者と見て間違いない。週数回の人は業界紙を取っているか、通勤・通学時にスタンドなどで購入するタイプだろう。週一以上で定期的に閲読している人を試算すると77.0%。購入していないが読んでいる人まで合わせて、大よそ3/4強が朝刊を閲読していることになる。
他方、朝刊を読んでいない人は1/4近く。「回し読みをしているから新聞の購入数の数倍は延べ閲読者数が居るはず」との試算もあるが、少なくとも今件結果からはその試算結果は導きにくい。
朝刊閲読者、その中身は
朝刊閲読者の中身、属性別の動向は次の通り。週一未満、つまり滅多に読まない人も合わせ閲読者全体とした上で「読む人合計」とし、「毎日読む人」と同じように属性別の動向を確認したのが次のグラフ。
「毎日読む人」では、女性より男性、若年層より高齢層の方が読む人は多い。特に30代までは毎日閲読者=契約購読者と思われる人が非常に少ない。他方、60代以降は3/4以上が毎日閲読している。これが「とにかく新聞を読んでいる人」となると10代でも4割近く、20代でも5割近くとなる。60代以降は9割を超えるという圧倒ぶり。
昨年度からの傾向を見ると、大よその属性で小さからぬ減少が生じている。特に30代から40代の減少ぶりが著しい。「中堅層の新聞離れ」とでも呼ぶべき動きではある。一方10代は逆に増加しているが、他の調査項目でも同じような動きが確認されている。これは多分に、新学習指導要領で小中高校で新聞などを教材として活用することが示されたことから、学校などで手に取る機会が増え、それに伴い読む人が増えたものと考えられる。
ともあれ「回し読み」を考慮した閲読頻度の視点でも、「若年層は新聞を読まない」「シニア層は大いに新聞を好む」ことに変わりはない。また一部で主張されている、「回し読みによる閲読者実数の大幅な底上げ」は、それほど現実的な話ではないことは理解できよう。
■関連記事: